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国公労連速報 2008年3月31日《No.1970》
【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.34】
     
 

 

年金記録問題の根本解決を問う3.27院内集会開催

 公務労組連絡会と国公労連は27日午後、衆議院第二議員会館において「年金記録問題の根本解決を問う3.27緊急院内集会」を開催しました。集会には、社民党の保坂展人衆議院議員と日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員が激励に駆けつけるとともに、56人が参加しました。

 主催者あいさつに立った国公労連・福田中央執行委員長は、「年金記録問題は、現に実務を担っている人の意見を反映した上で問題点を明らかにしないと解決しない。じっくりと人手とお金をかけて整理すれば一定の方向が見えてくると思う」、「年金制度をどう確立するのかという議論がまず先にあって、次に今の社保庁の体制のどこに問題があり、どう改革するのかという順序で議論されなければならない。年金問題の本質は、わかりにくい制度、高い保険料、低い給付という制度への不信と空洞化がポイントであり、冷静な議論が必要。忌憚のないご意見をいただきたい」と参加者に呼びかけました。

 「国民の年金を守れ」共産・社民議員が激励

 社民党の保坂議員は、昭和30年以前の「旧台帳」の記録の問題に触れながら、「舛添厚生労働大臣が予算委員会で“記録はあるけれども、探せないのかもしれない”と答弁している。年金保険料は国民からの預かり金。あるけどないでは済まされない。国民運動が必要だと思う。党派を超えて共同していきたい」と年金問題をめぐる課題を報告しました。
 日本共産党の高橋議員は、「26日に衆議院厚生労働委員会が1カ月ぶりに開かれた。消えた年金、特別便を送付し417万件は判明したが、9割は未解決。必要なのは暮らしてゆけない年金をどうするのか。社会保障の予算を確保するために全体の予算の見直しを訴えている。安心できる年金制度があってこそ国民の暮らしも守れるし、問題の解決にもなる。みなさんの知恵も借りながら具体的な提案をしていきたい」と国会情勢を報告しました。

 「社保庁職場はパンク状態」、厳しい実態をつぎつぎに告発

 現場からの報告として、全厚生神奈川県支部の川名書記長は、「年金記録整備で都市部は大変な状況。横浜のある社保事務所の窓口では、26日の朝8時半の時点で150人待ち。事務所の電話はひっきりなしの相談で繋がらない事態になっている。現行体制では限界。4月以降は全国で1億人に送付される予定だが、このままの相談体制で「ねんきん特別便」を出し続ければ、国民サービスは後退し、年金不信に拍車をかける。現場の状況を把握・分析したうえでの対応が必要。予算措置と人員確保が急務の課題」と述べました。
 また、社会保険業務センターで働いている全厚生の峰書記次長は、「年金の再裁定業務は年間4万件を30人の職員で行ってきた。昨年6月以降受付は6〜7倍の24万件。1月から1日15人の応援体制で土日も当番で処理している。複雑なケースを入れると1件平均40分かかる。派遣社員も20人雇っているが、半分は途中で辞めていき、仕事を教えることにも人員が割かれる」と深刻な現状を訴えました。
 ねんきん特別便の相談も受け付けている社会保険労務士の長谷川陽子さんは、「特別便はわかりにくい。文字も小さく読まない。記録の開示が必要で、出し惜しみをしている限り解決しない。相談体制も含めて、社保庁は1億人のために本気になっていない。社労士や銀行、郵便局などに年金相談窓口を設けるなど、身近なところで相談できる体制を作るべき」と問題点と解決に向けての提案を発言しました。

 「このままでは公的年金制度の危機だ」自由法曹団事務局長

 自由法曹団事務局長の加藤健二弁護士は、年金業務・組織再生会議に意見書を提出したことに触れ、「社保庁解体での職員の移行については国鉄分割民営化と同じ手法だ。記録問題は歴史的、構造的問題だと政府が認めることが大事。加入者の立場から言えば、強制的に徴収された年金の記録が管理されていないのは国家賠償もの。にもかかわらず、現場に責任が転嫁されていることが問題。記録問題を解決しなければならないときに、組織の解体や民営化を議論していること自体、常識では考えられない。職員には、土日もなく働かせておきながら、漫然とは引き継がないと脅している。このままの状態を放置しておけば公的年金制度そのものの危機だ」と話しました。
 会場から社会保険労務士、社会保険庁OBなど4名が発言し、全労働・河村副委員長は、「ねんきん特別便が届いたが、問題が多い。納付額もキチンと知らせて整備すべき」と具体的な問題点を指摘しました。
 最後に、公務労組連絡会の黒田事務局長が、「今日の発言から、問題点解決の道筋、その方向が明らかになった。宙に浮いた年金の解決と年金の空洞化を食い止める方法を一体として考えながら、消費税によらない最低保障年金制度の確立、安心できる年金制度の確立をめざしていく必要がある。運動を高め、世論を高める以外に解決の道はない。安心年金をつくる国民的な運動を作り出し、運動を進める中でこの問題を解決していいたい」と閉会あいさつを行いました。

以上

 
 
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