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国公労連速報 2007年5月11日《No.1838》
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【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.12】
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与党、職権で厚生労働委員会開催を強行
国会審議の慣例無視し、会期内成立を狙う
社会保険庁改革関連法案は、5月9日、厚生労働委員会での審議が開始されました。
この日は、前日の本会議に続き、厚生労働委員会で趣旨説明が行われる予定でした。委員会審議の慣例として、趣旨説明の行われた日には審議を行わないこととされています。しかしながら与党側は、8日昼の理事会で9日朝の趣旨説明に続き質疑を行うことを主張し、野党はこれに反発しました。本会議終了後の理事会でも与党は審議入りの主張を譲らず、職権で9日9時30分から6時間の審議を立てました。これに対し野党は質問通告も質問者の登録も行わず、9日の質疑は与党の用意した4人で終了し、12時20分散会しました。
委員会では、開会前から正常な運営を求める野党のヤジが飛ぶ中、櫻田委員長は開会を宣言しました。この日は与党の質疑のみであったため、政府提出法案の正当性を主張するやりとりに終始しました。その中で、政府参考人として出席した社会保険庁清水総務部長は、「新しい機構にふさわしくない職員が漫然と採用されることは許されない」「民間型の人事管理では降格も行いやすくなる。親方日の丸意識の払拭が可能となる」など、自らの責任を顧みず、職員の雇用不安を当然視する答弁を繰り返しました。
審議の概要は次のとおりです。
9:37 柳澤伯夫厚生労働大臣より政府提出法案趣旨説明
9:42 民主党内山晃議員より民主党提出法案趣旨説明
【鴨下 一郎(自民)】
社会保険庁の組織は、思い切って解体的出直しする案がとりまとめられた。厳しい改革を断行し、今国会で信頼回復を行うべきだ。改革に向けた基本方針は。
【石田厚生労働副大臣】
この間年金相談サービスの充実、ムダの排除、人事異動の広域化、あらたな評価制度導入などを行い、一定の成果を上げてきた。さらにいっそうの改革が必要と考えている。社会保険庁を廃止し、非公務員型の新法人日本年金機構を設置し、能力・実績主義の人事管理を行うとともに、その業務を民間企業にアウトソーシングすることとしており、真に国民の信頼が得られる新組織を作りたい。
【鴨下 一郎】
政府案で重要なのは、民間でできることはできるだけ民間にという立場で、アウトソーシングを積極的に推進することだ。民間委託によってコストダウンと人員のスリム化ができる。法案成立後は、第三者機関が業務の振り分けを行う。重要な役割を担う第三者機関の人選は誰が行うのか。
【岡下内閣府大臣政務官】
業務の委託の推進や職員の採用に関する基本計画を定める際の学識経験者からの意見聴取については、総理の指示により渡辺大臣が担当し、林副大臣と私が補佐することとなっている。学識経験者については法案附則の第3条3項において、政府管掌年金または経営管理に関し専門的な学識または実践的な能力を有し、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聞くと規定している。この規定に従って渡辺大臣が適切な方々の人選を行っていくことになっている。
【鴨下 一郎】
第三者機関の事務局は、厚生労働省や社会保険庁が行うのでは、どこにイニシャティブがあるのかわからない。どう中立性を確保するのか。
【岡下内閣府大臣政務官】
業務の委託の推進や職員の採用に関する基本計画を定める際の、学識経験者からの意見聴取については、渡辺行革担当大臣のもとで、内閣官房のもとに適切な場を設けて行うことと考えている。その際の事務は、厚生労働省や社会保険庁ではなく、内閣官房に担当させることにより、中立・公正性を確保する所存である。
【鴨下 一郎】
その第三者機関が仕切ったとして、社会保険庁はそれに従うのか。
【村瀬社会保険庁長官】
法案の最大のポイントは、委託する業務の振り分けにある。従って、社会保険庁の行う業務すべてを提示し、具体的に何が、どこまで、どういう形で外出しできるのか、十分議論いただきたいと考えている。議論の結果については、年金制度の運営ができるということであれば、当然、従う。
