国公労連は、8月30日から3日間、「守ろう9条、ストップ『構造改革』、格差と貧困をなくそう」をメインスローガンに第53回定期大会を都内で開催した。ここには全国から代議員、特別代議員、オブザーバーなど297名が参加し、これまで1年間の総括をふまえて向こう1年間のたたかう方針を確立した。そして、財界奉仕の「構造改革」に真正面から対峙する公務労働者・労働組合として、国公産別運動の新たな展望を切り開くため、「21世紀を生きる公務労働運動の挑戦」のテーマで中期的な課題と方向を意思統一する2007年全国討論集会を12月に開催することも確認した。
いま、情勢は大きく変化している。7月の参議院選挙で国民は、安倍自公政権の暴走政治にきっぱり「ノー」を突きつけ、参議院で“与野党逆転”という新たな状況がつくり出された。しかし安倍首相は、居直りを決め込んで内閣改造を行い、「改憲・構造改革」路線をひた走っている。私たちは憲法尊重擁護の義務を負う公務労働者として、その存在意義をかけて9条改憲と「戦争できる国づくり」を許さないとりくみを断固すすめる。そのため、全組合員対象の「学習会」の開催、住民過半数の署名運動への結集など、職場・地域から「守ろう9条、活かそう憲法」の世論構築に全力をつくす。
小泉・安倍内閣がすすめてきた「構造改革」路線は、社会的セーフティーネットを破壊し、青年層を中心に格差と貧困の拡大、ワーキング・プアの増大を引き起こしている。その一方で、公務員バッシングによって国民との分断をはかり、国と地方で公務リストラや公共サービス民営化を強行している。この結果、北九州市の生活保護行政をめぐる連続餓死事件で福祉事務所長が刑事告発されたように、今や公務労働のあり方そのものが問われており、国民の基本的人権を保障する民主的な行財政・司法の確立と「競争より社会的連帯を」求める運動を本格的にすすめる。
総人件費削減の強行、「改正」国公法による新たな人事評価制度の導入、すべての独立行政法人の整理・合理化など、公務労働者の雇用・労働条件を一方的に改悪する動きが強まっている。また、長時間・過密労働やメンタルヘルスの深刻化など労働環境も悪化の一途をたどっており、時短要求がより切実さを増している。とりわけ社会保険庁「改革」がいよいよ具体化されてくる中で、仲間たちを激励し、一人の首切りも許さないたたかいを産別規模で徹底的に強める。そして、労使対等による労働条件決定システムの構築を追求し、労働基本権の早期回復をめざして大いに奮闘する。
政府・財界の「労働ビッグバン」戦略にそって、公務・民間職場ともに低賃金・不安定雇用・未組織の非正規労働者が増加の一途をたどっている。また、組織内に目を向ければ、労働条件・労働環境の悪化に伴って、職場活動が停滞し組合活動の結集力も弱まっている。組合員一人ひとりの要求前進にむけて職場の総学習・総対話にとりくむとともに、今大会でのブロック国公専従役員の中央執行委員化をバネに、地方・地域を重視しすべての公務関連労働者を視野に入れた国公産別組織の強化・拡大に全力をあげる。
今大会で決定された諸方針を全面的に実践するため、すべての仲間たちの知恵と力を束ね、文字どおり「国民の中へ、国民とともに」を合言葉に全国の職場・地域で奮闘しよう。
以上、宣言する。
2007年9月1日
日本国家公務員労働組合連合会第53回定期大会
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