全国労働委員会民主化対策会議は11月26日、全労連会館で09年度総会を開きました。参加は20単産、17地方組織から78名です(国公労連からは10名)。
総会は、昨年11月の非連合労組推薦者の中労委労働者委員への初任命(独法担当・淀房子氏)という画期的な前進に続き、新たに滋賀県労働委員会でも同様の任命がなされ、地労委で非連合労組推薦の労働者委員が計10県、11人となる中で開催されました。
総会では活発な討議がおこなわれ、以下のような方針を採択しました。(1)31期中労委労働者委員任命については、2010年2月をメドに民主化対策会議の候補者を確定し、引き続く独法関係担当の委員の確保とともに民間企業担当の委員獲得へ向け活動を強化する。また、中労委の地方調整委員(注)についても公正任命を政府・厚生労働省に要求していく。(2)労働委員会の活用促進については、労働者委員の定期的な情報交換をすすめ、労働者委員交流会議(仮称)の開催を追求する。利用の少ない地方で労働委員会制度の積極的宣伝を当局に求めるとともに、それぞれが積極的に利用する。
新三役は、議長に全労連の根本隆氏(同副議長)、副議長に純中立の国分博文氏(全農協労連委員長)とМICの小平哲章氏(新聞労連副委員長)、事務局長に寺間誠治氏(全労連組織局長)です。
淀房子氏(中労委労働者委員)が特別報告
看過できない。「労働者性」否定の判決が続く
総会の中では、中労委労働者委員の淀房子氏が特別報告。労働委員会の利用は大都市圏に集中しており、不当労働行為の新規係属が年間ゼロか1件の県も20前後もある。全国労働委員会連絡協議会に労働委員会の活性化検討委員会が設置され、今後4年間で検討を行い、順次実施していくこととなっている。労働委員会が労働法上の「労働者性」を認めた命令について裁判所が取り消す判決を出す事態が続いており、見過ごすことができない。東京高裁が、オペラ合唱団員に対する不当労働行為救済命令(労働員会)について取り消し判決を支持した。さらに、「使用・従属関係」が認められるとして個人営業者や個人業務委託者の「労働者性」を認めた命令が2つ取り消されている、と述べました。
また、総会では日本労働弁護団・宮里会長が「不当労働行為救済制度の過去・現在・未来」との講演を行い、「労働委員会は団結権侵害の事実状態を是正し原状回復を目指しており、権利義務の存否、適法・違法、有効・無効を判断する司法とは異っている」と述べました。
(注)中労委の地方調整委員
特定独法等の案件を扱う中労委の機関として地方調整委員会が各ブロックに配置されており、地方調整委員は公・労・使で構成されている。労働者委員は連合推薦者独占の状態。
以上
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