【鴨下 一郎】
社会保険庁をそのまま法人化するのと違い、社会保険庁を廃止し、機構を新たに設置するものだ。したがって、これだけの数の職員がいるから業務を公法人がやるということではなく、第三者機関の切り分けにもとづいて、公法人に何人必要かが政府として決められる。現時点で、どの業務を外部委託し、どのくらい人員削減するのか、受け身の立場であろうが社会保険庁の考え方は。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
今後第三者機関にご議論いただくことであり、現段階で申し上げられないが、ひとつの目安として、平成17年12月段階で人員削減計画を策定している。その内容は外部委託の推進など、人員の合理化を進めることで、当時想定していた年金新組織の正規職員数を、平成24年度に14,000人程度にする、職員の純減数を正規職員で1,500人程度とする内容であった。したがって、新たな機構においては、これをひとつの目安として、外部委託や合理化を進めることになろうと考えている。
【鴨下 一郎】
これから第三者機関で、より厳しく、民間でできることは徹底してアウトソーシングする方針である。これに従っていただきたい。みなさんの要求や考え方に沿うように第三者機関を誘導することはあってはならない。
社会保険庁不祥事の根本的な問題として、社会保険庁職員の大多数が参加する組合組織は、業務改善とは無縁の覚書や確認事項を当局と結んできた。VDT作業が大変だからと短時間で休憩、休憩、呆れるような覚書を結んできた。公務員の使命を逸脱するような社会保険庁の組合組織も、国民にとって重要な年金運営ができるような組織に生まれ変わらないとならない。解体に伴ってそこの改善もいただきたい。職員の採用審査について、大きな問題となった目的外閲覧を行い処分された職員は採用されるのか。能力や意欲が乏しいと判断されるような職員を採用することは、国民のためにあってはならないと考えるが、いかなる認識か。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
手続き面については、新組織の人員規模は第三者機関の意見を聞いた上で政府が基本計画を定める。個別の職員の採用については、設立委員が学識経験者の意見を聞いた上で厳正に審査し、決定する。したがって、個々の職員の採用に関し、答える立場にないが、当然のこととして、審査に至るまでの、個々の職員の勤務成績をふまえた上で、厳正な審査が行われると考えている。したがって、新しい日本年金機構の職員としてふさわしくない職員が、漫然と採用されることはないものと考えている。
【鴨下 一郎】
いま、最後に話のあったことは、総務部長、責任を持って次の組織に申し送っていただきたい。新しい血を入れることも大切だ。民間人、ほかの業務をしていた人、ITの専門家も含め、どんどん採用していくことが必要と考えるが、そうしたことは想定しているのか。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
民間からの採用も許容されると考える。新しい機構の設立委員が、募集、採用の形をとる。民間からも新しい機構にふさわしい職員を採用することで、職場体質の刷新も期待できると考えている。
【鴨下 一郎】
第三者機関の議論の結果、徹底したスリム化が実現すると、人員や業務内容が縮小する可能性がある。採用されない職員もかなりの数出てくると見込んでいる。移行できない職員は、国家公務員法に規定する分限処分になるのではないかと考えるが、見解は。
【石田厚生労働副大臣】
国家公務員法の規定、従来の裁判例に従えば、社会保険庁が廃止される場合には、任命権者である社会保険庁長官は、他の任命権者に協力を要請して、職員を他の職場に配置転換するなど、分限免職を回避するよう努める必要がある。これらの措置が比較的容易であるのに、その努力を尽くさずに組織の廃止に伴う分限免職を発動したなら、裁量権の濫用になる、違法になると承知している。このことを踏まえると、分限免職を回避する努力を行った上で、公務員を退職して機構に採用される者、みずからの意思により退職する者、厚生労働省の他部局などに転任する者のいずれにも該当しない職員については、社会保険庁の廃止時に、分限免職処分を行うこととなると考えている。いずれにせよ、公的年金の運営を再構築し、国民の信頼回復をはかるためには、新組織にふさわしくない職員が、漫然と機構に移ることにはならないと考えている。ご指摘の点については適切に対処したいと考えている。
