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国公労連速報 2007年4月26日《No.1831》
 中央人事行政機関の基本に関わる要請書を提出
     
 

 

 国公労連は本日、人事院に対し「中央人事行政機関の基本に関わる要請書」(別記)を提出しました。要請には、国公労連側は山瀬副委員長以下3役を中心に5名が参加。人事院側は河村総括審議官が対応しました。
 要請書提出にあたって山瀬副委員長は「法案が4月24日の閣議決定を経て、国会提出されたが、前回の国公法改正論議を巡る経過も踏まえ、中央人事行政機関として、(1)人事行政の公正性を確保すること、(2)労働基本権制約の代償機能を発揮するという観点からその責務を果たすことを強く要請する。2001年の公務員制度改革大綱の決定で関係者間の調整を更に進めるとしていながら、十分な協議、調整、合意もない中で閣議決定されたことに対し、人事院の役割を踏まえしっかりとものを言うべきだ」と述べ、閣議決定にかかわる人事院の見解、今後の対応を質しました。
 これに対して総括審議官は、「法案は閣議決定されたが、人事院の役割である人事行政の公正性の確保、代償機能という基本的な役割を引き続き担うということについて人事院として意志の乖離はないし、引き続きその役割を担う。」と回答しました。
 山瀬副委員長は、「今回の法案は評価・任用についての勤務条件性の問題を棚上げし、労働基本権問題を先送りしたまま審議をすすめようとしている時だけに労働基本権の代償機関としての人事院の役割発揮に向けた努力を求めたい。今日の異例の要請は、2001年以来の公務員制度改革が最重要局面を迎えているからであり、人事院の立ち居振る舞いを全国の仲間が注目をしている」と強調し要請を締めくくりました。

(別記)

2007年4月26日
人事院総裁
 谷 公士 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 福田昭生


中央人事行政機関の基本に関わる要請書


 安倍内閣は4月24日、「能力・実績主義の人事管理」と「再就職規制の見直し」を内容とする国家公務員法「改正」法案を閣議決定し、今国会に提出しました。
 「改正」法案では、「能力・実績主義の人事管理」に関して、任用、給与その他の人事管理を人事評価に基づいて行うとした上で、採用昇任等基本方針の策定など「任用」に関する実質的な権限と「人事評価」に関する権限を内閣総理大臣に移管するとしています。
 しかし、人事評価によって給与が決定されるということであれば「人事評価」は勤務条件そのものであり、その「給与」と密接不可分の関係にある「任用」もまた勤務条件です。
 この勤務条件に関する権限は、専門調査会における労働基本権のあり方に関しての結論が出ていない現段階においては、その代償機能を所管する人事院の権限でなければなりません。これを使用者側に移管するというのであれば私たちに労働基本権を完全に返還しなければならないものです。
 また、法案では、職員の採用に関して、現行の「特定の官職」についての選考採用を、一般官職にまで拡大可能なものに変更しようとしていますが、これは情実を排除し人事の公正を確保するためとして設けられたメリットシステムの崩壊につながりかねないものであると言わざるを得ません。
 更に、「再就職規制の見直し」では、現行の事前規制を撤廃して事後規制とし、在職中の求職活動などに対する行為規制を導入するとともに、内閣府に設置する「官民人材交流センター」に再就職あっせんを一元的するとしています。
 しかし、この退職管理も人事の公正性の確保が強く求められるものであり、第三者機関である人事院が所管すべき権限です。
 以上のように、今般閣議決定された国公法「改正」法案は、人事行政の基本に関して極めて重大な問題点を幾つも含んだものとなっています。
 つきましては、貴院が、人事行政の公正性を確保し、労働基本権制約の代償機能を発揮するため、中央人事行政機関としてしかるべき方法でその責務を果たすことを強く要請致します。

以上

 
 
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