晴天に恵まれ、秋晴れが爽やかな11月18日、全労連・公務部会・公務労組連絡会が主催して「不況打開、公務員賃金改善、公務・公共サービス充実などの民主的予算の確立」を求めて、中央行動が霞ヶ関一帯で展開されました。日比谷野音で開かれたお昼の総決起集会には官民あわせて2500人(国公労連約400人)の労働者が結集しました。その後、13時30分からは、財務省、総務省、内閣府、それぞれの前で要求行動が実施されました。
厚労省・人事院前要求行動
厚労省は分限解雇をするな 「人生を弄ぶようなことはやめてほしい!」
国公労連は、11.18中央行動に先駆けて、午前10時40分から「分限免職するな、社保庁職員の雇用守れ、特地勤務手当と昇格の改善等」の独自課題で、厚労省・人事院前要求行動を実施しました。
まず、厚労省前行動では主催者を代表して川村国公副委員長が、「社保庁廃止・日本年金機構発足まで1ヶ月余と差し迫る中、550人余もの再就職未定者がいる。日本年金機構の採用における懲戒処分者排除は二重罰というであり、違法・無法行為である。また、懲戒処分を受けていない人も不明瞭な選考基準で不採用とされている実態がある」など情勢報告を兼ねたあいさつをしました。
続いて、忙しいなか、あいさつに駆けつけていただいた自由法曹団団長の菊地紘弁護士は「いま政府に問われているのは、社会保障制度のあり方と雇用問題である。ずさんな年金記録とかつてないほど悪化した雇用情勢は、自公政権が生み出したものである。民主党中心の政権は日本年金機構発足に反対してきたのだから、その立場で職員の雇用に責任を果たすべきである。働く者の雇用を守るのは厚労省の大きな役目でもある。未来を切り開くためにも雇用を守ることが大事だ。自由法曹団も分限免職を許さないため、全国でがんばる。」と社保庁職員を激励しました。
また、日本年金機構を第一希望として意向調査票を提出していた全厚生組合員から、「懲戒処分も受けてなく、まじめに職務を遂行していたにもかかわらず、不採用となり、未だ理由も告げられないままだ。こういった不採用職員は全国に28人いる。機構に継続雇用されるか否かは人生を左右する重大な問題。今の仕事を奪われたら、終わりだ。私たちの人生を弄ぶようなことはやめてほしい。」と切実な訴えがありました。最後に厚労省にむけたシュプレヒコールで行動を終了しました。
人事院は、特地勤務手当と昇格を改善せよ
続いて、人事院前行動では、橋本国公中執から「人事院が検討している新たな基準は、官署や宿舎から人口集中地区との距離を基準とするもので、離島など不便な地域に勤務する生活の不便度や精神的負担を全く無視するもの。私たちの主張に対し、人事院は、『基準は概括的なものであり、個別補正については検討せざるを得ない』など、個別事情への配慮は示したが、見直しをすすめることに固執している。現在でも、具体的な基準の提示をしていない。離島・僻地での生活不便度や都市部との格差の解消にむけ、最後まで奮闘する」と情勢報告をしました。
続いて、離島や僻地の官署を抱える全気象の川野副委員長は「新しい基準に当てはめると、現在2級地の人里離れた大気環境観測所がへき地ではないことになる。ここの宿舎は人口3000人の綾町という町で、診療所と郵便局、農協があるだけの相当な田舎だ。役所まで6キロあり、職員が揃ってタクシー で送迎している。また、北海道では半年間、雪と氷に覆われるが、平均45キロで走って50分以内であればへき地とはならない。へき地官署で働く職員は、家族を犠牲にし、生活をなげうって仕事をしている。へき地でも重要な仕事である。一切の手当の切り下げを許さず奮闘する。」と決意表明しました。最後に、人事院にむかってシュプレヒコールを行い、行動を終了しました。
地域経済を再生しよう!官民一体で熱気あふれる
−11・18中央総決起集会−
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12時20分からの日比谷音楽堂で開かれた「09秋年闘争要求実現・中央総決起集会」では、主催あいさつに立った大黒作治全労連議長が「年越しに不安を抱えるひとたちに目に見える要求と運動で手をさしのべ、大企業に社会的責任を果たさせよう。年末闘争そして来年の参院選にむけ、国民が主人公の政治実現に連帯して奮闘しよう」と呼びかけました。
続いて、日本共産党を代表して塩川鉄也衆議が連帯のあいさつをし、「国民要求の政策を掲げ発足した鳩山連立内閣は、沖縄米軍基地問題や後期高齢者医療制度問題など実行上の問題を露呈している。大きな連帯でたたかい、国民的要求を実現しよう」とのべ、参加者を激励しました。
