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国公労連速報 2008年10月8日《No.2050》
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ノーベル物理学賞受賞・小柴昌俊氏が記念講演
「高学歴ワーキングプア」の解消めざし
11月16日、ポスドク問題シンポを開催します
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小柴昌俊さん(写真提供:財団法人平成基礎科学財団) |
国公労連は、学研労協と全大教、日本科学者会議の各団体と実行委員会をつくり、科学技術政策シンポジウム「科学・技術の危機とポスドク問題〜高学歴ワーキングプアの解消をめざして」を11月16日に東大・小柴ホールで開催します。
博士課程を修了しているのに、短期雇用で年収200万円以下、社会保険などにも加入していないなど、不安定で劣悪な研究労働条件に置かれているポスドクは、1万5千人以上にのぼります。若手研究者がポスドクとして使い捨てにされる現状がこのまま続くと、社会の基盤を支える科学・技術の継承・発展が困難になります。ポスドク問題は、日本社会の発展にかかわる大きな問題になっているのです。
独立行政法人の各研究機関でも多数のポスドクの方が研究を支えています。また、ポスドクの方が組合の執行委員として奮闘している研究機関労組もあります。
今回のシンポジウムでは、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊さん(東京大学特別栄誉教授)が「若手研究者育成と基礎科学研究の重要性」と題して、記念講演します。昨日、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんら3名の研究者は、「基礎科学中の基礎科学」の素粒子研究が評価されています。しかし、日本は、世界第2位の「経済大国」でありながら、57カ国・地域の学生を対象にした2007年の調査では、科学関係のキャリアを追求したいと答えた日本の学生はわずか7.8%で、各国・地域のなかでも最低という衝撃的な結果が出ています。この結果は、現在の就職難と「高学歴ワーキングプア」で苦しむポスドク・若手研究者の状況を反映したものです。
ノーベル物理学賞を一度に3名が受賞して、マスコミなどは騒いでいますが、ポスドク問題をはじめ、日本の科学・技術の基盤は危機的な状況にあります。実行委員会では、今回のシンポジウムの趣旨に全面的に賛同いただいている小柴さんのネームバリューもいかして、マスコミ等も含め、社会的に大きくアピールするシンポジウムとし、ポスドク問題を解決していく契機にしたいと考えています。
▼科学技術政策シンポジウムの要綱
(1)実行委員会構成団体
国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)/学研労協(筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会)/全大教(全国大学高専教職員組合)/日本科学者会議
※協賛団体=日本私大教連(日本私立大学教職員組合連合)/全国大学院生協議会
(2)開催日時 2008年11月16日(日)13:30〜17:50 ※参加は無料
(3)開催場所 東大・小柴ホール〒113-8654 文京区本郷7-3-1
TEL03-3823-2111(代表)
地下鉄丸の内線、大江戸線「本郷三丁目駅」徒歩8分
(4)テーマ 科学・技術の危機とポスドク問題
〜高学歴ワーキングプアの解消をめざして〜
(5)プログラム(現時点での予定)
13:00〜 開場(受付開始)
13:30〜 開始
13:30〜13:40 主催者あいさつ
13:40〜14:40 ノーベル物理学賞受賞者・小柴昌俊氏記念講演
「若手研究者育成と基礎科学研究の重要性」
14:40〜14:50 質疑応答
14:50〜15:00 休憩
15:00〜 シンポジウム開始
15:00〜15:15 報告1 実行委員会の基調報告
15:15〜15:30 報告2 ポスドク当事者からの発言
NPO法人サイエンス・コミュニケーション代表
榎木英介氏
15:30〜15:45 報告3 ポスドク当事者からの発言
(科学者会議若手研究者問題委員会)
15:45〜16:00 報告4 大学における若手研究者問題
16:00〜16:15 報告5 研究機関におけるポスドクの現状と課題(学研労協)
16:15〜16:25 休憩
16:25〜17:05 フロア発言
17:05〜17:30 報告者のまとめ発言
17:30〜17:35 アピールの発表=国公労連・研究機関対策委員
17:35〜17:45 閉会あいさつ
★シンポジウムのポスター(PDFファイル900KB)
以上
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