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国公労連速報 2009年3月19日《No.2149》
春闘ビラの団地配布と品川駅頭宣伝
―国公労連本部と各単組本部「内部留保を使って雇用確保と賃上げを」
     
 

 

 国公労連は3月19日午前、労連本部と各単組本部による春闘ビラの配布と駅頭宣伝を行いました。国公労連は「人間らしく安心して働けるルールを」の春闘ビラを作り、地域総行動を起点に全国30万枚ビラ宣伝行動を実施することにしています。今回の行動は本部段階で具体化したものです。
 早朝8時30分からJR品川駅港南口で25名が参加し駅頭宣伝を行いました。国公労連宣伝カーに「賃金改善で内需拡大・景気回復を/内部留保を使って雇用確保と賃上げを」と看板を掲げ、出勤してくる労働者にビラの配布をしながら、4人が弁士として以下のように訴えました。

 ▼国公労連・宮垣委員長は「昨日(18日)の、自動車、電機など金属大手企業による春闘回答は膨大な内部留保を抱えながら、賃上げはゼロ、一時金は大幅に削減する内容です。定期昇給を凍結する企業もあり、内需拡大による経済再建が求められているもとで、大企業の果たすべき社会的責任に背を向けるものです。
 このままだと、日本経済は、雇用の減少→賃金低下→内需縮小・外需依存→国内生産縮小→雇用の減少という「負の悪循環」に陥ってしまいます。こうした状況から脱出するためには、雇用の確保と賃金の引き上げによって日本経済を賃金収入の増加→内需の拡大→国内生産の増加→雇用の増加という「プラスの循環」に変えていくことが重要です。大企業に対していままで、ためにため込んできた内部留保をはき出させ、賃金の引き上げと雇用の拡大、中小企業の下請け単価の改善を図ることが必要です。
 史上最高の内部留保をため込んでいる大企業が「派遣切り」「期間工切り」で雇用破壊を行っていることに対し、政府の与謝野経済財政担当大臣、河村官房長官、さらに経済同友会終身幹事の品川正冶さん、東レの名誉会長の前田勝之助さんも批判しています。
 大企業は、いまこそ、内部留保を活用して賃上げと雇用確保を行い、内需を拡大して、日本の景気の回復をはかるべきです。」と訴えました。(全文はこちら

 ▼全労働・小田中執は「派遣切り、ワーキングプアが激増し、ハローワークの窓口では、長蛇の列ができています。それなのに地方分権推進委員会は昨年12月の勧告で、都道府県労働局のブロック化や無料職業紹介事業の将来的な廃止を打ち出しています。我々はこれに異議を唱えていますし、労働政策審議会、自民党雇用生活調査会、日弁連も反対、慎重にとの意見表明をしています」と述べました。

 ▼全司法・田辺書記次長は「裁判所の人的・物的充実を訴え運動しています。現状では裁判官1人で200件を超える事案を抱えて、一件一件にかけられる時間が必ずしも十分といえません。事務を行う職員も年々増える事件に追われ残業や休日出勤でカバーする職場が増えています。今年始まる裁判員制度を公正、迅速に進めるためにも裁判官も職員もたりません。我々の運動にご理解を」と述べました。

 ▼全法務・岩波委員長は「我々も春闘で運動をすすめています。賃金で言えば大幅賃上げは可能と我々は考えています。新聞では各企業は大幅赤字とか、派遣労働者などの首切りとか、大きく報道されていますが、それは単年度の動きです。昨年秋までは長く景気回復が続き大企業は儲け続けてきました。その間、株主配当、役員給与を引き上げ内部留保をため込んでいます。一方、賃金は抑えてきているので景気回復の実感は国民、労働者には全くなかった訳です。このため続けた内部留保のほんの一部でいいから賃金に回せば大幅賃上げは可能です。巨額な内部留保の数字をしっかり確認しようではありませんか」と訴えました。

品川の臨海地域の高層アパート群にビラ配布

 駅頭宣伝に続いて団地ビラ入れです。参加者は2人から5人のグループを作り、ビラと分担地域の地図を受け取って、品川駅から私鉄やバスで臨海地区の都市整備公団住宅(旧住宅公団)、都営アパート、雇用促進住宅へ向かいます。羽田空港から浜松町へモノレールを乗ると沿線に見える高層アパート群です。JR蒲田駅近くの都市整備公団住宅も含めて計7箇所でビラ配布を行い約5200枚を配布しました。 


