年金機構=戦力ダウンは明らか、
職員の負担増でなく体制拡充を追及
安心年金つくろう会は12月24日、厚生労働省に対して「すべての社保庁職員を活かし、日本年金機構の体制確立を求める申し入れ」を提出し、要請を行いました。この行動には、婦団連、社保協、国労、国公労連と全厚生の代表が参加し、分限免職(解雇)の不当性や日本年金機構の体制問題を追及しました。要請には、社会保険庁総務課の窓口担当者が対応しました。
申し入れにあたって国公労連の川村副委員長は、12月21日の日本労働弁護団の会長名による「社保庁職員に対する分限免職処分は違法であり、すべての職員の雇用確保を求める」声明を示して、(1)労働者の雇用の安定と権利を守る責任を負う厚労省が民間を指導する要件も無視して整理解雇することは許されない。(2)解雇されようとしている職員は年金業務に精通した職員であり、人が足りないもとでの解雇は国民的にも大問題。(3)日本年金機構には相当程度の欠員が生じていると推測され、1月4日の業務体制は確立できていない。と3点にわたって問題点を指摘し、経験と知識を持った職員の活用を求めました。
婦団連の榎本事務局長は、「これで年金問題が解決するのか不安。厚労省は国民に範を示さなければならない。年金機構に移るのになぜ解雇なのか、怒りを覚える。社保庁問題の責任のすべてを職員に転嫁するもの」と批判しました。
国労の小池中央執行委員は、「28日にも分限免職の発令が出されようとしている中での労働弁護団の声明は重いものだ。JR発足の際の採用差別は現在も争議が続いている。回避義務を果たしたのか。十分な説明や手続き、労組との交渉など問題がある。新政権は、友愛を掲げ、働く者の見方として発足した。解雇はやってはいけない。歴史に汚点を残すことは許されない」と指摘しました。
社保協の山口事務局次長は、「社保庁の対応は国民の支持を得られるものではない。年金を何とかしてほしいと望む国民の願いに反して、混乱を招くだけで国民の利益にならない。正反対のやり方だ」と発言しました。
全厚生の飯塚委員長は、「この時点になっても厚労省の非常勤応募者の内定通知がない。職員と家族は眠れない日々を過ごしている」と雇用確保策を求めました。
厚労省の窓口担当者は、「長妻大臣は昨年の閣議決定を変えることはないと明言しており分限免職が行われることになると思う」と述べ、人手は重要であり、残った職員と新規採用者に業務を身につけてもらって4年で解決するよう努力すると発言しました。
年金機構の欠員問題を曖昧にすることは許されない
申し入れでは、何人が分限免職となるのか、また、日本年金機構の欠員状況はどうなっているのか、を質しました。しかし、窓口担当者は「人事担当でないので分限免職の人数はわからない」、「欠員は正規では若干名、準職員は110人程度」など曖昧な回答に終始したため、「今年もあと一週間の時点で分限免職の人数もわからないのは無責任」「今残っている職員を活用すべき。それが税金を活かす道だ」「解雇した職員の再就職支援に労力を費やし、機構の欠員補充でも労力をさく。本末転倒だ」「経験者を排除して、何千人もの未経験者を雇い入れ、現社保庁より縮小した体制に欠員があって、どうしてサービスを維持できるのか」などと社保庁、厚労省の姿勢をきびしく追及しました。
窓口対応者は「現在の体制は維持できない。困難だ。限られた人材で対応し、非常勤職員の採用も検討している。おっしゃることはわかるが…」と発言。川村副委員長は、「年金機構の欠員問題をあいまいにすることは許されない」と指摘し、欠員状況の開示と、今日の申し入れや発言内容について必ず上司に伝えるよう求め、申し入れを終了しました。
以上
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