国公労連は8月26日から3日間、全労連会館において第56回定期大会を開催した。大会では、国の行政責任を放棄する「地域主権改革」に断固反対し、国民の生存権など基本的人権を保障する公務・公共サービスを守るため、国公労働者のプライドをかけて全力でたたかい抜くことを確認した。
国公労連はこの1年間、公務員バッシングや「地域主権改革」による出先機関廃止に反撃する「総対話MAP運動」のとりくみに奮闘してきた。大会では、地元国会議員や地方議会への要請をはじめ、シンポジウムや行政相談、宣伝行動などのとりくみの成果と確信が生きいきと報告された。同時に、正念場を迎える出先機関廃止問題を最重要課題として、国民の視点に立ったとりくみを全員参加で展開することが強調された。国公労連は、安心・安全をすべての国民に保障するために必要不可欠な国の出先機関の役割を世論に広げ、地方議会の意見書採択を軸にした大運動を全国で強化する。
人事院は、本年勧告で2年連続の月例給と一時金の引き下げと、納得できる根拠やデータを開示しないまま55歳を超える職員への賃金減額措置を強行した。公務の労働や職場の実態を顧みない暴挙に、管理職層も含め職場には怒りが満ちあふれている。いま、民主党の公務員総人件費削減公約をタテに人事院勧告のさらなる引き下げも取りざたされているが、官民一体で公務員賃金の引き下げを許さないたたかいに全力をあげる。また、非常勤職員の「雇い止め」に風穴を開けたたたかいを確信に、均等待遇の実現などさらなる処遇改善に向けたたたかいを展開する。
核兵器廃絶や米軍普天間基地の撤去、後期高齢者医療制度の廃止など社会保障の充実や消費税増税阻止など、国民的な課題でも国公労連の役割発揮が求められている。とりわけ、世界一危険な普天間基地撤去の問題は、国民的課題の結節点でもあり国政の最大課題となっている。秋の沖縄県知事選挙での米軍基地反対候補の勝利に向け、全国からの支援を強める。また、財政赤字や社会保障財源などを口実にした消費税増税は、「地域主権改革」での地方財政の財源ともされている。国公労連は、弱者に負担を強いる消費税増税を断固阻止するため広範な国民と共同して奮闘する。
社会保険庁職員の分限免職は、身分保障を厳格に定めた国家公務員法や人事院規則を無視した不当解雇である。「地域主権改革」などでの公務員解雇の先駆けとさせないためにも、「全厚生闘争団を支える会」の拡大を図りながら、不当解雇撤回を勝ちとるため国公産別一丸となってたたかう。
労働基本権回復が現実の課題となっているが、政府はこれを人件費削減にむけた手段にしようとしている。公務員労働者の労働基本権は、行政体制の拡充や行政の反動化を許さないためにも不可欠なものであり、争議権を含む労働基本権の全面回復にむけたたたかいを強化する。
大会で明らかにされた職場の困難や仲間の苦悩を解決するためにも、また「21世紀国公大運動」で国民の支持と共感を全国津々浦々で広げるためにも、職場に強固な労働組合を確立することが欠かせない。この大会を機に組織の確立と拡大、強化に向けたとりくみに全力を尽くす。
国公労連は、「国民の中へ、国民とともに」のスローガンのもと、憲法をくらしと行政に生かす新たな一年のたたかいにすべての仲間とともに全力をあげるものである。
以上、宣言する。
2010年8月28日
日本国家公務員労働組合連合会第56回定期大会
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