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国公労連速報 2009年3月5日《No.2129》
【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.58】
     
 

 

分限免職の回避にできる限りの努力したい(事務局)
宮崎県国公が社会保険事務局に雇用確保で申し入れを実施


 宮崎県国公と2009年春闘宮崎県連絡は2月27日、「社会保険庁で働くすべての職員の雇用確保を求める」申入書を宮崎社会保険事務局長に提出し、要請を行いました。県国公・春闘宮崎県連絡からは5名参加し、社会保険事務局側は中島事務局長、飯田次長、大崎総務課長ら4名が対応しました。
 申し入れでは、来年1月の日本年金機構発足を控え、懲戒処分を受けた職員を一律不採用とする基準は重大な問題を引き起こしていること、国民が安心できる年金制度を確立すること、そのためにもすべての職員の雇用を確保すべきこと、などを要請しました。これに対して事務局側は、「閣議決定された基本計画に基づき、設立委員会から示された必要な手続きを着実に進めていかないといけない。年金業務を効率的に進めていくことは必要なことと思うし、その考え方は申入書と同じだが、手続きに沿って作業を進めていくことでご理解いただきたい」と述べました。
 県国公は、「かつて国鉄の分割民営化でも苦い思い出がある。斡旋がうまくいかず、職に就けず訴訟に及んだ」と指摘。事務局側は、「分限免職の回避に向けてもできる限りの努力をしたい」と答えました。
 また、現在、募集・採用に関し、2月16日に名簿が設立委員会に提出されたが、機構全体の人員枠は示されているが、宮崎の人員枠は示されていない状況であること、宮崎においても職場の業務量は増大し厳しい現状にあること等の説明がありました。最後に、提出した申入書は局長として上部機関に進達することを確認し、申し入れを終了しました。

 広島 “社保庁を応援したい”と要請を実施

 広島県国公は中国ブロックと合同で2月26日、ヒロシマ総行動の一環として広島社会保険事務局要請を行いました。要請団は、中国ブロックから原田事務局長と高橋次長、広島県国公からは原田副議長と葛西事務局長の4名が参加しました。広島社会保険事務局は細見辰雄総務課長と井上一幸総務課長補佐が対応しました。
 以下、主なやりとりです。
〈国公〉本日はヒロシマ地域総行動の一環として要請にうかがった。「日本年金機構に全ての職員を採用すべき」という、いわば社会保険事務局を応援する立場で訪問させていただいた。
〈事務局〉日本年金機構から12月26日に採用基準が示され、1月にかけて職員に周知した。その基準を持って各職員に意向確認を行った。社保庁から年金機構に対して2月16日に希望者の名簿が提出された。私たちは決まったことを淡々とやるしかない。全てが採用されるわけではないので、残念ながら採用できない者は厚生労働者など他の道に進んでもらえるよう努力している。
〈国公〉総務課長の立場からそう回答せざるを得ないのは理解できる。色んなマスコミから批判を受けてきたが、この間の年金業務の問題も、職員個々の責任ではない。管理者も含めた組織的な問題であり、そのことを持って次の職場が閉ざされるのは残念だ。
 前の職場でのことを聞いて採用の判断をするというのは、民間企業でいうところの“問い聞き”にあたる。これは人権上やってはならないこと。情けないことである。民意から仕方ないとの声もあるが、このような意見を言う者が来たと中央に伝えてほしい。
〈国公〉30年前に公務員試験を受けた。その時社会保険事務所を選んでいれば同じ可能性があった。国土交通省も「地方分権改革」による組織改革を求められており、社会保険事務所の採用問題は身分保障の課題と受けとめて注視している。我々は公務員としての使命を全うすべきだが、一方で「身分保障」が揺らいでいる。
 また、(一国民として)、消えた年金問題などを解決する業務として作業量が膨大になるのではないかと考える。その場合当然に業務に精通している方がよいはずだが、新しい組織で人数が減るのではないか?人数を減らして信頼できる年金制度を作れるのか?この時こそ、国民に対してアピールすべきではないか。
〈国公〉裁判所に勤めている。例えば「スピード違反」などの処分歴のある者が処分の性質・内容も問わず、一律に不採用となるのは本当に許されるのか、違和感を覚える。一つの事案について二度処分することになる。例えば、目的外閲覧なども研修の一環として実施されていた事例もあると聞いている。本当に組織としてきちんと省みられているのかどうか疑問である。本当にその職員が新しい組織に対して、不適格者なのかどうか立証されていない。
〈事務局〉「消えた年金記録の問題」について、不安を抱かれるのはもっともである。誠心誠意きちんと対応して信頼を得ていくしかないと考える。
 国家公務員として試験を受けて入ったという話があったが、私たちも同様であり、試験を受けて入ったという自負もある。新組織では、身分は民間になるが、スタイルは変わっても、今までどおりやればよいと考えている。職員にも自信をもってやればいいと伝えている。たとえ条件は悪くなってもポジティブに考えて行こうと話をしている。
 人数の問題は、確かに職員数は減になるが、より効率的に業務を進めるよう審査などの業務の外部委託を進めていくこととしている。職員がやるべき業務は、相談・徴収業務に特化していこうと考えている。入力業務などを外部委託していき、平成22年1月以降システムを刷新していくことになる。旧態依然とした体制で同じことをやっていては、かえって年金業務に対する不信を招く。
 懲戒処分を受けた者を採用しないというのは、ある程度民意はあるのかもしれないが、示された以上はそれに沿ってやらなければならない。
〈国公〉そういう民意もあるかもしれないが、我々のように考える民意もある。そのことをきちんと社保庁に伝えてほしい。
〈事務局〉採用事務に関しては、社保庁が関与できる問題ではない。したがって、本日の要請も社保庁にあげるかどうかは内部で検討させて頂きたい。
〈国公〉それはおかしい。処分者でも採用して、業務を前に進めてほしいという声があることを、把握した以上中央に伝える義務が地方管理者にはあるはずだ。
〈事務局〉意見を付して上申などはできないという意味で言った。もちろん要請書は中央にあげたい。
〈国公〉私たちは決して意見を言うためにおじゃまをしたのではなく、皆さんの応援をしたい、力になりたいと考えておじゃましている。個人としても意見は聞かせてもらえないのか?社会保険事務所の職員も夜間や休日を問わず頑張っておられるのではないか。
 社会保険事務局は、これに対して回答はありませんでしたが、要請団は職員の雇用確保を重ねて要請し、行動を終了しました。

以上

 
 
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