【鴨下 一郎】
分限免職を含めて考えるということでよろしいのですね。
社会保険庁のさまざまな不祥事はあげればきりがないが、これによってせっかくの国民皆年金の制度が毀損された部分がある。その責任はきわめて大きい。不祥事を反省し、意識改革をしていく上で、どのようにとりくんでいくのか。
【村瀬社会保険庁長官】
一番大事なことは職員の意識改革と思っている。その意識改革も他人から変えられるのではなく、みずから国民のために尽くすという意味で変わっていく必要があると考える。そのために、職員から前向きな改善提案を募集するということで内部改善提案制度、それから、一生懸命仕事をする人間、高い業績をあげた人間が報いられるということで、社会保険事務局・事務所のグランプリ実施、能力主義実績主義に立った独自の人事評価制度の導入、さらに全員参加による社会保険庁リスタートプロジェクト、これらを立ち上げ、職員の意識改革を進めたいと考えている。すべての職員がこれまでの業務のすすめ方を見直し、みずから変わるという強い決意を持って改革に臨み、国民のみなさんに社会保険庁は変わったと言っていただけるよう、日々邁進したい。今回の法案に、日本年金機構が設立されることにより、職員の意識は大きく変革されるものと考えている。
【鴨下 一郎】
組織が変わるときには意識も変えなければならないが、メンバーも変えないとならない。民間からの採用を積極的に行い、年金制度に毀損してしまったところに荷担した職員には厳しい態度で臨まれたい。
(納付率向上策、略)
【政府参考人 青柳社会保険庁運営部長】(略)
【吉野 正芳(自民)】
普通の会社なら、組織をつぶして出直すことはあまりなく、内部改革が普通だ。
国鉄では膨大な借金や労働生産性の低さがあり、解体的出直しを行った結果、黒字を出すに至っている。東京電力では、トップは情報開示に努めてきたが、組織の末端に行くほど隠す体質があり、風通しのいい組織を作るのに5年かかった。
今回、内部改革を捨てて解体するのは、内部改革ではどうにもならないということであろうが、どこに理由があるのか。
【石田厚生労働副大臣】
社会保険庁においては、これまで業務運営や度重なる不祥事、様々な問題があった。背景にある組織体質を一掃し、国民の信頼を得られる組織を実現するには、組織内部の改革にとどまらず、社会保険庁を廃止・解体し、新たな運営組織を構築することが必要と判断した。内部改革ではどうにもならないという結論と思っている。法案では、公的年金に関する国の管理・運営責任を堅持しつつ、新たに非公務員型の公法人として日本年金機構を設立し、あわせて能力と実績にもとづく人事制度の導入、民間へのアウトソーシングを推進するとしており、これによりさらなる信頼回復とサービス向上、事業運営の効率化をはかりたい。
【吉野 正芳】
村瀬長官は内部改革の騎士として社会保険庁に入ったと思うが、解体的出直しとなったことについての思いは。
【村瀬社会保険庁長官】
16年7月に就任し、私の仕事は職員の意識改革、業務改革、内部で健全な組織にならないかと進めてきた。その中で確実に職員の一部は変わってきていると思うし、仕事のやり方も変わってきていると思う。ただ、残念ながら全体のしくみですべての人間が変わったかというと変わりきれなかった。それが、昨年の不適正な免除問題にあらわれたと思う。したがって、その中で一番大事なことは何か、国民の信頼を得られるにはどうしたらいいのか、そういう社員になるにはどうしたらいいのか、そこを選択した場合に、今回の非公務員型の新法人、日本年金機構が最善であると判断している。
(病院、福祉施設再編整理、略)
(納付率向上、略)
【松本 洋平(自民)】
一昨年、初当選したときから、郵政民営化の次は社会保険庁民営化と言ってきた。民間では考えられない不祥事が出るわ出るわで、国民の信頼を得るには大きな改革をしなければならない。社会保険庁を解体し、民間の力をしっかり入れることが重要だ。政府案は非公務員化による効率化やコスト意識による業務運営を実現しようとするもので強く支持する。最終責任は政府にあり、法人を管理監督することは当然だが、それをどう担保するのか。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
