国公労連は7月28日、全労連、国民春闘共闘、国民大運動実行委員会に結集し、不況打開、最低賃金引き上げ、公務員賃金改善などを求める夏季闘争勝利7.28中央行動を展開しました。この行動には全体で2000名の官民の労働者が参加。国公労連からは全国から約400名の仲間が結集しました。
参加者は、真夏の太陽のもと蒸し暑い中、「賃上げでこそ景気回復」「正規も非正規も賃金改善・均等待遇!!『マイナス勧告』を許すな」と書かれたうちわを力強く振りかざしながら、霞が関を中心に元気よく行動しました。
この中央行動には、長野県国公・公務労組と宮城県国公が貸し切りバスで駆けつけるなど、全国のブロック・県国公の仲間のノボリ旗がなびきました。
公的年金制度を守れ!社保庁職員の分限免職撤回を
安心年金つくろう会、国公労連が厚労省前要求行動
11時から安心年金つくろう会、国公労連の主催で「公的年金制度を守れ、旧社保庁職員の分限免職撤回」厚労省前要求行動を行いました。
主催者あいさつに立った日本年金者組合の篠塚委員長は、「社会保険庁が廃止され日本年金機構が発足されてから、国の責任で解決すべき年金問題が営利追求の民間企業に委ねられている。経験豊かな職員が不足し、記録問題の解決が進まない。公的年金を守り抜き、分限免職を撤回させるよう最後まで頑張ろう」と呼び掛けました。
続いて情勢報告に立った全厚生の飯塚委員長は、「日本年金機構は1月〜6月までに約1万人を採用したが、そのうち4分の1の人が業務について行けず退職している。1,200人もの欠員を抱える中、利用者からは窓口の待ち時間が長い、記録問題の解決が進まないなどの苦情が多く寄せられている。業務に習熟しながら不当解雇された職員の復帰が急務となっている。京都で裁判をおこしており、人事院への不服審査と裁判とを並行してたたかっていく。この闘争は、全ての労働者の働くルールを守るためにも重要なとりくみだ」と、10時から行った厚生労働省への申し入れ行動にも触れ、闘争への支援を訴えました。その後、婦団連の榎本事務局長と自由法曹団の近藤弁護士からの連帯のあいさつがあり、続いて全厚生闘争団の國枝さんと全厚生年金機構本部支部の木立さんが、社保庁不当解雇撤回に向けてたたかう決意を表明しました。
なくせ貧困!最賃大幅引き上げ、国民本位の予算実現を
日比谷野音で総決起集会
昼の日比谷野外音楽堂の行動は、生協労連・パートの仲間がオープニング・アクトとして、「最賃替え歌」を披露。開会では、全労連の大黒議長が主催者を代表した挨拶を行い、参院選後の政治情勢を整理しながら「貧困と格差を生む大企業中心社会の転換を」と呼びかけました。
各団体の決意表明では、国公労連・中部ブロック国公の丹羽事務局長が、「人事院は『民間準拠』ばかり口にし、政府の『総人件費2割削減』政策の推進勢力になってしまったのか」と、話の途中に合の手を求めながら元気に演説。「公務が下がれば民間が下がるといった『負の連鎖』を断ち切るためにも、最低賃金の大幅引き上げと公務員賃金の底上げを、みなさんと一緒に進めていきましょう」と呼びかけると、会場から「そうだ!」の合いの手があがりました。参加した単組と県国公が団体旗を持ち、中部ブロック国公と宮城県国公なども要求を書きこんだタペストリー横断幕をもって登壇しました。
長野公務労組連絡会の須藤議長(長野県国公議長)も決意表明を行い、バス2台を仕立てて上京したことを述べ、「政府の総人件費抑制路線に対し、学習・結集・行動で対抗する!」と力強く訴えました。自治労連は、官製ワーキングプアの低賃金ぶりを実態報告し、最賃引き上げと臨時・非常勤職員の職遇改善を訴えました。
民間にも影響する賃下げ勧告許すな!
