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国公労連速報 2008年3月6日《No.1958》
独法職場の改善へ国民共同ひろげよう
 独法労組08春闘決起集会ひらく
     
 

 

 国公労連は3月5日、中央行動に連動して「独立行政法人労組08春闘決起集会」を11単組から61人の参加で実施しました。
 冒頭の国公労連・盛永副委員長の主催者あいさつ、上野独法対策部長の本部報告につづいて、今回の集会のメイン企画「国民との共同を広げるために〜特殊法人労連、全医労に学ぶ」で、3名の方から要旨以下の報告がありました。

 ★民営化では住民の安全・安心は守れない
  全国公団住宅自治会協議会(林代表幹事)からの報告

 全国に公団住宅が77万戸あり、200万人が住んでいるなか、突然昨年、独法の整理合理化計画づくりで独法の都市再生機構、公団住宅を民営化するという攻撃が浮上した。この民営化に反対する運動を、私たちは特殊法人労連など労働組合とも連携しながら展開している。
 公団住宅はまさに地域住民の集まりで、お祭りなど地域の様々な催しがあり、そこには自民党から共産党まですべての党派の議員が来るわけで、議員にとっては大事な選挙地盤の一つになっている。この利点を活用して、民営化に反対する国会議員要請行動をそれぞれの地元の仲間が取り組んだり、地方議会要請や市区町村長要請などを旺盛に進めた。そして、整理合理化の“目玉”とされた公団、都市再生機構の民営化は「3年後に検討」となった。マスコミからは“抵抗勢力”などと批判されるが、悪いことをする政府に抵抗するのは当たり前で、私たちは地域住民の暮らしのため、社会のセーフティーネットのため、良いことをやっているのだから、当然の抵抗で、なんら恥じる必要はない。みなさんもマスコミがなんと言おうと、胸をはって正しいことをやっていただきたい。今回の整理合理化計画による痛みやしわ寄せは、結局は国民、地域住民に来るわけで、この重大な点をマスコミが分かりづらくするから困難なたたかいになるが、私たちはこの点を明らかにしながら共同を広げるしかない。全国にある1800団地のうち500を市場化テストで民間参入させようとしており、すでにスタートしているが、私たちはこれにも反対している。反対の理由は2点で、一つは競争入札で毎年のように管理する業者が変わっていては住民の安全・安心が守れないからだ。二つは今まで管理の仕事をしていた労働者が首切りになる点で、これに対しては私たちが労働者の継続雇用を要請し実現した。しかし、管理に携わる労働者を次々と非正規労働者へと変えていっている。雇用不安や生活不安に脅かされながら、住民の安全・安心を守るための仕事はできないと私たちはこうした動きにも反対している。公団の清掃などの仕事をしている非正規労働者はまさにワーキングプアで、未組織労働者だ。非正規労働者の問題を解決しなければ私たちの暮らしの安全・安心もないわけで、みなさんも非正規の未組織労働者を視野に入れて運動を進めていただきたい。

 ★奨学金の“第2のサブプライムローン”化は許さない
  奨学金の会(岡村事務局次長<日本学生支援機構労組書記次長>)からの報告

 独法の整理合理化計画の策定の中で、奨学金事業の廃止も含めた検討がされたため、昨年11月、「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(略称・奨学金の会)を、全学連、全労連、全教、日高教、全国私教連、特殊法人労連で結成した。
 今月の23日には奨学金の会が呼びかけ、幅広い団体・個人でシンポジウムを開催するなど、さらなる広がりを作っているところだ。
 職場の状況は、奨学金の事業予算はこの10年間で3.5倍になったのに、職員は400人から200人に半減。奨学金は格差と貧困の広がりを直接受ける事業で、奨学金の貸与や返還猶予を求める電話などが連日殺到している。昨年11月の1カ月で20万件の電話がかかり、それをわずか40人弱の職員が対応しており、メンタル疾患など職員の健康が悪化している。
 これまで政府・財界による奨学金の相次ぐ改悪で、現在、大学生の3人に1人が利用し、卒業時点で500万円から1000万円の借金を背負う状況になっており、すでに奨学金が教育ローン化されている。
 さらに今回の整理合理化計画の議論の中では、奨学金を証券化する狙いも浮上。アメリカはすでに奨学金を証券化しており、いまそれが焦げ付き“第2のサブプライムローン”の危険性まで出てきている。私たちは、日本の奨学金を投機マネーの対象にしてはならないと訴えている。
 いま非正規労働者のたたかいや生活保護の改悪に反対する運動など、社会のセーフティーネットを求める運動が広がっている。私たちも憲法26条の「教育を受ける権利」を追求する新しい国民共同の運動への発展を実感しているところだ。イギリスやニュージーランドなど新自由主義の先頭を切った国では奨学金事業を民営化したが、国民の運動によって再び国営化されている。こうした世界の流れに確信を持ち、共に独法の廃止・民営化をはねかえそう。

