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国民春闘共闘と東京春闘共闘が2月3日(水)の早朝7時30分から1時間、「キヤノン本社前行動」を実施しました。これには中央単産、東京・神奈川などの単産・地域から105名が参加(国公労連は24人)し、内部留保還元と派遣法抜本改正を求めるチラシを折り込んだ計2300個のティッシュを配布しました。
都内大田区下丸子の本社横の公園で簡単な意思統一をした後、3か所に分かれて宣伝。国公労連は脇門を担当しました。行動では「大企業は内部留保を還元せよ。配当よりも賃上げと雇用に回せ」の横断幕を二枚かかげ、ティッシュを入れた袋を持った参加者が歩道にずらりと2列に並び、出勤してくる労働者に声をかけながらティッシュを手渡しました。
ハンドマイクでの訴えでは、冒頭全労連・根本副議長が「大企業には社会的な責任がある。キャノンは日本経団連の御手洗会長を送り出し、企業理念に『共生』を掲げているのに、株主配当を増やす一方で従業員を削減している。元々キャノンという社名は観音 (かんのん)に由来している。『共生』や観音に反することなく、内部留保の一部を賃上げと雇用に回すべき」とあいさつ。
「内部留保の取り崩しは可能。現にキヤノンが取り崩して配当へ」
●国公労連・宮垣委員長が訴え●
続いて国公労連・宮垣委員長は「日本経団連は、1月19日に発表した経営労働政策委員会報告で私たちの『内部留保を崩して雇用を確保すべきだ』という主張に、内部留保の多くは現金ではなく設備などの固定資産であり、株主配当も業績低下とともに減っているなどと反論している。
しかし、キヤノンは、2009年12月期決算で1358億円もの高額な株主配当のために純利益を上回る部分の42億円の内部留保を取り崩した。『現金などで保有しておらず内部留保は取り崩せない』と言い訳していたにもかかわらず、実際は、換金できる証券投資に多くが振り向けられており、取り崩して、十分に現金化することができるということの実証といえる。
キヤノンの内部留保額は3兆9420億円で社員1人当たりの内部留保額は約2334万円、月額1万円の賃上げを行うためには、わずか内部留保の0.77%の404億円を取り崩すだけで可能。現金及び現金同等物の手元資金は、7950億円あり、月額1万円の賃上げを行うための原資は十分にある。月額1万円の賃金引き上げを実現し、構造改革で破壊された「経済的ゆとり」「時間的ゆとり」を取り戻し、人間的な労働と生活を実現するために2010年春闘を一緒にたたかおう」と述べました。
また、東京春闘共闘・柴田幹事は「キヤノンは内部留保のトップ10に入っており、この社会的な還元によって内需拡大、景気回復を実現しよう。さらに労働者派遣法の抜本改善の運動も強めよう」と、さらに大田区労連・中山議長は「かつて大田には9000軒以上の町工場があったが、いまは4000軒を切るまでに激減した。日本経済、地域経済の回復に向け、内部留保を労働者や下請企業のために使ってほしい」とそれぞれ訴えました。
行動後、簡単な総括集会を行い、行動を終えました。なお同日、国民春闘共闘と東京春闘共闘はキヤノンマーケティングジャパンなど大企業本社が集中する品川駅港南口でも早朝宣伝行動を行ない、45人が参加。用意していた3000個のチラシ入りティッシュを配布しました。
以上
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