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国公労連速報 2007年3月9日《No.1797》 |
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【独法関連ニュースNo.3】
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研究・労働条件改善へ学習交流
★国公労連・学研労協「07春闘つくば集会」ひらく
3月6日夜、国公労連は学研労協と共催で、「07春闘学習交流集会inつくば」を40人の参加でつくば市において開催しました。この集会は東京集会(2月28日)、三多摩集会(3月2日)に続いて独法労組が中心となってとりくんだものです。(※つくば集会には、国研の気象研究所の仲間や全建労地理支部の仲間が参加するため独法労組と銘打っていません)
冒頭、国公労連と学研労協からそれぞれ主催者あいさつがありました。(※学研労協は、正式名称が筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会。筑波にある農林水産省や経済産業省をはじめとする各省庁の国公立試験研究機関とそれに準ずる機関・独立行政法人の労働組合による協議体です)
国公労連・盛永副委員長は、「大企業中心ではあるが景気回復がいわれ、安倍首相でさえ財界との賀詞交歓会で『もうけの一部を賃上げに回してもらいたい』と発言。各金融機関が初任給の大幅引き上げを決定し、三井住友銀行では初任給を3万1千円引き上げ20万5千円にするとのマスコミ報道もある。この有利な状況をいかし春闘で奮闘しよう。そして、格差社会を作りだし貧困層を増大させ、地方を切り捨てる構造改革の本質が国民の中に浸透してきているなか、統一地方選挙、参院選挙で構造改革を転換させるために大いに奮闘しよう」と述べました。
つづいて、学研労協・池長議長は、「政府の規制改革会議は2月23日、重点課題を決めた。7つあげた重点課題の中に『独法等公法人の業務の廃止・縮小、民間開放』がある。こうした攻撃に抗しながら、つくばでのとりくみを進めたい。研究機関が独法化され、それぞれの研究・労働条件が違ってきている。個別の労使の中で変化していくので、情報交換をしっかり積み重ねることもベースにしながら各法人で研究・労働条件を改善していこう。そして、春闘のとりくみとあわせて、国公労連と学研労協の共催で、3月17日には科学技術政策シンポジウム『研究のモラルを問う』を開催し、6月13日には国研集会で『独立行政法人の6年を検証』し、独法とはいったい何であったのか、私たちに独法は何をもたらしたのかを明らかにしていきたい」と語りました。
情勢報告を行った国公労連・上野独法対策部長からは、「従来は8月の概算要求期に向けたとりくみを進めてきたが、その前に政府の骨太方針が決められる。骨太方針で枠をはめられてしまうわけだから、これに対するとりくみを強める必要がある」などの提起がされました。
独法“効率化”で非正規職員が増大
国公労連の各単組・分会からは要旨以下の発言がありました。
全経済・産総研労組は、「独法化後6年が経過し、職員の構成比も大きく変化。正規職員が3000人に対して、ポスドクが600人、非常勤職員や派遣職員など非正規職員は正規の職員数より多くなっている。独法を“効率化しろ”というのは結局弱い立場の職員をさらに弱い立場へと追いやっているのが現実だ。産総研労組として春闘要求で非正規職員の雇用形態の改善や職員の構成比を改善することなどを掲げているが、これは政府全体の方針とも関わることで一つの研究所で実現できるものではない。しかし、いま格差の拡大、非正規職員の問題が深刻になる中で非正規の仲間の処遇改善を、それぞれの研究所労組としても春闘の中で訴えていく必要がある」と発言しました。
全厚生・医薬基盤研究所支部は、「2005年に設立され、つくばには薬用植物資源研究センターと霊長類医科学研究センターがあるが、予算も人も働くルールもない状況になっており、運営そのものに問題がある。国公労連と学研労協の協力もあり、ようやく労働協約を締結できそうな段階まできている」と報告しました。
春闘で地域に打って出ることが重要
また、全気象・気象研究所分会は、「2009年4月に独法化される。組合として独法移行にあたっての対策をさまざまな形で進めているところだ。組織率が低下しており、組織拡大が急務になっている」、全建労地理支部からは、「春闘では諸要求実現に向け、職場はもとより地域に打って出ることを重視している。地理院も独法化を狙われているが、なぜ地理院が国の機関でなければいけないのかを地域に出て訴えている。つくば駅前で宣伝行動にとりくんだり、国会議員請願行動を実施したり、測量関係の団体と懇談するなど共同を広げている。また、茨城労連に結集し自治体要請などにもとりくんでいる。結果的に独法化は現時点で阻止できているが5年間で70人の純減が進められている」と地域で共同を広げることの重要性が話されました。
学研労協に結集している独法労組からは、「4月から5段階評価で昇給幅が変わることになっているが、評価をどういった基準でするのか、5段階をどういった割合でするのか等、まったく何も提示されていない。当局に評価法を開示するように組合として求めている。また、運営費交付金の削減とともに一般管理費15%削減で、事務系の雑務が研究職に押しつけられている状況が問題になっている。研究の効率と事務のバランスを取ることが大切と理事長を追及している」(物質・材料研究機構労組)、「いま課題になっているのは業績評価を昇給に反映させるという問題。また、定年延長に関連して、シニアスタッフ(退職してからの再雇用)という制度ができ、4月から希望者に運用される。フルタイムの契約職員の仲間に夏休みが認められ前進があった」(環境研究所労組)、「農研機構では研究職に選択制の裁量労働制が導入された。当局説明では研究職員の働き方の多様性を高め自らの知識・技術を十分に活用し研究業務を円滑、効率的に遂行するためとしているが、変形労働時間制であり組合のチェックが重要となっている。すでに裁量労働制を導入されている学研労協傘下の独法労組とも情報交換をさせてもらって働きやすい研究環境に向けてとりくみを進めていきたい。また研究業績評価とその処遇への反映についても課題となっている」(全農林筑波地本)などの発言がありました。
最後に学研労協・川鈴木事務局長が、「きょうの集会では、つくば地域の研究機関労組が春闘期の切実な要求を持ち寄り、お互いに情報交換し、とりくみを学びあって、奮闘することが確認できた」とまとめのあいさつを行い、学研労協・池長議長の団結がんばろうで集会を終えました。
以上
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