人事院・厚生労働省前要求行動
13時からは、厚生労働省・人事院前行動を展開しました。主催者あいさつを行った小田川事務局長は、世界の先進諸国の財政再建・経済立て直しの方向と、日本のやり方に大きな違いがあることを紹介。50歳代後半職員に対する賃金切り下げ勧告を狙う人事院勧告を批判し、「問題点を世論に訴え、要求実現めざしたたたかいを続けよう」と呼びかけました。
全労連公務部会の秋山事務局次長は、午前中に行われた国公労連と人事院との交渉をふまえ、情勢報告。「年齢を理由にした賃下げ差別は許されない」と抗議し、非常勤の処遇改善の必要性と、民間にも影響する賃下げ勧告とたたかう決意を述べました。
リレートークでは、旧社会保険庁の解体による不当解雇撤回を京都地裁に提訴した中本邦彦さん(全厚生闘争団原告)が、国民の年金を守るためにたたかう決意を表明。自治労連・名古屋市水道労組からは、乱暴な市長のもと独自の賃金カットで公務労働者が苦しめられていることが、埼労連・埼玉土建からは、仕事が入らず生活ができない様子や、型枠大工が時間報酬500円のワンコイン大工になっていることなどが報告されました。民間単産からは全労連・全国一般が、公務公共サービスで働く、民間の委託労働者が、官製ワーキングプアとなっている実態を告発、最賃・公契約の運動強化を訴えました。
総務省、財務省、公務員制度改革推進本部前要求行動
14時からは、各省前要求行動を行い、総務省、財務省、公務員制度改革推進本部、厚労省と要求課題ごとに、省庁前に参加者が行動展開し、要求をぶつけました。
総務省前要求行動では、全港建の山川書記次長、全建労の浅野中央執行委員が「地域主権改革」反対、非常勤職員の均等待遇実現など職場実態をふまえて具体的に訴えました。財務省前要求行動では、全経済の廣澤書記長が独立行政法人の業務遂行に欠かせない運営費交付金の増額を訴えました。公務員制度改革推進本部前要求行動では、労働基本権回復、民主的公務員制度の確立を求め、宮垣副本部長が主催者あいさつ、全法務の浅野書記長が決意表明しました。
15時からは、日比谷公園の中幸門から、銀座パレードに。猛暑と強い日差しに照らされながらも、強い風を受けて、鍛冶橋まで意気高く、要求をアピールしました。
財務省政務三役に要請「きちっと交渉を行え!」
要求行動終了後、財務大臣あての「独立行政法人、国立大学法人の運営費交付金の増額など行政サービスを求める」要請書とともに1,140の団体署名を財務省に提出しました。
あわせて、民主党政権発足以降、財務省との交渉・協議が政治主導の名のもとに政務三役対応が原則とされ、適法な交渉申し入れであるにもかかわらず交渉が実現していないこと関わって、是正を求める申し入れをおこないました。
また、財務省への要請書提出に先立って、政務三役に対して、国会議員会館を訪ね同趣旨の要請をおこないました。
人事院に署名と決議、ハガキを提出
公務労組連絡会は同日、人事院に対し「2010年人事院勧告にむけた要求署名」「臨時・非常勤で働く職員・教員の労働条件改善を求める要求ハガキ」等の提出行動をとりくみました。
○「2010年人事院勧告にむけた要求署名」206,058筆(国公39,729筆)
○「公務員給与の改善を求め、50歳代後半層の給与削減に反対する職場決議」4,380団体(国公1,400団体)
○「臨時・非常勤で働く職員・教員の労働条件改善を求める要求ハガキ」31,905通(国公16,093通)
「総対話MAP」「安心年金つくろう会」の宣伝を展開
国公労連は7.28中央行動の最後のとりくみとして16時30分から18時まで「総対話MAP運動」宣伝と「安心年金つくろう会」宣伝の2つの行動を東京駅丸の内北口周辺で連鎖的に実施し、ビラ各1000枚を通勤帰りのサラリーマンなどへ配布しました。国公労連本部、9ブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄)・3県国公(東京・千葉・宮崎)、10単組(全厚生闘争団員含む)など60人が参加しました。
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