国公労連は3月5日、中央行動に連動して「独立行政法人労組09春闘決起集会」を9単組から29人の参加で開催しました。
冒頭、国公労連・宮垣委員長は、「市場原理主義と自己責任論を柱とする構造改革により、貧困と格差が拡大した。09春闘では企業の内部留保を雇用と労働条件改善に使うなど、大企業に社会的責任を果たさせる必要がある。そして、独法は、国民の安全・安心を守り、社会の基盤を支える組織として、自主性・自律性を発揮できるように制度改善をはかる必要がある。そのために、いま国会に上程されている独法通則法の改悪に反対し、運営費交付金の増額、09春闘での賃金引き上げ、労働条件改善を勝ち取ろう」と主催者あいさつしました。
吉井議員、学研労協、特殊法人労連、中労委労働者委員から激励挨拶
つづいて、来賓の日本共産党・吉井英勝衆議院議員は、「官から民への構造改革・行政改革の正体が明らかになっている。例えば郵政民営化で、かんぽの宿など国民の財産がオリックスの莫大な儲けにされようとするなど、企業の利潤追求のための行政改革であったことがはっきりした。独法制度についても同じことがいえ、あらためて公共サービスのあり方、公務はどうあるべきかが問われている。国民との共同を広げ、独法制度や行政を国民本位に転換していこう」と述べました。つくばからかけつけた学研労協・内山副議長は、「つくばの研究機関労組の協議体である学研労協では、この間、ポスドクの公務員宿舎への入居を可能にしたり、時間単位の休暇取得が可能になった研究機関など、少しずつだが成果が生まれている。研究機関でもポスドクなど非正規の雇い止めや派遣への置き換えなどが問題になっている。昨年11月に開催したポスドクシンポジウムの第2弾開催に向けた準備など、研究機関におけるポスドク、非正規の処遇改善に向け奮闘したい」と述べました。特殊法人労連・竹内事務局長は、「特殊法人労連は、きょう財務省と独法の運営費交付金増額を求める交渉を実施した。奨学金を扱っている学生支援機構など国民サービスを担っている独法の拡充を求めて共に取り組みを進めよう」と述べました。また、第30期中央労働委員会・淀房子労働者委員は、「官から民への民は、国民のことでなく企業の儲けをどこまでも増やそうという意味だ。この流れのなか、不当労働行為が多発している。働くものの生活と権利を守るため共に奮闘しよう」とあいさつしました。
基調報告した国公労連・瀬谷行革独法部長は、09春闘で独法職場の労働条件改善と組織拡大強化をはかることや、独法通則法「改正」案の成立阻止に向けた国会対策の強化、特殊法人労連と学研労協との共同で運営費交付金の増額等を求める団体署名を推進していくことなどを提起しました。
各独法労組からは、「3月3日、理事長交渉で要求書を提出し3月中の回答を求め取り組みを強化している。生活改善できる賃上げと時短が大きな柱だ。国に横並びの労働条件を改善するのは難しいが職場の取り組みを積み上げて打破したい」(全運輸自動車検査労組・安藤委員長)、「研究所の基盤的経費である運営費交付金が削減され、競争的資金が増えている。競争的資金獲得のための事務作業が繁雑で手間がかかるため研究者が本来の研究に打ち込めない状況になっている。運営費交付金を増額する取り組みを強めたい」(全通信研究機構支部・市川書記長)、「この間、夜勤手当の増額などを勝ち取っている。運営費交付金では、院内保育所に3億8800万円をつけさせたり、今年の予算では、医師確保法対策や看護師養成等に新たに運営費交付金がつくようになるなど、この間の運動で改善させてきた。国民のための医療を守る運動と、組織拡大を柱に運動を進める」(全医労・山田副委員長)、「いま都労委に時短問題であっせんを申請中。毎年、運営費交付金が削減され、このままでは将来の研究が立ちゆかなくなるような状況にあり、運営費交付金の増額は切実な要求だ」(全経済産業技術総合研究所労組・矢津委員長)と、それぞれ決意が表明されました。
閉会あいさつに立った国公労連・秋山書記次長は、「公共サービスを担う独法の役割を国民の中に大きく広げる取り組みとともに、例えば郵政の職場で小さな労組の郵産労が昨年末の一時金で1万円増額を勝ち取ったように、独法労組のみなさんが労働基本権を活かし、労働組合の力を最大限発揮して09春闘で要求を前進させよう」と述べ、最後に宮垣委員長の団結がんばろうで、決起集会を終えました。
通則法「改正」案の廃案と運営費交付金の増額で国会議員要請を実施
そして、集会終了後、参加者は衆参両院の内閣委員60人に、独法通則法「改正」案の廃案と運営費交付金の増額等を求める要請行動を実施しました。
以上
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