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国公労連速報 2010年2月15日《No.2303》
【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.98】
     
 

 

分限免職撤回と雇用確保、年金機構の体制確保を!
安心年金つくろう会が2月12日に厚労省に申入れ


 2月12日、安心年金つくろう会(国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会)は厚労省に対して、社保庁職員の分限免職の撤回と雇用確保、年金機構の体制確保を求める申し入れを行いました。
 安心年金つくろう会からは、公務労組連絡会の黒田事務局長、婦団連の榎本事務局長、中央社保協の相野谷事務局長と山口事務局次長、全医労の岩崎委員長、全厚生の飯塚委員長、国公労連の川村副委員長と瀬谷中執が参加しました。厚労省は年金局総務課の武田課長補佐が対応しました。
 冒頭、黒田事務局長が「525人の分限免職で、経験ある職員が採用されていなばっかりに、発足した日本年金機構の業務は大変に状況で、窓口の混乱などは国民へのサービス低下を引き起こしている。特に、分限免職の撤回とサービス低下をさせないことを申し入れる」と要請しました。
 続いて、参加者からそれぞれ問題点を指摘するとともに、早急な改善を要請しました。
 「欠員を生じたままスタートした年金機構は、安心年金を標榜していただけに、欠員による業務の混乱は国民に対する背信行為といえる。年金業務の拡充が必要で、経験もった職員を受け入れるよう早急に対応すべきだ」、「年金は公的責任があり、分限免職で経験者を排除し、さらに年金機構に欠員が生じてサービス低下をもたらしたのは問題である。しかも二重処分であり、こんなことがあっていいはずがない」、「年金制度は、低い給付額や無年金者がいるなどまだまだ不十分。これらの解決や信頼を回復することが求められている中で、分娩免職などの問題があることは国民にとって不幸だ」、「国立病院の独法移行時に、非常勤職員の雇い止めがあり、今年4月の国立高度専門医療センターの移行時にも行われる。本来、労働者の雇用を守るべき厚労省が、身内から安心して働けない状況をつくりだしている。あっていいはずがない」、「サービスの観点から信頼を回復することが大切だと言っているが、社保庁時代より後退している。年金相談窓口の混雑状況などのホームページはまだ準備中で、適切な対応ができていない。移行期の過渡的なものと言えども、国民からは許されるものでない」などと、問題点を指摘し改善を求めました。
 武田補佐は、「懲戒処分を受けた職員に関しては、年金機構への有期雇用で勤務実勢などから判断して正規職員への採用もあり得る方策なども社保庁として主張してきたが、閣議決定で採用しないこととなり、長妻大臣もその基本方針を維持すると決めた。現在、44人が人事院へ不服申し立てをしている。基本方針や大臣発言などの関係から、分限免職者を採用することは現段階では無理だ。業務の後退、サービスの低下については、人を補充して体制を整えることを年金機構は考えている。未経験者で単に頭数がそろえばいいということではない。OBを使ってほしいという希望もあり、年金記録回復委員会で検討している。ホームページについては、年金機構も認識しており早急に対処していく。年金機構については、年金局の事業企画課、事業管理課が司っていて、定例の報告会を毎週開催し、機構の理事長、副理事長、経営企画部長と厚労省から大臣および政務3役、局長、審議官、課長が出席している。その場で、今日のような要請書は見せている」などと回答しました。
 「安心年金つくろう会」は、「元職員を雇用すれば、未経験者に費やす研修も混乱も、さらに社保庁から移った職員の業務軽減にもつながり、サービス向上になる。分限免職者に対する再就職支援の費用も必要なくなる。今の無駄をなくせるではないか」と再度主張。武田補佐は「無駄はその通りだが、閣議決定を覆さない限り無理だ」と、閣議決定を盾に同じ回答を繰り返しました。
 最後に、「安心年金つくろう会」は「分限免職の回避努力があったとは思えない。再就職支援でも官民人材交流センターは機能しなかった。4月から別組織になる予定だが、どうなるか不明だし、期待も持てない。閣議決定を変えなければいけない」と結んで申入れを終えました。


<申入書>
2010年2月12日
厚生労働大臣
長妻 昭 殿
国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会
事務局:国公労連内 3502-6363
港区西新橋1-17-14エクセルアネックスビル3F

社保庁職員の分限免職の撤回と雇用確保、年金機構の体制確保を求める申し入れ

 1月4日にスタートした日本年金機構は「お客様第一」「信頼回復」を掲げていますが、年金業務は遅滞し、混乱しています。窓口業務などでのサービスも後退し、年金記録整備にも支障を来しています。その最大の要因は、欠員が大量に生じて職員が不足していることとあわせて、年金業務に従事してきた2500人もの社保庁職員を年金機構の業務から排除し、業務に習熟した職員が決定的に不足していることにあります。
 厚生労働大臣は、日本年金機構の業務運営に対する監督責任を負っています。多数の欠員状況や経験を有する職員の不足など、年金機構の業務が混乱している要因を早急に国民に対して明らかにし、欠員補充など一刻も早く体制を確立することが求められます。仮にも、混乱の責任を現場職員に押しつけることは許されません。
 国民に対するサービスを確保し、年金記録問題を解決するなど国民の年金権を守るためにも、年金機構を希望する旧社保庁職員を正規職員として採用し、その経験と能力を発揮することが求められています。そのためにも、525人に対する分限免職(整理解雇)処分と「過去に懲戒処分を受けた職員は年金機構に採用しない」とする基準は撤回しなければなりません。
 公的年金業務に責任を負う長妻厚生労働大臣が、これらの点を踏まえて下記事項に誠意を持って応えるよう求めます。


 1.日本年金機構の欠員状況をはじめ、スタート後の年金事務所等での混乱の原因を国民に対して明らかにしてください。

 2.窓口での混乱を現場職員に責任を転嫁することなく、年金業務の経験者によって欠員を早急に補充・拡充し、信頼できる体制を確保してください。

 3.社保庁職員に対する分限免職処分は撤回し、日本年金機構の正規職員として採用するなど、経験と専門性を生かせる安定した雇用を確保してください。

以上

 
 
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