独法国立病院機構本部が、南横浜病院(横浜市港南区)について赤字脱出が見込めないとして今年12月の廃止を決定したことに対して、全医労、日本医労連、国公労連は、廃止反対・存続実現などをめざして運動を進めています。5月27日午後の医労連の要請行動には、国公労連本部も参加し、機構本部(東京都目黒区)へ要請しました。これには田中医労連委員長、桂木同書記次長、上野国公労連独法対策部長、淀全医労副委員長、住谷神奈川県国公事務局長、水谷神奈川県労連事務局長をはじめ、南横浜病院を守る会代表、全医労横浜支部代表など17名が参加しました。機構本部は企画経営部の木村運営改善対策室長ら6人が対応しました。
要請項目は以下の3項目です。
要請項目
1.地元合意のない南横浜病院の廃止を強行せず、地域医療体制に対する責任を果たすこと。
2.結核患者をはじめとする患者の医療に支障をきたさないこと。
3.南横浜病院の職員の雇用に責任を果たすこと。
はじめに、機構本部は各項目について一括し以下のように回答しました。
一括回答(要旨)
1.経営収支の悪化、入院患者減により、廃止と判断。
2.結核については神奈川病院で対応。一般医療に支障はないと判断。
3.通常の人事異動により対応する。
続いて、上野国公労連独法対策部長は「独法は国民の安心安全をまもり、社会の基盤を支えている。研究機関とか車検とか各独法の中で、最も安心安全にかかわって命と健康を守まもるのが国立病院なのだから、効率化一辺倒、効率化至上主義ではダメだ。赤字で即廃止なんて医療従事者としての魂・使命感を失っている。神奈川県は人口10万人あたりの看護職員数は640人で、全国で47位最低だし、神奈川県や横浜市の意向を無視して、なぜ廃止するのか。機構本部は南横浜病院の指導をしたというが、もっと粘りを持って指導すべき。国立病院機構は全体で見ると黒字となっている。なぜカバーして存続・発展させようとしないのか」と述べました。
水谷神奈川県労連事務局長は「神奈川県の人口は700万人から890万人へ急増し、ワーキングプアが増え、日本3大ドヤ街である横浜寿町のドヤ街が他の地区へ広がっている。ここに結核がまん延している。横浜市の中田市長は「南横浜病院は結核の拠点病院」として頼りにしている。自治体や患者にちゃんと説明をしてもらいたい」と述べました。
「守る会」の代表は「今回の問題で南横浜病院に申し入れをしても、病院管理者は我々を受け付けなかった。実は、南横浜病院ができるとき、結核病棟を作ることに住民は反対していたが、しかしできてからは、食糧事情が悪い時代に、住民が食糧を差し入れたり、応援してきた。廃止はおかしい。結核は神奈川病院へ一元化するというが、神奈川病院へは2時間かかる。結核患者が治療に行かなくなったらどうなるのか。結核が横浜にまん延したときは、あなたたちの責任になる。」と述べました。
最後に、田中委員長が「先を見据えていくことが重要だ。医師不足問題も対策が後手後手になった。感染症も、これから増えていくと予想される。先を見据えて対策をたてるべきだ。地元の要望を聞くべきだ」と求め、要請を終えました。
以上
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