また、医労連の招きで韓国からかけつけた全国保健医療労働組合のユ・ジヒョンさんは、韓国でも公務・医療分野への弾圧・攻撃がかけられている実態を述べ、韓国のスローガン「お金より命を」を紹介して、連帯の重要性を訴えて、最後に日本語で「がんばろう」と会場を沸かせました。
そのあと、東京医労連、自交総連、全厚生、自治労連から決意表明がありました。その中で全厚生の飯塚勇委員長は、使用者責任を徹底的に追及し、ひとりの分限免職も出さない」と決意を表明し、支援の訴えを行いました。また、自交総連からは、「構造改革のもとタクシーをはじめすべての交通・運輸分野ですすめられた規制緩和により、過当なコスト競争が恒常的な過労運転による病気や事故、最賃を下回る低賃金で労働者にしわ寄せされている。労働者が人間として普通に暮らせるよう連帯してたたかう」決意が表明されました。
最後に、医労連の田中千恵子委員長が「私たちの運動が世論をつくり、世論の力が政治を変える。今まで以上の運動で要求実現に向けがんばろう」と呼びかけました。
国民の暮らしを改善する予算の実現を
−財務省前行動−
財務省前要請行動では、主催者を代表して全労連公務部会代表委員の山口隆中央執行委員長が、「鳩山内閣は国会論戦をつうじ、国民のための政治を実現するのか強い疑問がある。後期高齢者医療制度問題、雇用対策、沖縄米軍基地問題などの政治姿勢が後退している。事業仕分けでも軍事費の大本は聖域にしている。暮らしといのち、子どもの学習権を守れ、国民の要求を実現せよと財務省にきびしく迫ろう」とあいさつしました。
続いて、公務部会の蟹沢事務局次長が情勢報告をし、「史上最大規模のマイナス人勧を受け地方確定闘争はヤマ場を迎えている。しかし、民間一時金の大幅なマイナス、貧困率15.7%ときびしい状況にある。国民のための予算要求を掲げ、ルールある経済社会めざし奮闘しよう」とのべました。
日本医労連の代表が連帯あいさつした後、北九州市職労、北海道高教組、特殊法人労連の仲間が決意表明を行いました。
団体交渉権は基本的人権であり、すぐに返すべき
−内閣府前行動−
内閣府前行動では、主催者あいさつで宮垣全労連公務員制度改革闘争本部長(国公労連委員長)が「内閣府の世論調査によれば公務員の団体交渉について『交渉できる仕組みを導入すべき』が29.9%、『どちらかといえば導入すべき』が30.1%であり、6割が賛同している。国民世論も前向きだ。労働基本権問題について原口総務大臣も前進させたいと我々に回答している。早期に基本権を回復しよう」と述べました。
連帯あいさつで三木JМIU書記長は「派遣きりで闘っていた徳島光洋テクノでは13人の直接雇用を実現し、分会員44人全員の雇用を実現した。半数は正社員化だ。組合を作り団結を固め、産別組織に結集し、ストを背景に交渉をつよめることが基本だ。労働基本権回復をともに戦っていきたい」と述べました。
情勢報告で黒田全労連幹事は「自公政権時代とは違う新たな動きが出ている。労使関係制度検討委員会のワーキンググループは月3回のハイピッチで検討を進めている。委員会の報告が年内にも出されようとしている。ただ費用と便益の観点で交渉コストがいくらかかるかという検討をしており、これはおかしい。団体交渉権は基本的人権であり、すぐに返すべきだ。前向きな国民世論を背景にスト権回復をも視野にいれ運動を進めよう」と訴えました。
決意表明では国公労連として橋本全法務副委員長が「職場の1番の願いは職員を増やすことだ。全法務の増員署名の国会採択と、国公労連の総対話マップの運動をともにがんばる」と発言。自治労連として岡山県倉敷労組書記長が「消防職員の自主的組織に対して当局が脱退工作をおこなっている。裁判でも労働条件改善の行動は合理的だとしている。早く団結権の回復が望まれる」と、全教の京都支部副委員長が「小中学校の教師の超過勤務は、月から金が4時間、土日が7時間、持ち帰りが1時間という状況。高校の教師は土日の部活に加え就職先を求めて会社回りが大変。もうへとへとだ。なんとか教師を増やして、子供の教育条件を改善したい」と述べました。
国会請願デモ、すべての社保庁職員の雇用確保で国会議員要請を実施
各省前要求行動を終えて、日比谷公園西幸門から国会へむけて請願デモを実施。「労働者派遣法を改正しよう!」「医師・看護師を増やそう!」「公務・公共サービスを充実させよう!」などとシュプレヒコールをあげました。デモ終了後、「分限免職を行わず、社保庁で働くすべての職員の雇用の確保」を求めて、衆参両院の厚生労働委員の国会議員全員と全閣僚に対して、要請を行いました。
以上
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