全労連・国民春闘共闘は1月7日、出足早く09春闘のスタートを切る「新春宣伝行動」を全国いっせいに実施しました。国公労連・東京国公は全労連公務部会の仲間と協力し、霞が関一帯で早朝から「1.7新春宣伝行動」を元気いっぱいに展開。霞が関、虎ノ門、大手町など10カ所で、5500枚のビラを配布しました。
宮垣委員長、「派遣村」から政治と大企業の責任を告発
午前8時過ぎから虎ノ門と霞が関の各省庁前に、ぞくぞくと国公労連の組合員が集まり、宣伝の準備を開始。冬本番の冷たい風に負けず、組合旗やのぼりがひるがえりました。
「今年こそ、労働者派遣法の抜本改正で働くルールを確立し、安定した雇用の確保と賃上げで生活改善を勝ちとり、暮らしに春を呼び込みましょう」と、弁士は、職場状況も踏まえて、派遣労働者のリストラや定員削減による公共サービスの縮小や質の低下への心配・危ぐなどを次々と訴えました。虎ノ門・霞が関を歩くサラリーマンは、真剣なまなざしで手に取ったビラに見入っていました。
冒頭、国公労連の宮垣中央執行委員長は、大晦日から1月5日まで行われた日比谷公園での「年越し派遣村」のボランティアに参加した経験を報告。「1月2日に、私は健康相談に訪れた30代の男性を病院に連れて行きましたが、検査の結果、重症の内蔵疾患で即入院しました。彼が派遣村にこなければ、命がなかったと思います。そのほかにもやっとの思いで派遣村にたどり着きその場で倒れ込んで救急車で運ばれた人もいました。年越し派遣村は、地震などによる天災で被害にあった人たちの避難場所のような状況でしたが、しかし、これは、れっきとした人災であり、雇用政策の結果による政治災害です。大企業に社会的責任を果たさせ、政府・与党に実効ある雇用対策を行わせるとともに、労働者派遣法の抜本改正や最低賃金の大幅引き上げなど働くルールを確立するために、私たちは09春闘を全力でたたかいます」と力強く訴えました。
大企業の内部留保を労働者に回せ!
引き続き、全労連・大木副議長(全労連・全国一般委員長)、特殊法人労連・岡村事務局次長、全建労・木村副委員長、全運輸・真面副委員長、全労働・海野中央執行委員がマイクを握り、それぞれの職場実態や09春闘で運動の先頭にたって奮闘する決意を語りました。
全建労・木村副委員長は「不況による業績悪化を理由に労働者のリストラを次々と進める自動車・電気などの製造業では、企業利益の余剰金が100兆円、トヨタだけでも15兆円を超えています。これだけ儲けていながら、少しでも赤字になればすぐにクビする。こんなことが、社会的責任が問われる大企業で許されていいのでしょうか」と批判し、大企業の内部留保を労働者に還元するよう、訴えました。
全運輸・真面副委員長は、「いま、国民の生命や財産に直結し、国として責任をもって実施されなければならない行政事務に対し、『地方分権』の名のもと大規模な『リストラ』攻撃がかけられようとしています。私たちの交通運輸行政は、国民の誰もが、いつでも、どこへでも、安心、便利、快適、正確に移動でき、自由に物資を輸送できる権利を確立・保障するためにがんばっています。国家公務員の削減のみを目的とする偽りの地方分権では、利用者・国民のみなさんの安全や安心が脅かされる事態にもなりかねません」と強調。「年越し派遣村が連日報道され、いま『衣』『食』『住』『職』をはぎ取られた労働者を緊急に救済する責任は政府が持っていることは明らかです。不安や不満を寄せ合い、本当の意味での国民・労働者に光をあてる政治を実現するためにがんばりましょう」と呼びかけました。
最後に、全労働・海野中央執行委員が、「私たち労働行政職員は、都道府県労働局、ハローワーク、労働基準監督署で、働く方々をサポートしています。12月に出された地方分権の勧告では、都道府県労働局を廃止してブロック化し、ハローワークをもっと減らし職員を1万1千人削減するとしています。今ほど雇用対策の充実が求められている時に、ハローワークを縮小しろという勧告は、国民の声に逆行し、セーフティネットとしての責任を果たすことを困難にしてしまいます」と指摘し、労働行政の縮小は雇用問題に関する国の責任を放棄するものだと訴えました。
東京国公が大奮闘!霞が関、大手町で大きく宣伝
【東京国公発】国民春闘共闘委員会の呼びかけに応えて、東京国公は国公労連と共同して、霞が関と大手町の地下鉄出口など10カ所で、「大企業は巨大な儲け・内部留保を労働者、下請け企業に還元せよ!」を内容とするビラ5500枚を配布しました。
仕事と住まいを一挙に奪う残酷な「派遣切り」「期間工切り」を、こともあろうに日本のリーディングカンパニーともいえるキヤノンやトヨタなどの大企業が容赦なく実行しています。
大企業はとりわけ小泉構造「改革」以降、あのバブル期を超える莫大な利益をあげ、巨大な内部留保を蓄積しています。従って今すぐ「整理・解雇」する緊急性も必要性はありません。これまでの判例が示す「整理・解雇4要件」にも反します。
09春闘では、これまで国公が中心に行ってきたビクトリーマップ宣伝がいよいよ大きな役割を発揮します。同時に、緊急課題である「派遣切りストップ」「職と住の確保」、派遣問題の根幹に迫る労働者派遣法の抜本改善、ナショナルミニマムの確立を目指す「時給1000円の全国一律最賃制」の確立や生活保護基準の抜本改善などの課題を、国公労働者が率先して担うことが求められています。(「東京国公だより」1月7日号より一部転載)
以上
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