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国公労連速報 2009年7月2日《No.2195》
総務省(行政管理局)交渉
 新たな定員合理化計画決定に抗議
 「行政需要への対応は増員で」と回答
     
 

 

 国公労連は7月2日、「平成22年度概算要求基準」と「新たな定員合理化計画(平成22年度以降の定員管理について)」の決定を踏まえて定員問題で総務省交渉(行政管理局)を実施。政府による今回の決定に強く抗議するとともに、あくまで従来方式による定員削減を進めようとする定員管理当局の姿勢を追及しました。
 交渉には単組代表を含む11名が参加。行政管理局側は稲垣企画官が対応しました。
 冒頭、国公労連の小倉調査部長は、「平成22年以降の新合理化計画では5年間で10%以上の定員削減が決められたが、定員純減計画では次年度まで5.7%以上の純減方針が続く。こうしたやり方は一方的な押しつけ以外の何物でもなく、行政の果たすべき役割がますます重要性を増している今日の状況の中で、定員削減だけは淡々と進めようとする姿勢は納得できない。慢性的な超勤実態やメンタルによる休職者の増大にも目を向けるべきだ」「行政需要や業務量に見合った定員が確保されるべきであり、現在の定員管理はあるべき行政の役割と矛盾する」と主張したうえで、22年度以降の定員管理方針についての行政管理局としての方針を明らかにするよう求めました。
 それに対し、行政管理局側は、「これまで定員管理については、合理化すべきは合理化し、国の重要施策については重点的な定員措置によってメリハリのある定員配置をするというものであり、その考え方は今後も維持する。職場の厳しい実情は承知しているが、財政事情が厳しい中、定員再配置と一層のスリム化は必要であり、22年度についても、これまでの純減計画と新合理化計画に従って定員管理を行っていきたい」と回答。
 この回答に対し、参加者からは「現在の定員で当初予算の1.8倍の補正予算を執行するのは困難」「業務量の増大で九州では半年で3人の在職死亡がでた。行(二)職の削減で運転手の委託が進み、パトロール中の指揮・命令ができず行政運営に支障もでている」「雇用失業情勢の厳しさが増している中で、関連部門の定員管理は柔軟にすべきだ」「航空部門については、首都圏だけでなく地方も含めた全体的業務状況の把握も必要。運輸局関係では、登録まで独法化されるが、これ以上の努力は無理」「地デジ部門に重点化しているため他部門の負担が増えている」「市町村ごとの気象情報発出も始まるが、現場は2人体制で災害時の応援にも限界がある」「ハンセン療養所は国が直接入所者の生活と医療に責任をもつためのものとの位置づけだが、肝心の介護員が行(二)のため減らされ続けている」と、それぞれ現行定員管理の矛盾を指摘しながら、新合理化計画の撤回・再考を求めました。
 しかし、行政管理局側は「大胆な定員再配置、行政スリム化の徹底のため、総定員法の下で定員管理を行うことは適当。5年間5.7%の純減計画は配転、採用抑制を含め平成22年度まで政府の方針として引き続き取り組まなければならない。昨日策定された新合理化計画の目的は定員の再配置とスリム化にあり、その撤回は困難。ただし、増員をどれだけ見るかは行政需要の問題であり、それについては各省からの要求を踏まえ対応する」「国の出先機関の統廃合は地方分権改革推進本部の中での議論であり、どういう姿になるかは今後検討されると承知。それが組織・定員にどう配置されることになるかは未定。各省と総務省それぞれの立場があるが、総務省としていうべきことがあれば21年中目途に策定される地方分権改革推進計画(改革大綱)に向けていうことになろう」「22年度の各省の要求は8月末までにでてくる。それを受けて話を聞きながら対応していきたい」などと回答するにとどまりました。
 最後に、国公労連側は「地方分権改革に伴う国の出先機関の統廃合にあたっては、国が責任をもって行うべき業務については定員管理当局としてもきちんと主張すべきだ」「削減数が機械的に決められ続けた結果、行政態勢は限界に来ている。定員管理のやり方を転換しない限り行政の役割は果たせない。各省からの要望もよく聞いた上で査定作業にあたるべきだ」と主張し、本日の交渉を締めくくりました。



2009年7月2日
総務大臣 佐藤 勉 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 宮垣 忠

 総人件費「改革」とかかわる定員管理に関する要求書

 国家公務員の定員は、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」によって、業務量や行政需要の増大にもかかわらず、その上限が厳しく制限されています。さらに、国家公務の職場は、「定員合理化計画」(05年閣議決定)により、2005年からの5年間で04年度末定員の10%以上の定員削減や「行政改革推進法」及び「国の行政機関の定員の純減について」(06年閣議決定)に基づき06年度から5年間で5.7%以上の純減が押しつけられています。
 6月23日、政府は、5年間で10%以上の定員を削減する「新たな定員合理化計画」の策定を盛り込んだ、「経済財政改革の基本方針2009」を閣議決定しました。
 定員管理にかかわっては、従来どおり貴職の責任のもとですすめられていますが、こうした定員削減の強行が、職場に深刻な影響をもたらし、行政サービスの水準を維持することが困難となっています。
 また、職員への影響も深刻となっています。慢性的な長時間労働、休日出勤、途切れることのない利用者対応等のストレスは、メンタル疾患を含めた健康被害を急増させ、長期病気休暇者も増加しています。
 以上のことから、総人件費「改革」のもとですすめられる定員管理にかかわって、下記の事項に対する貴職の誠意ある対応を求めるものです。


1、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」を廃止すること。

2、「5年間5.7%以上」の定員純減方針を撤回し、行政サービスの拡充と職場の労働条件改善を図るため、必要な予算・要員を確保すること。

3、新たな定員合理化計画(5年間10%以上)を策定しないこと。

4、「国家公務員の配置転換、採用抑制等に関する全体計画」を直ちに撤回すること。

5、行政サービスの切り捨てと公的責任の放棄につながる、地方支分部局・付属機関等の統廃合を一方的に行わないこと。

以上


 
 
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