 ★国民共同は“案ずるより生むがやすし”、外に打って出よう
  全医労(山田中央執行委員)からの報告


 国立病院は、廃止・統廃合など、常に攻撃をかけられているが、国立病院を守る会や、国立ハンセン病療養所を守る共同の広がりなど、全医労は地域住民の力をかりた運動を重視している。地域に入って署名をお願いする際に、血圧測定をしながら悩みを聞きつつ署名を広げていく工夫をしたり、地域で健康祭りなどに取り組んでいるところもある。米沢の国立病院を守る会には、患者さんだけでなく、学校の先生や不登校の児童なども参加し100人以上で、健康体操など様々な取り組みをしている。これを見て組合に入っていない職員も手伝いをしてくれている。
 共同を広げる際、私たちの側の色眼鏡で、あの団体は共同を申し入れても駄目だとか、あの人に声をかけても無駄だろうとか、最初に線引きをしてしまう傾向があるが、何事も“案ずるより生むが安し”で、とにかくみんなで外に向かって様々な団体や個人に、足を運び、共同の働きかけをしていくことが大切だ。外に向かって働きかけて、最初は失敗しても、その失敗から教訓を学び、次はまた工夫して働きかけ、国民共同を広げよう。

 ★独法のユーザーである国民を味方につけよう

 以上の報告につづき、2月29日に開催した三多摩独法労組08春闘決起集会の報告を、全通信研究機構支部・宮澤委員長(全通信副委員長)が行いました(三多摩集会の模様は国公労連速報No.1954、2008年3月4日付を参照ください)。
 単組からは、「評価は難しいが、整理合理化計画では、旧運輸系4研究機関の統合に押しとどめた。今年1月に国土交通省当局と交渉し、職員の雇用の継続や労働協約等の堅持、統合のスケジュールや交渉相手の明確化などを求め、今春闘で取り組みを進めている。統合に向けて運研支部の組織率アップは重要な課題だ。独法の存在意義を職場の仲間一人ひとりが学習し自覚して、利用者・国民に伝えていくことが今春闘の重要な課題。全運輸はその先頭に立って奮闘する」(全運輸・小池副委員長<自動車検査労組委員長>)、「整理合理化計画での栄養研究所の廃止・民営化攻撃を統合に押しとどめた。しかし研究所が小さいからという理由だけで統合されたことに抗議したい。厚生労働省が統合をどう進めるかまだ何も出されていない状況だ。独法への攻撃を、官から民へという大きな流れに抗する運動ではねかえそう」(全厚生・杉浦副委員長)、「先週、気象研の独法の個別法が閣議決定され、来年4月に非公務員型の独法になる。研究・労働条件の担保と改善をはかるため、この1年が正念場となる。現在、気象研は組織率が5割を切っている。今春闘は組織拡大を最大の課題と位置づけ取り組む」(全気象・坂本副委員長)と、それぞれ決意が表明されました。
 最後に閉会あいさつで、国公労連・香月書記次長が「政府、独法当局と労組で綱引きをしているとすれば、国民に綱引きの引き手として、私たちの味方になってもらう必要がある。今集会では、独法職場の要求実現には、ユーザーである国民の多くを味方につけることが大切であると確認できた。08春闘で国民共同を大きく広げよう」と述べ、決起集会を終了しました。

以上

 
 
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