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国公労連速報 2008年12月24日《No.2093》
【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.51】
     
 

 

国公労連が年金機構設立委員会へ申し入れ
安心・信頼できる年金制度を支える組織の根本的な議論を
業務に精通した職員を排除して安定的・専門的な運営はできない

 国公労連は12月22日、日本年金機構設立委員会に対する申し入れを行いました。10月24日に設置された設立委員会は、この間、11月12日、12月4日、9日に会議を行い、採用基準と労働条件などを議論してきました。22日の第4回会議においてとりまとめを行うとしていることから、緊急に「日本年金機構職員の採用基準と労働条件策定に関する申し入れ」(別添)を設立委員会に提出し、要請したものです。
 申し入れは、国公労連の川村副委員長と全厚生の飯塚委員長、全医労の岩崎委員長、全労働の森ア副委員長の4人で行い、設立委員会は事務局の年金局総務課年金管理組織準備室の竹林次長が対応しました。
 申し入れでは、川村副委員長が「採用条件にかかわっては、年金に対する国民の信頼を回復するためにも、業務の安定性・専門性確保が最重要課題であり、そのためにも、業務に習熟した社保庁職員の雇用の継承こそが求められる」、「職場の人員体制の欠如から記録問題の解決も進んでいない。年金機構の人員体制は拡充しなければ、国民の信頼は得られない」と、年金業務の根本を踏まえた設立委員会での慎重な議論を求めました。参加者からも、「国立病院の独法移行の際に非常勤職員が切り捨てられ、今でも裁判でたたかっている。年金機構への移行にあたって社保庁職員を排除すれば、裁判でたたかうこととなる。そうならないよう求める」、「社保庁職員の排除ではなく、業務の安定的遂行の点からも希望する職員の雇用確保が必要不可欠だ」、「雇用問題が深刻になっているもと、雇用の確保は最重要課題だ。処分歴のある職員の一律排除は労働法理からも認められない」と、「基本計画」の採用方針の問題点を指摘しました。
 竹林次長は、設立委員会はすでに閣議決定された「基本計画」の枠内での議論であるとし、「ご意見があることは承知したが、基本計画ですでに機構の職員数は決まっている」「奥田委員長は次回で決めたいと発言しているが、開いてみないとわからない」と述べました。
 川村副委員長は、「安心・信頼できる公的年金制度確立アピール」への賛同の広がりや国会請願署名に衆参で41人の紹介議員を得たことなど「安心年金つくろう会」のとりくみも紹介し、「国民の期待に応えることが設立委員会の使命だ。国民の信頼が得られない組織を作ることは許されない」と、安心・信頼できる年金制度を支える組織の根本的な議論を求めて申し入れを終えました。


(別紙)

2008年12月22日
日本年金機構設立委員会
 委員長 奥田 碩 様
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 宮垣 忠
全厚生労働組合
中央執行委員長 飯塚 勇

日本年金機構職員の採用基準と労働条件策定に関する申し入れ

 公的年金の信頼性を確保し、安定的な業務体制を確立するためのご努力に敬意を表します。
 いま、年金記録問題をはじめとするこの間の社会保険庁の様々な不祥事や問題が、あたかも個々職員にその責任があるかのバッシングのもとで、社保庁の解体・民営化作業が進められています。私たちは、公的年金に対する国民の信頼を回復するためにも、年金記録問題の完全な解決と安定的・専門的な業務運営を実現するための体制確保、安心・信頼できる年金制度の確立を強く求めています。
 日本年金機構の基本計画は、「とりわけ、業務が正確に遂行されることが、国民にとって最大の関心事であり、何にもまして重要なこと」と明記しており、そのためにも万全な体制の確立と専門性の確保は不可欠であると考えます。
 しかし、2010年1月に設置される日本年金機構の「当面の業務運営に関する基本的方針」(08年7月29日閣議決定)では、今でも定員割れして要員が不足している社会保険庁職員をさらに削減するとともに、どんなに業務に習熟・精通した職員であっても処分歴があれば日本年金機構には採用しないとしています。また、業務の多くを民間業者に委託することも、個人情報の管理をはじめ、安定した業務運営を損なうことなどが懸念されます。
 国民の信頼回復が大事だとするならば、日本年金機構は効率を優先するのではなく、万全の体制を確立するとともに、業務の専門性・安定性の確保、職員の意欲が発揮できる環境を作ることが重要だと考えます。この点から、以下の事項を実現いただきますようよろしくお願いします。


1.年金業務の専門性・安定性を確保するため、日本年金機構の正規職員枠を大幅に拡大してください。また、日本年金機構を希望する社会保険庁職員は全員採用する枠組を作ってください。
2.社会保険庁で働く非常勤職員の意向を踏まえ、日本年金機構の正規職員として採用してください。
3.日本年金機構職員の労働条件については、国家公務員の水準を基本にしてください。

以上


社保庁職員の雇用確保を求め、国公産別全体で取組を強化する
国公労連中央闘争委員会で確認


 12月18日に開かれた国公労連中央闘争委員会では、社保庁問題に関わる今後のとりくみについて議論しました。雇用確保に向けた国公労連・全厚生のとりくみとして、(1)日本年機構設立委員会に対して処分暦のある職員の一律排除や選別採用をしないよう申入れをおこなうこと、(2)社保庁職員の雇用確保についての厚生労働省・社会保険庁の使用者責任を追及するとりくみを強めること、(3)社会保険事務局長への雇用確保要請を全県で実施すること、(4)雇用確保を求める団体署名にとりくみ、年季機構設立委員会、厚労省・社保庁交渉に積み上げること、などを確認しました。
 また、安心・信頼できる年金制度の確立をめざすとりくみとして、安心年金つくろう会の結成をめざし、当面、準備会を立ち上げて、労組や民主団体との共同で宣伝行動、学習会などを進めること、宣伝と国会請願署名のとりくみ、国会議員や地方自治体への要請などを確認しました。
 その他、「服務規律違反」懲戒処分にかかわる人事院への不服審査請求や仮処分請求訴訟など全厚生のたたかいへの支援、厚生労働省が「刑事告発」した場合の撤回と不起訴を求めるとりくみを進めることを確認しました。

以上

 
 
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