「核兵器のない平和で公正な世界」を求めて、原水爆禁止2010年世界大会が広島で開催されました。今年の大会は、5月のNPT再検討会議におけるニューヨーク行動や、潘基文国連事務総長、ルース米日大使などが初めて平和記念式典に参列するなど、核兵器のない世界への次のステップとなる重要な大会となりました。8月4日に開かれた広島における開会総会には、全体で7400名(主催者発表)が参加。冒頭の主催者あいさつで、当日午前まで開かれた国際会議で採択された宣言(被爆65年―被爆者とともに「核兵器のない世界」への行動)が紹介され、来賓として日本被団協の坪井代表理事、秋葉広島市長があいさつしました。また、各国政府代表や国内外の平和運動代表等々が舞台に登壇して紹介されました。同日夕方には、世界大会において初の「労働者国際交流集会」が開かれ、予定時間をオーバーするほどの熱弁が繰り広げられました。
2日目となった5日には、19の分科会が広島市内の各所で開かれ、午後4時からは、国公労連主催の「国公労働者平和のつどい」が開催されました。3日目となった6日は、閉会総会(ヒロシマデー集会)が開かれ、国連代表があいさつしました。
「国公労働者平和のつどい」 会場いっぱいの65人
世論と運動で核廃絶は実現できる!
8月5日午後4時から開催した「国公労働者平和のつどい」には、会場がいっぱいとなる65人が集いました。冒頭、国公労連の阿部副委員長の主催者あいさつに続いて、NPT再検討会議におけるニューヨーク行動にも参加した広島県被団協の大中伸一事務局次長による講演、DVD(「ニューヨーク国際行動の記録」)の上映、国公からのニューヨーク行動参加者からの発表がありました。
大中さんは、パワーポイントを使いながら、いま現在も世界中に22300発もの核兵器が存在することや、今年5月のNPT再検討会議が全会一致で最終文書を採択できたことは前回のNPTで何も決められなかったことなどをふまえると、大きな意義があったことが述べられました。
また、この会議でがんばったのは唯一の被爆国である日本政府ではなく、潘基文国連事務総長や国連軍縮部、スイス、オーストラリアなどの外国政府であり、NGOだったことなども語られました。さらに、一度武器を持つと、もっと強力な武器がほしくなり、その究極が核兵器であることが話され、核廃絶は容易なことではないが、世界の世論と運動を高揚させれば必ず実現できることや、そのためにも若い世代の人が学習し、運動に参加することを要請して講演を締めました。
閉会総会〈ヒロシマデー集会〉には8000人が参加
―広島決議(広島からのよびかけ)を採択―
広島大会最終日の8月6日午前10時30分から閉会総会〈ヒロシマ集会〉が開かれ、開会総会を上回る8000人が参加しました。
はじめに、国公労連の阿部副委員長を含む4人の総会議長が選出され、冒頭に潘基文国連事務総長からのメッセージが読みあげられました。メッセージは、広島市、長崎市など全国144の自治体から届いていることも紹介されました。セルジオ・ドゥアルテ国連代表のあいさつ、日本山妙法寺と日本青年団協議会からの連帯あいさつがあり、韓国人被爆者、エジプトなどの政府代表者と続きました。そのほか、きたがわてつさんとアメリカのアンドレーさんによる平和の歌声など、会場は大きく盛り上がり、平和を願う声が響き渡りました。
最後に、原水爆禁止2010年世界大会−広島決議(広島からのよびかけ)が朗読提案され、全体の拍手で確認しました。今回の世界大会は成功をおさめたNPT再検討会議での最終合意文書では、核兵器を廃絶するための「枠組みを確立する特別なとりくみ」を核保有国とすべての国に求めています。そして2020年までに「核兵器のない世界」をつくるという目標を達成するために、次に求められているのが、その実現のための具体的行動です。採択された決議には、「核兵器のない世界を」署名にとりくみ、強固な世論を構築することや、核の傘からの脱却を日本政府に迫ること、「抑止力」論を打ち破る学習や国民的議論を巻き起こすことなどが掲げられています。
以上
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