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国公労連速報 2007年4月9日《No.1820》
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【憲法改悪阻止闘争ニュース No.27】
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◆「法務9条の会」が誕生
「ふくらまそう!平和憲法」紙風船を作り、世論広げる
【法務9条の会事務局発】憲法9条改悪と地続きである国民投票法案(改憲手続き法案)が強行採決されようとしています。
私たち憲法擁護義務のある公務員が、憲法擁護の意見を言えなくなってしまうような法律ができようとしていることに、私たちは危機感を募らせています。
法務省で働く公務員はもちろん、同じ職場で働いている仲間、それぞれの地域での取り組み、家族やOBも含めて、憲法擁護の運動のきっかけになればとの思いから、今回有志で「法務九条の会」を立ち上げました。
宣伝グッズ「ふくらまそう!!平和憲法」紙風船を広め、一人でも多くの人に憲法や、国民投票法への関心を持ってもらおうと思います。いろいろな地域や職場で「九条の会」ができれば、また、組織ができなくても、話しをするきっかけとなればと思っています。
今回、(株)きかんしのホームページの平和のための宣伝物紹介サイトに「紙風船」を掲載しました。国公の仲間のみなさんもぜひご利用ください(団体名を入れずに作っています。「紙」風船なので、はんこを押してご利用ください)。
★平和のための宣伝物紹介サイト http://www.kikanshi.co.jp/peacegoods/
◆「法務9条の会」へのお誘い
いま、平和憲法が重大な危機に瀕しています。
前小泉首相は、アメリカ政府のイラク侵略戦争を盲目的に支持し、憲法を蹂躙し、イラクに自衛隊を派兵しました。さらに自衛隊が米軍と共同して戦闘行為を可能にするために憲法の改悪を画策し、自民党もそれに呼応し2005年に「新憲法草案」を発表しました。そのような状況を憂い2004年に井上ひさしさんなど著名人9人がたちあがり、「九条の会」が結成され日本国民に平和憲法の大切さを訴えました。その活動はまたたくままに全国に広がり、これまでに結成された「九条の会」は、全国で6000を超えており、国公内でも他の単組や、県国公などで結成されています。これらの活動により、当初予定されていた今年の参議院選挙との同時での国民投票はおろか、その国民投票法すらも成立を許してはおらず、これは大きな成果といえます。
しかし、昨年就任した安部首相は憲法改悪を明確に公約に掲げ、教育基本法や自衛隊法を改悪させ、国民投票法を今国会で成立させようとしています。もし憲法が彼らのねらい通り国民を縛るものとなれば、私たち公務員の置かれた立場は、一般の国民より深刻なものとなります。まず憲法15条に規定された国民全体の奉仕者から、国民を監視し動員する業務へと転換されます。それだけでなく、国が行政サービスを放棄するとなれば、公務員の存在自体も危うくなります。また、国民投票法が成立すれば、公務員が憲法擁護を訴えることすらできなくなるおそれがあります。憲法改悪に関して、公務員が意見を言えば、取り締まりの対象とされるかもしれないのです。
法務省内には、残念ながらこれまで「九条の会」のような憲法を守ろうとする組織は、結成されていませんでした。わたしたちは、全国の全法務の組合員有志で、「法務九条の会」を結成することにしました。この日本が誇る平和憲法を守り抜くため、頑張りたいと思います。また、今後、会員紙の発行や宣伝グッズの作成などの活動を展開したいと思います。
21世紀を平和の世紀とし、全世界を平和に導くと同時に私たちの業務を守るためにも、第9条をはじめとする日本国憲法を守るために、平和憲法が大好きな法務局をはじめとする法務省で働く全ての皆さん、ご一緒に活動しましょう。
2007年3月
★呼びかけ人★
名古屋法務局一宮支局 空 直樹 横浜地方法務局 沓名正晴
福岡法務局箱崎出張所 江崎 洋 名古屋法務局岡崎支局 川添博久
広島法務局可部出張所 清水章宏 大阪法務局 村上正純
長野地方法務局 東城正彦 横浜地方法務局麻生出張所 豊田治彦
東京法務局城南出張所 山木健介
◆改憲手続き法案が大きなヤマ場
与党、13日にも衆院通過狙う
国会は今週、9条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案が大きなヤマ場を迎えます。自民、公明両党は4月12日の衆院憲法調査委員会で採決し、翌13日にも衆院通過しようとの動きを強めています。
しかし、この間の地方・中央における公聴会では、公募の公述人のみならず与党推薦の公述人からさえ、「憲法に関わる法律を拙速に採決することは問題がある」「もっと慎重に審議して欲しい」などの悲痛な叫びが訴えられています。4月5日の中央公聴会では、高知自治労連の松繁美和書記長が公述しました(以下、「自治労連速報」第153号、4月9日号より転載)。
◇改憲手続き法案 中央公聴会で高知自治労連・松繁書記長が公述
「憲法に深くかかわっている公務員にこそ自由闊達な意見表明を認めるべき」
4月5日、衆院憲法調査特別委員会は改憲手続き法案に関する中央公聴会を開催し、一般公募に応募した124人の中から選ばれた7人の公述人が意見陳述しました。その一人として高知自治労連・松繁美和書記長は、憲法尊重擁護の誓いをもとに仕事をしてきた地方公務員の立場から、また自治体労働組合の役員として憲法問題で自治体首長との懇談や議会要請などをすすめてきた立場から公述しました。
