2010年6月28日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市
2010年6月27日に放映されたフジテレビ「新報道2001」で、参議院選挙の争点である「消費税」や「公務員制度改革」をめぐり、与野党の幹部が討論を行った。
そのなかで、「民主党は、労働組合の支持を受けていて公務員削減ができるのか」との指摘に対して、民主党の枝野幸男幹事長は、「国家公務員の労働組合が支持しているのは、大部分が共産党だ。国家公務員の組合で民主党を支持しているところはほとんどない」などと事実無根の発言を行った。
日本共産党の市田忠義書記局長が、「日本共産党は、労働組合であろうとどんな団体であろうと特定政党の指示を押しつけたことは一度もない。国家公務員の労働組合が共産党支持というのはうそだ」と批判し、発言の撤回を求めたが、民主党の枝野幸男幹事長は、「うそではない。国家公務員は日本共産党を支持している」という発言を繰り返した。
これは、1府7省と人事院や裁判所及び独立行政法人や国立大学法人などに働く正規・非正規の国公関連労働者で組織する22組合11万人の産業別労働組合である国公労連が、あたかも特定政党を支持しているかのような発言であり、民主党の枝野幸男幹事長に対し、断固抗議するとともに、発言の撤回を求めるものである。
国公労連は、結成以来、いっかんして、組合員一人ひとりの「思想・信条の自由」と「政党支持と政治活動の自由」を保障する方針・立場を堅持してきた。
それは、労働組合の特定政党支持路線が、思想・信条の違いをこえて一致する要求実現のために団結すべき労働組合運動のあり方をゆがめ、政党支持の自由という憲法に保障された基本的人権を侵害するとともに、労働組合が、ナショナルセンターの違いをこえて、一致する要求で共同を広げるうえでも、重大な障害となっているからである。
小沢一郎前幹事長、鳩山由紀夫前首相の「政治とカネ」の問題に続き、民主党の小林千代美前衆議院議員(北海道5区)陣営が昨年の衆議院選挙をめぐり、北海道教職員組合(北教組=連合・日教組加盟)から政治資金規正法に反する資金提供を受けていたヤミ献金事件で、組合員から反強制的に集めた資金を違法献金などに充てたとして連合加盟の北教組、自治労北海道、連合札幌の幹部に有罪判決が出たばかりだ。特定政党を支持することを組合員に強要することから、団体ぐるみの選挙や団体献金が起こっている。事件の根本原因には連合指導部による特定政党支持路線の強要があり、票もカネも「労組丸抱え」というのが民主党の選挙実態である。
そのことに対する反省も是正もなく、国公労連が特定政党を支持しているかのような民主党枝野幸男幹事長の公共の電波を使った事実無根の発言は、断じて許されるものではない。
国公労連は、組合員の「思想・信条の自由」、「政党支持と政治活動」の自由を保障し、特定政党への支持を押しつけることなく、要求の前進を阻むいまの政治を転換するためにも、参議院選挙における積極的な政治の選択をあらためて組合員に呼びかけるものである。
以上
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