国公労連・宮垣委員長の訴え

 品川駅ご利用のみなさん、ご通行中みなさん、お勤めご苦労さまです。この場をお借りして、春闘の宣伝行動を行っています。どうぞ、チラシをお受け取りになってお読みください。
 昨日、自動車、電機など金属大手企業は、労働組合に春闘の回答をいっせいに出しました。膨大な内部留保を抱えながら、賃上げはゼロとし、一時金は前年に比べて大幅に削減する内容です。定期昇給を凍結する企業もあり、外需依存から抜け出して、内需拡大による経済再建が求められているもとで、大企業の果たすべき社会的責任に背を向けるものです。
 私たちは、大企業の内部留保を取り崩して、賃上げをはじめとした労働条件改善や下請け単価の引き上げを行えと、今から17年前の1992年から言い続け運動をしてきました。09春闘で、私たちは、景気悪化を理由に派遣切りなど非正規労働者を大量解雇している大企業に対して、これまで史上最高の利益をあげながら、役員と株主だけに配当し、残りをため込んできた内部留保を今こそ使って労働者の雇用確保と賃金引き上げを行えと要求してたたかっています。
 このままだと、日本経済は、雇用の減少→(そして)賃金低下→(そして)内需縮小・外需依存→(そして)国内生産縮小→(そして)雇用の減少という「負の悪循環」に陥ってしまいます。こうした状況から脱出するためには、雇用の確保と賃金の引き上げによって日本経済を賃金収入の増加→(そして)内需の拡大→(そして)国内生産の増加→(そして)雇用の増加という「プラスの循環」に変えていくことが重要です。
 景気回復のためには、国内需要の拡大が必要です。そのためには、大企業から、今まで、ためにため込んできた内部留保をはき出させ、賃金の引き上げと雇用の拡大、中小企業の下請け単価の改善を図ることが必要です。
 史上最高の内部留保をため込んでいる大企業が、先頭にたって「派遣切り」「期間工切り」で雇用破壊を行い、社会問題化していることに対し、政府からも問題視する声が上がっています。
 政府の与謝野経済財政担当大臣も「何兆円もの内部留保を持つ企業が時給1000円足らずの方の職を簡単に奪うことがただしいのか」河村官房長官も「企業が内部留保をこういう時に活用することが非常に大事なことだ。企業は人なりだ」と言って、内部留保を活用して雇用の確保につとめるよう求めています。
 いままで、大企業は、非正規労働者を安い賃金で使って、利益をあげ、株主配当や内部留保を増やす一方で、労働者の賃金は上げずに、逆に、賃下げし、景気が悪くなると、真っ先に非正規労働者の首をきる、こんなやりかたを許すわけにはいきません。こころある経済界の人たちも怒っています。
 財界のご意見番であり経済同友会終身幹事の品川正冶(しながわまさじ)さんは、1月25日付けのサンデー毎日の記事のなかで「経営者よ、労働者を在庫調整に使うな。内部留保金に手をつけるのが先だ」と大企業の経営者を叱っています。
 また、東レの名誉会長の前田勝之助さんも、経営者向けの雑誌BOSSの3月号で「派遣を首にする大企業はけしからん、ビンタだ!」と怒っています。
 しかし、トヨタや三菱、マツダ、富士通などの大企業は、内部留保を温存しながら、仕事を分かち合う「ワークシェアリング」と称して、操業短縮による休業や労働時間短縮を行っています。これは、労働者の雇用不安を利用した単なる操業短縮にともなう賃下げでしかありません。派遣切りの大量解雇は予定どおりすすめ、新たに正社員の賃金を下げるものです。
 こんな賃下げのワークシェアリングよりも日本で先にやらなければならないのは、(1)サービス残業根絶や年休完全取得など働くルールの厳守、(2)本格的な労働時間の短縮による雇用の創出です。
 日本の労働者は、ヨーロッパに比べて、年間300時間以上も長く働いています。さらに日本の労働者は、ヨーロッパには一切存在しない違法な賃金不払い残業、いわゆるサービス残業をさせられています。
 また、日本の労働者の年次有給休暇の平均取得日数は、フランスの「34日」の4分の1以下の「8日」にしかすぎません。日本の異常な長時間労働が、過労死や過労自殺、うつ病などのメンタルヘルス不全、労働災害などが増えるのは当然の結果といえ、人間そのものを壊しているのです。
 日本でかかげるべきは「ワークシェアリングによる雇用の維持・創出を」ではなく、「働くルールの確立と賃下げなしの労働時間短縮の実現による雇用の創出を」です。
 民間のシンクタンクである労働運動総合研究所は、サービス残業の根絶や年休の完全取得で272万3千人。ヨーロッパなみに週38時間労働にすれば180万7千人を雇用できるという試算を発表しています。企業の賃金支払い増額は、16.6兆円増加しますが、2007年末の企業の内部留保額403.2兆円のわずか4.11%で実現することができます。
 大企業は、いまこそ、内部留保を活用して賃上げと雇用確保を行い、内需を拡大して、日本の景気を回復をはかるべきです。
 また、 大企業による派遣切り、期間工切りなどの非正規切りをやめさせ、働くルールを確立するためには、労働者派遣法の抜本改正も必要です。いまのような異常な事態がおきているのは、働くルールの規制緩和、とりわけ1999年に労働者派遣を業種の限定なしに、原則自由化したこと、さらに2004年には製造業まで広げたからです。少なくとも1999年の原則自由化以前に戻すべきです。大企業の身勝手なリストラを辞めさせて社会的責任をはたさせましょう。賃上げ、雇用の確保、働くルールの確立で安心して働ける日本にしていきましょう。賃上げと雇用の安定で内需を拡大し、日本経済を元気にしていきましょう。そのことを申し上げて私からの訴えとさせていただきます。

以上


 
 
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