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国公労連速報 2011年3月24日《No.2506》
稚内市、立山町議会で意見書採択――
「総対話MAP運動2010」北海道国公、富山県国公が奮闘
     
 

 

 2011年春闘では「総対話MAP運動2010」の継続・発展を追求することとし、大きな柱として地方議会での意見書採択と各県国公オリジナル国会請願署名をとりくんでいます。
 稚内市(北海道)と立山町(富山県)の3月議会で意見書が採択されましたので紹介します。

 稚内地区国公の奮闘で意見書採択

 全法務、全運輸、全気象、全労働が結集する稚内地区国公は、先の12月議会につづき3月議会でも稚内市議会への要請などを粘り強くとりくみ、意見書採択を勝ちとりました。(意見書:別添1)
 先の12月議会で意見書が採択された旭川地区国公、千歳地区国公につづき、北海道の地区国公で3カ所目の意見書採択です。北見地区国公などのとりくみでも、審議未了となったものの議員などから好感触を得ています。4月議会でも引き続き奮闘します。

 県国公、全労働、全建労の三者連名で意見書採択

 富山県国公では、昨年12月に閣議決定された「アクション・プラン」において直轄国道、直轄河川、公共職業安定所(ハローワーク)が名指しされたことを受け、県国公、全労働富山支部、全建労北陸地方本部の三者連名で、職場が所在する9つの地方議会に対して要請などをとりくみ、立山町議会で意見書採択を勝ちとりました。(陳情書:別添2)



[別添1]

住民の安心・安全を支える行政サービスの拡充を求める要望意見書


 雇用問題を始め、医療・年金・貧困など様々な社会不安が増大している今、国の役割が重要となっています。国民・住民の安心・安全を守るため、行政体制を拡充することが求められており 公務員の果たすべき役割は拡大しています。
 しかし、日本の公務員数は、先進緒国と比較して著しく低い水準にあることは周知の事実です。さらに、国家公務員には連年の定員削減と行政改革推進法による定員純減の施策が行われ、公務職場は慢性的な人員不足で行政サービスに支障をきたしています。安心・安全のセーフティーネットを再構築するため、公務職場に必要な人員を確保することが必要です。
 また、「地域主権改革」の名のもと、国は直接責任を持って行う行政サーピスを放棄し、地方支分部局の原則廃止を行おうとしています。このことは、単に公務員を減らし、地方自治体に国の責任を押しつけるだけでなく、「地域住民が自らの判断と責任において、地域の諸課題に取り組む」として自己責任を強要するものです。さらに、ひも付き補助金の一括交付金化は、地方自治体による使途の自由度が拡大されるとしています。社会保障・義務教育費関係については、全国画一的な保険・現金給付に対するものは対象外とすることが検討されていますが、ひも付き補助金の大半を社会保障費・義務教育費が占めています。国家財政難の中で社会保障・教育関連の予算が削られる可能性は否定できません。本来、国が果たすべき全国的な最低基準・保障の行政サービスさえも滞ってしまう恐れがあり、住民生活に支障を来すばかりか、地域間格差をいっそう拡大してしまいます。
 独立行政法人の原則廃止を前提にした抜本的見直しも、国に代わって国民生活や社会経済の安定等を公共上の見地から行ってきた行政サービスに支障をきたすことが危倶されます。
 よって、政府におかれましては、国家公務員の定員削減計画や国の出先機関および独立行政法人の原則廃止・地方移管・民営化等を行わず、行政サービスを拡充するとともに、下記事項を実現するよう強く要望します。


 1.「地域主権改革」の名の下に、国の責任放棄によって行政サーピスの低下を招くことのないようにすること。
 2.国の出先機関改革にあたっては、廃止、地方移管を前提としないこと。
 3.住民の安心・安全を支える行政サーピスの拡充をはかるため、必要な人員を確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成23年3月10日
 稚内市議会

 提出先 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣



[別添2]

地方住民の安心・安全を支える行政サービスの拡充を求める陳情書


立山町議会
議長 窪田一誠 殿

富山県国家公務員労働組合協議会
全労働省労働組合 富山支部
国土交通省全建設労働組合 北陸地方本部 立山支部

 陳情趣旨

 昨年12月28日、政府は「アクション・プラン-出先機関の原則廃止に向けて」(以下アクション・プランを閣議決定しました。アクション・プランは出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲することとし、その枠組としての広域実施体制の法案を平成24年の通常国会に提出、平成26年度中の事務・権限の移譲を目指すとしています。
 その中で、主に都市部の自治体が特に要望してきた一般国道と一級河川、公共職業安定所(ハローワーク)を名指しして事務・権限の移譲を提起し財源の移譲、人員の移管に関わる必要な措置、仕組を検討・構築する、などとしています。アクション・プランでは、名指しした国道や河川の移管について、「広域的に移動する道路利用者の観点に留意する」、「河川管理は国民の生命財産に影響を与えかねないものであることに留意」、「関係市町村長意見を聞く」と留意点も表明しています。
 また、公共職業安定所については、労働政策審議会が意見表明しているとおり、国が責任をもって直接実施することによって機能的にその役割を発揮できるものであり、地方移管では国民の勤労権が阻害されてしまいます。
 雇用問題をはじめとして、医療・年金・貧困など様々な社会不安が増大しているなか今、国・地方行政の役割が重要となっています。国民・住民の安心・安全を守るために行政サービスを拡充することが必要です。「地域主権改革」の名のもとに、国が直接責任を持って行う行政サービスを放棄し地方支分部局の原則廃止を行うことは、地方自治体に責任を押しつけるだけでなく、「地域住民が自らの判断と責任において、地域の諸課題に取組む。」として、自己責任を強要するものです。国の責任放棄は許されません。
 つきましては以下の項目について、国に対して要請していただくようお願い致します。

 要請項目

@ 「地域主権改革」の名の下に、国の責任放棄によって行政サービスの低下を招くことの無いようにしてください。
A 国の出先機関改革にあたっては、廃止・地方移管を前提としないでください。
B 住民の安心・安全を支える行政の拡充をはかるため必要な人員を確保してください。
C 国民の生命・財産を守るために必要な公共事業については、引き続き国がその責任において実施することとし、国土交通省の富山河川国道事務所、黒部河川事務所、立山砂防事務所、利賀ダム工事事務所及びその出張所を廃止しないこと。
D 職業安定行政は国が直接責任を持って実施し、ハローワーク富山、ハローワーク高岡、ハローワーク魚津、ハローワーク砺波、ハローワーク氷見、ハローワーク滑川、ハローワーク小矢部の地方移管を行わないこと。


以上

 
 
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