◇6地方議会の意見書採択は、性急さへの危惧の現れ
松繁さんは冒頭、自民党新憲法草案が「立憲主義の原則を踏み外す内容で、国家が国民を縛る内容」となっており、「憲法を豊かに発展させるものではなく解体につながるもの」と述べ、しかも安倍首相の最近の言動からも、国民投票法案は「改憲」を行いやすくして憲法9条を変えようという意図が明白だと指摘し、法案に反対する立場を表明しました。
また、高知県内の6地方議会で法案の廃案や慎重審議を求める意見書が採択されたことを紹介し、「こういった問題は国の問題だとして採択されることは少ないのが現状であり、ましてや自民党、民主党の動きに反対する中味がある意見書が採択されたことは、まだまだ数は少ないかもしれないが、大きな変化だ」と述べ、法案審議の性急さへの危惧が広がっている現われだと指摘しました。
◇憲法に照らして、住民にとって悪いものであれば反対の意見を表明してきた
法案の内容の問題点について、公務員・教員の運動規制を中心に公述しました。松繁さんは高知県本山町職員として、住民のいのちや暮らしを守るための仕事をする中で、医療や福祉にかかわる制度が変えられるとき、「その制度が地域で暮らす高齢者や障害をもった方々にどんな影響を与えるかを考え、悪くなるものであれば、私たちはその制度に反対の意見を表明し、署名活動もした」と振り返り、その判断基準は「憲法25条や13条などに照らしてどうかということだ」と述べました。そのうえで「憲法が変えられようとするときに、憲法に深くかかわって仕事をしてきた公務員こそ、自由闊達な意見表明を認めるべき」とし、「憲法尊重擁護義務を宣誓した公務員が、憲法のあり方にかかわることができないなどということは憲法理念に反するもの」と指摘しました。
◇多くの公務員は「地位利用」とは無縁
松繁さんは、公務員の「地位を利用した」運動規制について、国民投票運動全体に萎縮効果をもたらすもので削除すべきであり、「自由な意見表明ができてこそ『全体の奉仕者』としての仕事ができる」と述べました。また、「多くの公務員は利用したくともそんな地位はない。あるのは高級官僚の方々。こうした方々の地位利用は別の法律で取り締まればいい」と指摘しました。
また松繁さんは、昨年11月2日の小委員会で自治労連・田中副委員長が参考人として「『原則規制ゼロ』の立場に立てば、国家公務員法の政治活動の制限を国民投票期間は適用除外とすべき」と述べたのに対し、自民党も民主党も基本的に賛同し、その方向での修正協議がすすめられていたにもかかわらず、与党「修正」案で突然規制強化になったことを指摘し、「公務員や教員が国民と力をあわせて憲法を守り豊かにしていくことをおそれているのか」と述べました。
さらに、「最低投票率の定めがないことは、憲法改定が少数の賛成で行われるおそれがある」ことや、有料広告について「資金力の違いが宣伝力の格差となって表れる」ことを指摘しました。
◇「九条の会」の広がりや、みずからの戦争体験を語る首長の思いに耳を傾けて
松繁さんは、全国で「九条の会」が6千をこえて広がり、高知県でも45の会がつくられ、憲法改悪反対の署名が有権者過半数をこえた自治体が2つあることを紹介し、「9条は守らなければ、の声が広がっている」と述べました。
また、憲法をテーマにした首長との懇談をすすめてきた経験に触れ、ある首長は「じっくりと過去を振り返り慎重な対処をしてほしい」と改憲を急ぐ流れに心配するメッセージを寄せていることや、またある首長は憲法改定の話に及んだときみずからの戦争体験を語り、戦争はやってはいけないと言われたことを紹介しました。
◇国民は拙速な法案成立には反対。廃案にして出直すべき
最後に松繁さんは、自民、公明与党が「修正」案を出したことに触れ、これに対する審議についても公聴会を実施するなど十分な時間が必要であり、「報道されているような4月中旬に審議打ち切り、委員会採決などはありえないこと」、「国民は拙速な法案の成立に反対している。国のあり方そのものを規定する日本国憲法をどうするかという問題であり、法案は廃案にして出直すべき」と述べました。
■情勢を知りたい方は「情報センター」ホームページへ
★改憲国民投票法案情報センター
ホームページアドレス http://web.mac.com/volksabstimmung/
◆今後の予定
●STOP!改憲手続き法案 4・12大集会
日 時:4月12日(木)18:30〜
場 所:日比谷野外音楽堂 (※集会後、国会にむけデモ行進)
主 催:5・3憲法集会実行委員会
☆国会報告(共産党、社民党) ☆スピーチ アーサー・ビナード(詩人・随筆家)ほか
●STOP!改憲手続き法案 第3波国会へ行こうアクション
日 時:4月17日(火)18:30〜19:30
場 所:衆議院第2議員会館前を中心にペンライトとヒューマンチェーン、リレートーク
●2007年5・3憲法集会&1万人パレード
日 時:5月3日(祝)開場12:00〜 開会13:00〜
場 所:日比谷公会堂 (※パレードは15時出発)
主 催:5・3憲法集会実行委員会
☆スピーチ 植野妙実子(中央大学教授・憲法学)
浅井基文(広島平和研究所所長)
福島みずほ(社会民主党党首)
志位和夫(日本共産党党首)
●メーデーでも「憲法9条守れ、改憲手続き法案はいらない」の声を大きくあげましょう。
▼さまざまなとりくみ(行動や学習会など)のメール通信やFAXをお寄せください
以上
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