なくせ貧困、賃上げで景気回復、公務・公共サービスの拡充を!
「2010年春闘勝利3.4中央行動・公務労組連絡会第1次中央行動」が3月4日、公務労組連絡会・全労連・国民春闘共闘・公務部会・交運共闘が主催して東京・霞が関を中心に繰り広げられました。この行動には3,000人が参加、国公労連からは350人が結集しました。
独法の業務は国の責任で存続・拡充を
内閣府前行動
2010春闘独法集会と銘打って、11時から行われた国公労連独自の独立行政法人内閣府前要求行動には、150人の仲間が集まりました。
主催者あいさつに立った国公労連・宮垣委員長は、「国の機関から移行した独立行政法人は、国立病院機構、試験・研究機関、自動車検査など多種多様で、いずれも国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業を行っている。鳩山内閣は、昨年の12月25日に「独立行政法人の抜本的な見直し」を閣議決定し、廃止や民営化、移管等を強行しようとしている。4月に独立行政法人の「事業仕分け」がおこなわれるという緊迫した情勢を迎えているが、独立行政法人の事務・事業を国の責任で存続・拡充させるために力をあわせて取り組みを強めよう」と参加者に呼びかけました。
引き続き、国公労連・瀬谷行革独法対策部長から「(1)独法について国民に理解と共感をひろげるとりくみ、(2)事業仕分けを行う行政刷新会議への申し入れ、協議の配置、(3)本日の行動での全国会議員への要請行動」等、当面する行動提起がありました。
続けて決意表明を行い、全経済・産業技術総合研究所労働組合の井上副委員長が「独法に変わるとき自由度が増すといわれたが、結局処遇は国公準拠で全くよくなっていない。今度の見直しは、廃止か民営化かということ、雇用の危機だ」と話し、次に、全運輸・自動車検査労働組合の安藤委員長が「車検業務は国民生活に密着している。民営化されれば利益追求となりまともな検査ができなくなる。重要な仕事を行っているとの認識で廃止・民営化反対の運動を全国の職場から盛り上げたい」と述べました。全通信・研究機構支部の大高副支部長は「中期計画通りに全く進んでいない。諸外国では情報通信の予算は増額されているが、運営費交付金はこの間2割削減され、人件費も削減されつづけている。研究は人がやるもので安心できる身分保障があってこそできる」と述べ、総理府労連・統計センター労働組合の長木執行委員は「統計業務は重要な仕事。失業率調査や家計調査などは民間にゆだねるべきでなく国の業務に戻すべき。組合員が少ない中でも奮闘している。組合員拡大にもがんばりたい」とそれぞれの組織を代表して4名の方が決意表明しました。
最後に、秋山国公労連書記次長から「一方的な『事業仕分け』作業に反対のとりくみを強めよう。たたかいはこれからだ」との閉会のあいさつがあり、その思いを込めて団結ガンバロウで行動を終了しました。
官民力を合わせ、内部留保の社会還元を
厚労省前要求行動
全体行動のスタートとなった厚労省・人事院前要求行動が12時から行われ、庁舎前と反対側歩道は1,700名の参加者で埋め尽くされました。ここで参加者にオレンジ色や赤紫のバンダナが配布されました。
まず、春闘共闘・大黒議長が、主催者を代表し、「2010年春闘で生活危機からの脱却めざし、官民力を合わせて、内部留保の社会還元、最賃千円以上、派遣法抜本改善などめざそう」とあいさつ。働くものが報われる社会をめざそうという全労協のメッセージも紹介されました。
それに応える形で、交運共闘・佐藤議長が、規制緩和・構造改革路線との決別を目指して闘う交通運輸労働者の決意と闘いの経過を紹介しました。
続いて、各代表による決意表明では、まず秋山公務部会事務局次長(国公労連書記次長)が「社会保険庁の不当解雇(分限免職)撤回に全力挙げるとともに、公務員賃上げでは、内需拡大にむけ政府として率先した賃上げ姿勢を示すようせまろう」などと発言。医労連・相沢書記長は、民主党など連立政権には、「OECD並の医療費・社会保障予算」という公約をきちんと守らせるべきだとし、生協労連・北口副委員長は、本日を含めた2日間行動で、最賃改善による賃金底上げ、消費税増税反対(食料品は非課税に)、パート法改正で議員要請などに取り組むなどとそれぞれ決意を表明。また、京都自治労連新田書記次長は、市が派遣会社を作り、休職、学童保育へ派遣する実態を紹介し、派遣法の抜本改正の必要性を訴えました。
労働基本権を回復せよ!
