国立病院機構の08年度予算で運営費交付金の改善が実現しました。運営費交付金の総額は19億円減りましたが、2点の改善がありました。
一つは、新たに院内保育所運営費がみとめられ3億8800万円が計上されたことです。これまでずっと認めるよう運動してきましたが、なかなか実現していませんでしたが、昨年の財務省前行動(国公労連と全大教の共同行動〈写真〉)など、運営費交付金の増額を求める取り組みを強化した成果といえます。
もう一つの改善点は、診療事業関係の予算の増額であり、救急救命医療センターで17億5000万円増、結核医療で5億3000万円増となりました。
この運営費交付金の改善は、国公労連と全医労など各単組、全大教による団体署名の実施や各独法実態(運営費交付金削減)リーフレットの作成、財務省交渉でのねばり強い追及の成果です。
昨年5月25日の財務省交渉では、国公労連が運営費交付金削減に伴う各独法の職場実態をまとめたリーフレットを手交。全医労・岸田書記長は「国立病院機構に対する運営交付金は毎年減少している。重症心身障害児(者)・筋ジス、結核、精神など他の医療機関では担えない不採算な政策医療を担っている国立病院がこれでいいのか。また、院内保育所が女性医師や女性看護師の確保に大きな役割を果たしているにもかかわらず、院内保育所に対する運営費交付金も認められていない」と追及しました。
さらに昨年8月2日には、財務省前行動を実施した後、財務省交渉を行いました。交渉では国公労連と全大教が運営費交付金の増額を求める団体署名1426団体分を提出。全医労・岸田書記長は「国立病院の運営費交付金は毎年削減されており、その交付金のうち8割が国時代に勤務していた職員の退職金等である。国がやるべき政策医療に対する交付金はたったの40億円、経常収益のわずか0.6%に過ぎない。いま医師不足が社会問題化する中で、女性医師や看護師の確保に大きな役割を果たす院内保育所に対する交付金も認められていない。改善を求める」と追及しました。残念ながら運営費交付金総額では、退職手当や恩給関係の削減により、約19億円の削減ですが、院内保育所の運営費補助が新たに認められたことは意義が大きいといえます。
以上
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