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国公労連速報 2008年6月2日《No.1997》
国民に独法の役割訴え制度改悪くいとめよう
国公労連と特殊法人労連の共催で通則法「改正」法案反対集会ひらく
     
 

 

 国公労連は5月30日、特殊法人労連との共催で、独立行政法人通則法「改正」法案反対集会を、90人の参加で衆議院議員会館の会議室において開催しました。
 集会は特殊法人労連・篠原事務局次長の司会で進められ、冒頭、主催者を代表して国公労連の福田委員長が、「通則法改悪法案が閣議決定されたが、今国会では公務員制度改革基本法案などがあり、おそらく審議には入れないだろう。しかし油断はできない。この法案の問題点をしっかり把握して、たたかいを進めていく必要がある」と指摘。そして、「独法制度が公共サービス切り捨て、公務員減らしのための装置にすぎないことが明らかになっている。今回の改悪で、さらに政治主導で公共サービス切り捨てが可能となる仕組みに変えようとしている。しかし、これは国民との間に深刻な矛盾を生じさせる。ここに確信を持って、独法が果たしている社会的役割、公共的な役割を国民にアピールしていこう」と訴えました。
 通則法「改正」法案が、最初に審議されることになる衆議院内閣委員会で奮闘している日本共産党の吉井英勝衆議院議員が集会にかけつけ、「政府は、国民と公務員を常に分断して制度改悪を進めていく。それに対抗するには、今回の法案の問題点を国民に分かりやすく訴え、国民のものにする必要がある。独法の現場から、どれだけ国民の暮らしに結びついた問題であるかを徹底して広げていただきたい。会期末の6月15日まで日程がきつく審議入りは微妙だ。国会後期高齢者医療制度の廃止法案が提出されるなど、いま国民の世論が政治、国会を動かしている。これを力に改悪をストップさせよう」とあいさつしました。
 情勢報告と行動提起を行った国公労連の上野独法対策部長は、通則法「改正」法案の問題点として、(1)評価機能の一元化で政治統制が強化され、効率化一辺倒の評価が懸念される、(2)法人の長任命での内閣承認の法制化で時の政権党による管理強化となる、(3)不要財産の国庫納付義務づけにより、「不要」の概念を拡大解釈し、国民サービス提供にとって不可欠な独法の資産を取り上げる危険性がある、ことなどを指摘。行動提起として、(1)議員要請を強化し、国会での徹底審議を通じて法案の問題点や独法制度の矛盾点を明らかにしていく、(2)財務大臣宛の運営費交付金増額を求める団体署名を、国公労連と特殊法人労連の共同で推進する、(3)独法の役割を新たに作成したパンフレットなどを活用して大いに国民に訴える、などをあげ、「独法が国民生活にとって不可欠なものであることをアピールして、国民の理解を大きく広げていこう」と呼びかけました。
 単組からは、「製品評価技術基盤機構では、製品事故が2千件から7〜8千件とこの間急増し、職員は深夜残業、土日出勤などが強いられている。増員の要求を出したが、独法には増員を求めるシステムさえないという実態だ。国民生活の安全・安心に関わるこうした実態を国会審議の中でも明らかにしながら、国民サービス拡充を実現したい」(全経済・森中央執行委員)、「去年の団体署名の運動によって、財務省に院内保育所に対する運営費交付金を認めさせたが、全体としては国立病院も連年に渡り運営費交付金を削減されている。この流れで、地域医療、結核医療を支えている南横浜病院を今年12月に廃止しようとしている。神奈川県も横浜市も廃止を見直すよう求めているのに、効率化一辺倒で強行しようとしている」(全医労・岸田書記長)、「各府省の評価委員会がきちんと機能しているかどうかの議論はあるが、厚生労働省の評価委員は現在29人いる。そのもとに8部会が置かれ、研究所の部会には10人いる。その中に栄養大学の専門家なども入っていて評価する枠組みだ。それを今回の法案はつぶしてしまうものだ。これまでの枠組みを検証せず、一方的に廃止すること自体が極めて乱暴だ。各専門分野を熟知した専門家が評価するということがまったく期待できないので上からの一方的な評価が下される危険性が高い」(全厚生・杉浦副委員長)、「公営住宅には77万戸200万人の居住者がいる。日本の公的住宅が全住宅に占める割合は7%。ヨーロッパは20%もある。耐震工事を口実として公的住宅を壊しつつ民営化していく動きがあるが、拡充こそ必要であって、削減することは許されない」(特殊法人労連の都市再生機構労組・竹内書記長)との発言がありました。
 最後に、特殊法人労連の岩井議長が、「国公労連と特殊法人労連がこうした集会を共催できてうれしい。私の職場では原子力の研究をしているが、原子力発電所の耐震・地震の問題については研究しなくていいとされている。しかしこれでいいのか。国民の安全・安心のために、こうした研究が必要だと、国民に訴え、理解を広め、私たちの仕事を国民本位に改善していくことが重要ではないか。そうした改善点も含め、私たちの仕事が、国民生活にとって大事なのだということを大いに訴えていこう」と閉会あいさつし、集会を終えました。

 独法・統計センターの非公務員化法案
 衆院総務委員会(5/29)で採決ならず
  野党議員全員一致で「統計業務は国で行うことが重要」


 独立行政法人・統計センターの非公務員化を図る法案の審議が、5月27日の主旨説明を受けて、29日に衆院総務委員会において行われました。
 統計センター組合は職員732名の「特定独法・公務員型維持」署名に託された意思を踏まえ、4月以降、野党(民主・共産・社民党)の総務委員会に所属する国会議員へ法案反対の協力を求める要請行動を開始し、各政党の議員・秘書との話し合いを進めてきました。
 29日の民主党の逢坂議員・小川議員、共産党の塩川議員、社民党の重野議員の質問では、――
 ○ 統計業務は組織の切り離しではなく局・センターが一体に行うことが重要であり、統計局・センターの一元化が求められること
 ○ 非公務員になる職員に公務員としての守秘義務を課し,見なし公務員を求めるのは矛盾すること
 ○ センター職員が行革のたびに変わる組織に翻弄されていること
 ○ 独法に移行してもコストの削減へつながらないこと
 ○ 非公務員化にするメリットは何か?
 ――などの主張や質疑が続きました。
 これに対して、増田総務大臣、行政評価局長、統計局長、政策統括官等が答弁に立ち、統計業務の民営化はありえないとしながらも、統計センターの非公務員化については、政府が進める独立行政法人行革推進法や独立行政法人整理合理化計画による、21年施行の新統計法に向けて柔軟な体制整備、非特定にするメリットは統計センターに必要な専門的人材や研究者を公務員試験合格者からは得られないので幅広く求められる、大学や研究に係る人事交流ができることを繰り返し述べました。
 しかし、議員からはわずか数人の人材確保のためにセンター全体が非公務員になる矛盾や公務員試験制度の問題、統計業務を管轄する総務省自体に専門家集団が必要ではないかとの意見や追及がありました。
 また、自民党の木挽議員は改正の主旨、非公務員化するメリット、セキュリティについての質問をしましたが、最後に専門家集団としてのスキルを遺憾なく発揮して欲しいと結び、統計センターの非公務員化に対する意思表示はしませんでした。
 こうしたやりとりの中で統計センター法改正案は採決をみることができませんでした。

以上

 
 
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