総務省前要求行動
人事院・厚労省前の霞ヶ関総行動から総務省前に場所を移した要求行動には、約1,000人の仲間が集まり、総務省に対して、「地域主権」改革反対、民主的公務員制度の確立や公務・公共サービス体制の拡充などを要求するとともに、大企業の社会的責任を追及し賃金の底上げなど官民一体の春闘で勝ち取ることを確認しました。
主催者あいさつに立った公務労組連絡会・宮垣副議長は、「『地域主権』改革ではなく、地方財政を国の責任で立て直し、国民の安全・安心を守るための公共サービスの充実・強化こそが求められている。憲法をくらしと行政にいかすため、公務員の労働基本権や政治活動の自由を回復させねばならない」と述べました。
次いで、民間からの連帯あいさつとして全国福祉保育労働組合・清水書記長が「保育所の最低基準廃止や介護労働者の低賃金など、『地域主権』改革や『官製ワーキングプア』は官民共通の課題。状況を打破するため連帯してがんばろう」と発言。続いて情勢報告を行った公務労組連絡会・蟹澤事務局次長は、春闘の現局面にふれ「大企業の免罪を厳しく追及する必要」を強調、公務職場でメンタルヘルス不全が激増している問題にもふれ「増員による公共サービスの確保が必要」と訴えました。
その後、3人(国公労連、自治労連、郵産労)の代表が決意表明を行いました。国公労連の決意表明に立った全労働・小田中央執行委員は「厳しい雇用情勢や『働くルール』が守られないなど労働行政の役割が増大するなか、定員削減や出先の統合が進められている。『地域主権』改革が叫ばれているが、社会的セーフティネットは国の責任で充実を」とのべました。
行動の最後に、総務省に向かい、労働基本権の回復などを求めるシュプレヒコールを行いました。
非常勤の処遇改善、最賃引上げを重点に
総決起集会
10春闘勝利・総決起集会が午後2時15分から社会文化会館で700人が参加して開催されました。
主催者を代表して小田川全労連事務局長は「国民春闘委員会のなかで、中小の組合ががんばっている。要求書の提出から始まり、賃金交渉で成果を挙げつつある。非正規労働者の処遇改善や最賃引き上げが最もするどい対決点になっている。3.18統一ストに50万人が構え、支援・激励体制も強まっている。今後、世論を地域・職場からどれだけ広げられるかが重要だ。本集会を飛躍を勝ち取る場にしよう」と力強くあいさつしました。
次に、公務労組連絡会の黒田事務局長から闘争報告として、(1)公務労働者の賃金改善で、3月末の最終回答にむけとりくみを強めているが、政府は人勧尊重等の従来姿勢で不満だ。政府はデフレ回復を優先課題としていることからも、賃上げが不可欠でますます道理をもってきている。(2)4月から事業仕分け第2弾が始まり、出先機関廃止、大幅な定員削減と一体で公務員制度改革の動きが強まっているが、まずは公務員に労働基本権を返せと強く要求していく。(3)地域総行動で対話と共同を広げ、3.18ストに立ち上がる民間の仲間を支援・激励していく、などの報告がありました。
続いて、各単産(国公労連、自治労連、全教)から、独自課題で市民一体のたたかいが展開されていることや、非正規をはじめとした公務労働者の賃上げ闘争を強めていることなどが決意も含めて、それぞれ報告がありました。また、民間の仲間を代表して、全国一般の鈴木副委員長からも、「公契約運動に重点をおいている。公務員賃金が下がり、それに連動して民間も引き下げられているが、公務と力を合わせてがんばりたい」と決意が表明されました。国公労連からは岡部書記長が、全国に組織をもっている公務労働組合として責任を持って運動を進めるとしたうえで「国公労連は1992年からビクトリーマップの運動を進めてきているが、今春闘で内部留保が焦点になっている。大企業・財界のアキレス腱になっている」と述べ、さらに「国公労連は特に非常勤職員の処遇改善の力を入れ、抜本的な改善にむけとりくみを強める。また、社保庁職員の解雇撤回を産別あげてたたかい抜く」と決意を表明しました。
最後に、公務労組の野村副議長から閉会あいさつと団結がんばろうで集会を締めくくりました。
国会請願デモ
更に独法課題で国会議員要請も
続いて国会請願デモにうつりました。デモは赤坂見附→ため池→首相官邸前→衆参議員面会所前→旧永田小学校前のコースです。あいにく雨が降り始めましたが、ビル街にシュプレヒコールを響かせて行進しました。
更に、デモ終了後は独立行政法人の課題で国会議員要請行動が4時30分から行われました。
各単組は16の独法の業務の重要性を述べたパンフレットを持って議員会館の各議員室を訪ね、衆参の全国会議員720名へ要請を行いました。
なお、この日は早朝8時30分から全労連・国民春闘共闘主催で「労働者派遣法抜本改正」早朝宣伝行動が新宿駅西口で行われ、国公労連から代表が参加しています。また「安心年金つくろう会」による宣伝行動が新宿西口で午後5時30分から行われ、各単組からは代表参加しました。
3.4中央行動として午前中に交運共闘による集会が明治公園で開かれ、車両デモも行われました。
以上
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