爽やかな秋晴れのもと11月18日、全労連、国民春闘共闘、国民大運動実行委員会、公務部会の「なくせ貧困、守ろう暮らし、国民本位の行財政実現、公務・公共サービス拡充」を求めた官民共同の中央行動が、霞が関一帯で展開され、官民あわせて3500人(国公労連約600人)の労働者が結集しました。
この中央行動にあわせ、国公労連は同日、衆参の全国会議員に対する「地域主権改革」に関する要請を行いました。
中央総決起集会(日比谷野音)
国民的共同で菅内閣の悪政にストップを
12時10分からの日比谷野外音楽堂での中央集会には、3500人が参加しました。大黒全労連議長は主催者あいさつで「深刻さを増す国民生活と大企業の異常な金余り状況の中で、菅内閣は突然PTT協議を開始しようとしている。公務員人件費削減では、地域主権を目玉にして、国民を分断しつつ、ナショナルミニマムの崩壊を狙っている。春闘に向けこうした動きに対し広範な国民的共同で反撃を広げよう」と訴えました。
リレートークでは、沖縄統一連・沖縄県労連の代表が「沖縄知事選は、沖縄と日本の将来がかかった重要な選挙であり、平和と暮らしを守る県民の会の『イハ洋一』前宜野湾市長の勝利にむけ全力を尽くす。全国の仲間の支援を」訴えました。また、フランスCGT(労働総同盟)代表から「フランス政府の年金改革法に対しては徹底して反対していく」と連帯のあいさつがありました。決意表明で「規制緩和による交通運輸労働者の労働条件悪化で、安全運行が危険にさらされている」(交運共闘)、「TPP参加は日本の農業を壊滅させるだけでなく、雇用への影響も含め、百害あって一利なし」(農民連)、「看護師、介護労働者など医療関係労働者の3倍増員と社会保障費増額に取り組む」(医労連)などの発言が相次ぎました。
最後に、沖縄知事選勝利、社会保障拡充、国民生活本位の政治の実現を求めるアピールを採択し、全員のシュプレヒコール、団結ガンバローで全体集会は締めくくられました。
働けばまともに暮らせる雇用を
霞が関包囲行動〜厚生労働省前行動〜
本中央行動の皮切りとして、11時15分から厚生労働省前要求行動が実施されました。最低賃金改善、建設・運輸労働者の賃金改善、医療・介護の充実などを求めて、隣の人事院本院の角まで人が溢れるほど、官民の労働者が結集しました。
冒頭、主催者を代表して全労連の伊藤潤一副議長は「この間、景気の後退するなか、製造業、印刷業の倒産、建設産業では仕事がないことから自殺に追い込まれている組合員がいる。下がり続けている労働者の賃金など、原因を作ってきたのが、あいつぐ『労働法制の改悪』だ。また、低賃金、雇用の不安定などワーキングプアを生み出し、一時金まで大幅に削減されている。これらを打破するためには、すべての労働者の賃上げや均等待遇をおこなう必要がある。」とあいさつしました。
続いて、日本医労連、建交労、自交総連、生協労連から決意表明があり、いくら働いても貧困から抜け出せない労働者の生活実態や雇用の悪化など、深刻な状況が続いていることがこもごも語られました。最後に、厚労省に向かってシュプレヒコールを行い、行動を締めました。
働きつづけられる職場環境の実現を
霞が関包囲行動〜人事院前行動〜
2時25分から、高齢期雇用に向けて働き続けられる職場環境の実現と高年齢層の給与引き下げ反対、社保庁職員の分限免職撤回などの要求課題を掲げ、人事院前要求行動が行われました。
冒頭、公務労組連絡会山口議長から「日本の民間・公務員賃金は下がり続けている。一方大企業は内部留保をため込んでいる。こんな国は他にはない。『賃上げでこそ景気回復を』の要求を掲げてたたかおう。社保庁の分限免職は二重処分禁止に反する違法な解雇である。断じて許せるものではなく、人事院は正当な判断をすべきである。」などと強く訴えました。
続いて公務労組連絡会の秋山事務局次長(国公労連書記次長)から「給与法の国会審議で給与引き下げの法案を次期通常国会へ提出することに抗議をする。定年延長を勝ち取り、働き続けられる職場環境実現に向けて奮闘しよう。社保庁の分限免職撤回の運動は全国各地で広がっている。そのことに確信を持ってたたかいを進めよう」と情勢報告を行いました。そのあと、自治労連、全教から決意表明があり、国公労連を代表して全労働の九後中央執行委員が高齢期雇用に関連して「公務の職場は定員削減などで過酷な状況が広がっている。人事院は、同じ仕事をしていても給与は相当程度引き下げるとしている。高齢期に入ってもがんばれる職場、若い職員も展望を持てる職場を実現するため奮闘する。」と決意を述べました。
続いて全厚生闘争団の北久保さんから訴えがあり、最後に人事院にむかってシュプレヒコールを行いました。
「社保庁職員の雇用と身分確保を」
「定年延長に要求ひとこと」
人事院へ要求書、署名提出
行動終了後に「社保庁職員の雇用と身分の確保を求める要請書」(20,000筆)及び「定年延長要求ひとこと寄せ書き」(987枚)を人事院に提出しました。提出には、全厚生闘争団及び各ブロック国公代表者11名が参加。定年延長に関連して「職場では仕事と処遇がどうなるか関心が高い。働き続けられる制度にしてもらいたい」などを訴えました。人事院の井上主任職員団体調査官は「みなさんの声は受け止め関係部署に伝えたい」と対応しました。
住民犠牲の「地域主権改革」反対
公務労働者の賃金・労働条件改善せよ
霞が関包囲行動〜総務省前行動〜
2時25分からの総務省前では、住民犠牲の「地域主権改革」反対、公務・公共サービスの拡充、公務労働者の賃金・労働条件の改善などを求めて行動がとりくまれました。
公務労組連絡会の野村副議長が情勢報告をかねて主催者あいさつ。地域主権改革の本質にも触れながら、「国民に対する国の最低限の保障をも放棄して、国民を犠牲にするものであり、政府のねらう地域主権改革を放置するわけにはいかない。今こそ公務労働者が公務サービスを担っていくことが重要であり、自分たちの仕事を大いに語り、国民世論を大きく広げていこう」と訴えました。
新日本婦人の会と日本医労連からの連帯あいさつのあと、国公労連(全建労)、郵産労、自治労連埼玉県本部の代表が決意表明。全建労関東地本の坂上委員長が、自らの事務所の職場実態と住民への影響を告発し、「昨年秋の事業仕分けによる直轄河川の維持管理予算削減の結果、『除草していないので虫が湧いてくる』など沿川の住民・利用者の住環境水準低下に対する苦情や要望が激増している。職場から国民生活にかかわる具体的な影響を明らかにして、『地域主権改革』の問題を世論に訴えていく」と訴えました。
国公労連、「地域主権改革」で国会議員要請
40人を超える議員らと直接面談、高木文科大臣とも
国公労連は、国会請願デモ終了後に「地域主権改革」に関する国会議員要請を実施しました。
ブロック・県国公は事前の地元事務所訪問でアポの得られた国会議員との面談をはじめ、要請行動に終日奮闘しました。面談した数は40人以上にのぼりました。なかには文部科学大臣の高木義明議員(衆:長崎)との面談も実現しました。同大臣は面談のなかで「要請の趣旨についてはわかった。私ひとりでどうこうできないが、もらった資料にも目を通して考えていきたい」と回答しました。
以上
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