公的年金制度を堅持するため、特別会計を国に置き、保険料の収入や給付を国庫金の歳入歳出とする形で財政責任を明らかにしている。また機構の業務や予算委ついて、国が直接的に管理監督する。具体的には、理事長の任命や理事長による副理事長や理事の任命の認可は国が行う。機構の業績悪化を理由とする役員の解任権限も国にある。また機構の事業計画や予算を毎年度認可する。さらに業務の指導・監察を実施して必要があるなら業務の改善・是正命令を行う。
【松本 洋平】
民主党案は、身分は公務員のまま、さかんに業務の効率化という話をするが、本当にできるのか心配だ。公務員のままでできるなら、なぜ今まで国民の信頼を裏切ることが出てきたのか。ここを変えなければ抜本的な改革とは言えないのではないか。なぜ公務員の身分を残すこととしたのか。
【枝野 幸男(民主)】
管理監督の問題だ。不祥事を起こした役所を民営化するなら防衛庁も民営化するのか。民営化すればすべてが解決するという幻想は大きな間違いだ。政府案こそ非公務員化と言うがまったく理解できない。国家公務員法上の公務員ではないが実質的に公務員だ。私は小さな政府論者だが、民間の方が良いのは、コストに税金を使わないことと、競争原理が働くこと。政府案にはこのメリットがない。賃金は税金と年金保険料で支払われる。競争相手も倒産もない。民間と言うのはでっち上げだ。しかも国家公務員法から外れることで天下り規制が及ばなくなる。焼け太りと言われても仕方ない。効率化やコスト削減についても、厚生労働省職員よりも独立行政法人や特殊法人職員の方が賃金が高い。公務員なら厳しい目があり抑制が働くが、遠くなれば国民や議会の監視が働かず、人件費コストは上がる。
【松本 洋平】
公務員という身分が保障された中で、コストの適正管理のインセンティブが働くか、しっかり見ないとならない。非公務員化すると給与が高くなるという指摘も、国会で予算がチェックされることから当たらない。
昨日の本会議で、民主党山井議員が歳入庁設置法案を一石三鳥と演説したが、歳入庁による業務効率化の規模はどのようなものか。
【古川 元久(民主)】
歳入庁法案は社会保険庁の信頼回復だけでなく、行政コスト全体を下げるものだ。税金や社会保険料を国民は別々に納めており、納付する側にコストがかかっている。このコストを下げ、サービスを向上させることに大きな意味がある。
業務効率化の規模について質問があったが、逆に政府案こそどれくらい効率化されるかが示されていない。社会保険庁が民間から村瀬長官を入れて効率化をしてはいるが、その結果もわかっていない。
民主党案の方が効率化が進むのは明らかだ。社会保険庁の総務関係経費が12%、徴収関係が37%で合わせて約50%であるが、国税庁と重複する部分がかなりあり、整理・合理化はかなりの効果がある。出先機関も全国312の社会保険事務所を廃止し、518の税務署に統合する。各県の社会保険事務局も全国11の国税庁に統合する。これだけでも政府案より効率化がはかれる。
【松本 洋平】
歳入庁では、一人の職員が国税も保険料も徴収するイメージか。
【古川 元久】
同じ所得ベースに賦課するものであり、税金も保険料も同じ職員が徴収する。
【松本 洋平】
年金保険料と国税は意味合いが違う。保険料は少額かつ多数であり、制度の意義を理解して自主的納付を促す努力が必要だ。一方国税は大口で悪質なものを中心に行う違いがあり、違いを乗り越えることは可能なのか。また、年金保険料徴収は多くの非常勤職員によって行われているが、その人たちに国税徴収を扱わせるのか。もしそうなら業務が増えれば人件費も上がるのではないかと思われるが、こうしたコストの見積もりはどうなっているのか。
【古川 元久】
松本委員は、多くの国民はいちいちお願いしないと保険料を納めないというように国民を信用していないのか。多くの国民は保険料も年金も自主的に納めている。納めない人をどうするかであって、社会保険庁は徴収能力が欠けていた。民主党案では、税の還付がある人は税務署に来るので、保険料未納があれば相殺も可能だ。その上で払わない人には国税庁のノウハウを活用することで対応できる。
【松本 洋平】
政府案でも悪質な滞納者については財務省を通じ国税庁に委託することとしており、民主党案でなければならないとする必然性を感じない。
