すべての職員の雇用確保に全力をつくせ!
岐阜県国公と全厚生岐阜県支部が局長と交渉
岐阜県国公と全厚生岐阜県支部は2月18日、「社会保険庁で働くすべての職員の雇用確保を求める要請」を提出し、岐阜社会保険事務局長要請を実施しました。
来年1月の日本年金機構の発足まで一年を切った1月に、全職員を対象に新組織への採用等についての「意向調査」が行われました。これに対して、全厚生岐阜県支部は、「意向実態アンケート」に取り組み、全厚生本部では懲戒処分者も含めた希望者全員を推薦名簿に登載することなどを内容とした「職員募集に関する申入書」を2月10日に社会保険庁に提出するという中での要請となりました。
この要請には県国公から横山議長、吉田事務局長ら幹事会メンバー6名と全厚生岐阜県支部から澤村委員長をはじめ支部役員と分会役員8名が参加しました。事務局側は神原事務局長、裏道次長、瀬上総務課長が対応しました。
雇用確保のため精力的に努力する!
冒頭、岐阜県国公の横山議長は、「日本年金機構設立委員会が示した採用基準、『懲戒処分を受けた職員の一律不採用』は大変問題がある」と指摘。「年金制度の信頼確保のために、制度運営を優先にすることが重要であり、業務に精通した職員の採用と事業の実施が必要だ」と主張。職員の雇用確保に全力を尽くすよう要請しました。
この主張に対して神原局長は、2月10日の全国社会保険事務局長会議の内容にもふれつつ、厳しい職場状況とともに、特別便、記録整備などの業務の進捗状況を説明したうえで、「社会保険庁としてあるうちに年金記録問題を解決させる、というのが国民の願いだと思うが、現実的には日本年金機構へ移行後にもずれこまざるを得ないと思う」との認識を示しました。
職員の雇用問題では、「2月16日に社会保険庁から希望者の名簿が設立委員会に提出されたと聞いており、3月中に内定が出される予定」、「新年度には非常勤職員の募集が始まる」とおおまかなスケジュールを述べ、「職員の希望に沿う形で雇用が確保され、『分限免職』が回避されるよう願っており、(最終的に)採用が決まらないということがないよう、私をはじめ、幹部のみんなで精力的にがんばりたい」と回答しました。
広域異動に対する思いは設立委員会に伝える
「意向調査」で職員が一番不安に感じていることは、広域異動と引き替えに「採否」を決定するということです。
この問題について全厚生岐阜県支部は、岐阜県の社会保険職員の欠員数は全国でもトップクラスにあること、「特別便」など記録問題への対応で長時間・過密労働が続き、さらに、日本年金機構の劣悪な労働条件が雇用への不安と併せて働く意欲を大きく低下させていると指摘しました。また、組合で「意向実態アンケート」に取り組んでいるが、組合員は広域異動への不安の声が大きく、広域異動が困難である旨を「意向調査」に記入した職員からは「採用されるのか心配している」との声が多数出ていることを紹介し、「新組織での事業の円滑なスタートのために異動を最小限に抑えることが重要で、このことは事業を安定的に維持するということにもつながる」ため、職員の意向を十分配慮するよう要請しました。
神原局長は「私としても日本年金機構の採用条件の厳しさに驚いている」とし、「おおよそ8割の職員が日本年金機構を希望しているが、広域異動が困難な職員が厚生局を希望していると考えられる」と意向調査の結果について述べ、「職員の希望がかなうよう最大限の努力をする」、「広域異動に対する思いも設立委員会へ伝えていきたい」と回答しました。また、社会保険庁への提出名簿には希望者は全員登載したこと、休職者についても土・日に説明会を開催し、直接会って話をするなどきめ細かい対応をしてきたことを明らかにしました。
全厚生岐阜県支部は、日本年金機構への移行にあたって、現在すでに問題となっている「住宅ローンの借り換え」が困難となっていることや、今年の11月から新組織の発足までの2カ月間、宿舎を出なければならないことに対する問題点も指摘し、今後当局と協議したい旨を伝えました。
交渉の最後に、岐阜県国公の野田副議長は、「社会保険庁改革は社会保険庁だけの問題ではなく、国公職場全体の問題。希望者全員の雇用確保をお願いしたい」と再度強く要請し、交渉を終わりました。
以上
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