歳入庁設置法案は国民の利便性を向上させるという点も、年金保険料は自動振替やコンビニ払い、インターネットバンクなど夫なめやすい環境は整備されている。その中で、ワンストップという歳入庁設置がどこまで利便性向上に結びつくのか。
【山井 和則】
こういう議論は、初日から与野党合意の上で行うべきだ。お経読み(趣旨説明)の後、職権で委員会を立てて議論を行うということは、厚生労働委員会のルールに反していることを指摘する。
利便性については、税務署に税務相談に、社会保険事務所に年金相談に行って、たらい回しにされているケースが多々ある。これからは医療保険や介護保険料、雇用保険や労災保険料も、税金や年金保険料のみならずワンストップで行える。また厚生年金の未加入事業所が30%という問題も、税務署と社会保険事務所が一体となることでかなり向上させられる。いままで各種制度があまりにもバラバラで、そのコストが無視されてきたと考える。
【松本 洋平】
話を聞いてもメリットはわからなかった。公務員の身分を残すことも納得がいかないことを述べ、質問を終える。
【福嶋 豊(公明)】
政府案を一日も早く成立させることが、国民の負託にこたえること。政府与党が提出をした社会保険庁改革2法案が優れているところをあきらかにしたい。民主党案との比較をしたい。公法人化、非公務員化することにより何が良くなるのか。
【石田厚生労働副大臣】
今回の改革案は、内部改革だけでは時間がかかりすぎて駄目との結論、思い切って廃止解体し公法人化(非公務員型)することが国民の期待にこたえるために必要なこと。非公務員化は、能力実績主義の人事管理、親方日の丸意識の払拭、民間企業へアウトソーシング推進が可能、自動的に引き継ぐのではなく採用方式にすることにより組織体質の一掃がはかられる。
【福嶋 豊】
民主党案では、歳入庁とし身分は公務員としている、身分を温存するだけであり、非公務員化の政府案がすぐれている。公務員は労働基本権の制限の代わりに身分保障などがある。こうした特質は、本省、裁判所、警察にはふさわしいが、法律に定められた事業を効率的に執行する組織には向いてないといえる。新法人での人事、給与、採用面のメリットは。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
能力実績主義よる人事管理の推進、能力の高い中途採用が可能となる。民間企業的な独自の給与体系が可能となる。能力により昇格、降格ができる。親方日の丸意識の払拭もできると考えている。
【福嶋 豊】
民主党案でどう変わるのか説明すべきだ。公務員のまま焼け太りはだめ。分割はガバナンスのため、民主党案では大きくなりガバナンスがきかない。分割する理由は何か政府の考えは。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
それぞれの機能、組織の明確化とガバナンスを高めるために必要。
【福嶋 豊】
行政組織スリム化することが目的のひとつ、安倍内閣の大切な課題。社会保険庁改革は最先端の取り組み、他の行政組織スリム化をすすめる新しい仕組みといえる。法人に滞納処分させる今までにない工夫は何か。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
国に特別会計を備え、大臣が毎年度予算を認可、監督強化をしていく。国ではない、政府ではない法人が公権力を執行するため、事前措置、事後措置を設けた。
【福嶋 豊】
年金保険料と税金では性格が異なる。歳入庁は無理な構想だ。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
国民年金保険料は30万円程度で少額な債権で、一人ひとりの特性をふまえ徴収する特徴がある。
【福嶋 豊】
社会保険庁と国税庁と統合することでコストが下がるのか。業務の実態を踏まえた政府の見解は。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
徴収コストを確定することは困難であるが、仮定の算出では、国民年金保険料が徴収100円あたり0.34円の徴収コストであるのに対し、国税庁では1.67円と聞いている。国民年金徴収コスト削減は難しいと考えている。
【福嶋 豊】
未納問題の根っこは、国民の義務をただすことも大事。民主党案の国税庁、社会保険事務所統合は疑問。
【政府参考人 清水社会保険庁総務部長】
どのようなことが国民の利便性に寄与することか想定しがたい。
【福嶋 豊】
保険料の流用については、受益者と負担者は一致するべき、合理的だと考える。等しく利益を受けるもの事務費は保険料を使ってもしかるべき。税金でなければならないということは本末転倒。流用はいけない。保険料の事務費への恒久措置について見解は。
【石田厚生労働副大臣】
民間保険、諸外国の例をみても妥当。事業の範囲を限定し無駄使いを排除することを徹底、ホームページ上でも予算を公表し透明化をはかる。
【福嶋 豊】
大臣にお願いしたい。ばらばらに小さくするだけということではなく、年金運営には中長期的な視点が必要。新法人の合理的運営の見解は。
【柳澤厚生労働大臣】
業務の割り振りや採用は、学識経験者の意見を聞いて定めることになり、内閣官房に置くことに決まっている。渡辺行政担当大臣が担当する。結論から言うと渡辺大臣に聞くのが妥当だと考えるが、自分なりの考えを言うと、新法人は民間の経営手法、質の高い業務運営、個人情報の保護などが大前提をふまえると現行の組織を守るという視点が微塵もあってはならないが、単に小さければ良いとの視点は適当ではないと考えている。
【福嶋 豊】
年金記録について、基礎年金番号漏れなど最近の報道で不安になる国民もいる。国会の場では冷静に理解した上で議論が必要。社会保険方式を原則とする年金制度では記録管理は極めて重要だが認識は。
【柳澤厚生労働大臣】
社会保険方式原則は将来とも堅持するべき。給付を受ける為に長期間に適切に記録を正確に管理することは最重要な仕事。的確に年金を支給すること易しい仕事ではない。完遂することが年金制度の信頼の基盤。これからも正確な管理に努める。
【福嶋 豊】
年金制度の変遷、共済、厚生年金、国民年金など複数混在することが記録管理を難しくしている要因でもある。社会保険庁ではどのように記録管理を行ってきたのか。どのような課題が指摘されたのか。対応したのか。
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
基礎年金番号導入前は制度ごとの記録把握は困難だった。
【福嶋 豊】
基礎番号導入時にどのように符番したのか?
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
それぞれの状況で符番を、本人の申し出があるまでは旧来の番号とならざるを得なかった事情があった。
【福嶋 豊】
基礎年金番号5千万件の未統合については、歴史的プロセスで議論するべきと考えるが
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
基礎年金番号に統合する必要がないものもある。年金裁定時、58歳通知で統合されると考えている。社会保険庁が自ら調べて統合することは困難。統合については以前から順次進めている。
【福嶋 豊】
年金支給決定手続きは。
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
申請書による本人の加入履歴をていねいに確認し、手続きをすすめている。判明した記録はその都度統合している。
【福嶋 豊】
支給漏れ22万件の報道もあるが不適切だと考えるが、この経過と今後の記録の確認の考えは。
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
22万件の裁定変更については、裁定請求時には未確認の分、本人の希望を優先したうえ、後日に記録追加した分。年金定期便の実施など記録確認の拡大をすすめる。年金受給者にも窓口を拡大し支払い通知書など利用して広報をしている。
【福嶋 豊】
58歳通知において41万件再調査依頼があったが。
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
本人の申し出によって統合している、調査依頼があることは適切なことと考える。
【福嶋 豊】
特別強化体制において、領収書による記録を訂正したものとは。
【政府参考人 社会保険庁青柳運営部長】
現在までは、55件確認。これらの事由は、市町村の期間誤り、印紙納付方式の誤り、住所変更などのケースがある。訂正期間で古いものでS38年、新しいものでS60年。
以上
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