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国公労連速報 2011年4月4日《No.2515》
東日本大震災対策ニュースNo.12
全労働が岩手、宮城、福島、茨城へ被災地支援・救援物資搬送
     
 

 

【全労働発】
 3月30日〜4月2日の間、中央執行委員が岩手、宮城、福島に現地入りしています。31日時点でのそれぞれからの報告をお伝えします。また、31日に本部および千葉支部が茨城支部に必要な物資を運んだ際の報告も掲載します。

 ◆岩手支部

 大船渡の津波による破壊は甚大です。鉄筋コンクリートのビルが軒並み破壊されています。水路にぐしゃぐしゃになった自動車が何十台も折り重なって取り残されていて近寄ることもできない様子です。
 大船渡署の職員2名が家を流され、署に寝泊まりしています。この点にかかわっての要求が総意として示されました。新しい話では、「労働安全衛生関係の免許の再発行に係る対応が必要」との指摘はもっともと言えます。やや大きい余震があり、来庁者を誘導し外に出る一幕もあり、職員の緊張がとれない状況です。
 大船渡所(8人所)ではほぼ全員が参加する職場集会を開いてもらいました。毎日深夜まで勤務しており、大船渡市役所では、ばたばたと職員が倒れる様子を見ながら、人ごとではないと職員が不安を持っています。システムの復旧が遅れる中、早急な対応が職場の要求です。保険関係の入力を他所で代行(職員が運んでる)しており、確認については、紙ベースでのデータ照合や、離職票の作成などすべて夜中に手作業で行っています。もちろん、紹介業務は不能です。身内を失うも3食カップラーメンで泊まり込み状態の分会員もいます。一人も欠かせないという状況が続いており、「休ませてあげたい」の一言に尽きます。コピー機が古くまともに動きません。周知のビラ等の増刷も支障をきたしており、早急に新しいものが必要です。(31日に、本部から岩手支部書記局および宮古署所にマスクを発送しました。)

 ◆宮城支部

 気仙沼は壊滅的な状況です。気仙沼所は、3月20日から市役所1階に相談窓口を開設しています。開庁時間は、9時から15時ですが、それ以降も10人以上が待っている状態です。市役所1Fのスペースは狭く10人程で一杯になってしまい、これでは4月以降は大変です。仮設庁舎の設置等、スペース確保を本省に強く働きかける必要があります。電話は宮城局から携帯電話2台が配付されていますが足りず、個人携帯電話を使用して対応しています。官用車が流され、仙台所の官用車を1台借り、毎日近隣所である迫(はさま)所に片道2時間かけて通いながら受付入力処理を行っています。官用車が受付入力処理のために使用されているため、旧本吉町、南三陸町の非難住民の失業認定ができないない状況です。リースも含めて官用車が2〜3台必要です。職員の出勤状況は、10名中9名が出勤(1名は育児休業中)。非常勤14名のうち3名が避難所から通勤しています。職員6人が宿舎が使えず自己負担でアパートを借りて入居しており、費用負担をどうにかできないか対応が必要です。超過勤務、休日出勤も行っており、予算の確保等が必要です。家財道具が全て流された職員も多く存在します。
 塩釜所職員は15名が全員、自宅から通勤しています。電車が全く使えない状況で職員は車の乗り合いで通勤していますが、ガソリンが不足しています。地盤が悪く、玄関先の入口に段差が生じてしまい、早急に改修が必要です。電気、水道は通じていますが、ガスは復旧していません。トイレの配管が壊れているので、駐車場に仮設トイレを4つ設置しています。業務面では、事業主から解雇、休業の相談が増えています。事業主としては、休業手当を払う体力がないので雇用保険の特例措置をしたいとの意向が強いが、受給権は被保険者の権利なので強制できず窓口で悩んでいるとのことです。中小企業向けの貸付制度等、トータルでどのような救済制度があり、その中で事業主がどれを選べば良いのかが行政機関毎に様々なので、簡単な一覧があれば、現在の状況にマッチするものと思われます。超過勤務、休日出勤も行っており、予算の確保も必要です。
 石巻署は12人署。非常勤職員7人のうち3人が自宅から通勤できず親類宅から通勤しています。石巻署所は合同庁舎内にあり、水道・電気は通っていますが、ガスは復旧していません。今後、労災請求等の相談は急増が見込まれます。
 石巻所では、ボールペンや鉛筆など物品がなく、局には要請するものの品薄で入荷出来ない模様です。隣が避難所で、毎日お昼に炊き出しをしているとのことです。職員はほぼ出勤できていますが、非常勤職員は半分程度の10名が出勤(うち5名は避難所暮らし)。乗り合わせて通勤していますが、ガソリンが不足している状況です。早急に応援が必要です。ハローワークシステムは半分程が使用できず、労働市場センターに要望していますが、復旧の見込みは不明です。雇用保険の給付の共有端末が使用できない状況です。官用車が1台流されリース車としていましたが、3月31日でリース契約終了。通勤手当は持ち出しがあるため、自己負担分をどうにかしてほしいとの要求があります。震災当日、外部会場で雇用保険の説明会を実施していた最中に地震が発生し、説明会担当職員が、受給者を避難させ、最後に逃げようと思っていたところ津波押し寄せ、建物の4階に逃げて24時間外部と連絡とれなかったという職員もいました。

 ◆福島支部

 相馬署の職員2人が入居する宿舎が津波の被害を受け、被災後、布団を持ち込んで職場に泊まり込んでいる状況です。職員は全員出勤、相談員は一部避難しています。ガソリンは並んで3千円分がようやく手に入る状態です。業務では監督職域がフル回転しています。事業ができないが、解雇予告は除外されるのか、休業手当を支払う必要があるかといった相談内容が中心であると思われます。「20〜30キロ圏内の取り扱いが、政府は安全と言いながらはっきりしない。どのように対応するのか」、「本省でマニュアル等を作成できないか」、労災では「勤務時間中であるならば業務上とされるが、たとえば、職場と離れた場所の親を助けに行って被災したケースなど、業務外とされると心情的にやりきれない」。職場からは、落ち着いてから電離放射線の検診を受診したいとの要求が寄せられています。ポケット線量計が局から1台届き、記録している状況です。
 相双所相馬出張所の宿舎入居の職員とも面談し、宿舎をめぐる状況を聞きしました。当該職員は震災後宮城の実家に身を寄せ自動車通勤しています。相馬所の職員についても、ガソリンの調達に苦労している状況です。離職票を持たず、雇用保険給付の問い合わせに来る者が非常に多く、1件当たりに相当の時間を要しています。事業所も大量の離職票用紙を受け取って帰るところがある一方、確認書類がない中、職員がかかりきりで離職票作成を支援しており、これにも時間を要し、所は多忙を極めています。証明書類が何もない事業主からの相談も多数に上っています。事業主の自主申告のほか、集められる限り標準報酬月額などの資料を集めて対応しています。利用者は来庁から退庁まで概ね3〜4時間かかっている状態ですが、職員も最大限努力している姿が見えるため、苦情等はありません。所長、分会長の話では、窓口業務が急増したのは22日からということです。職場の体制は、相双本所職員も相馬に出勤しており、ほぼ全員出勤の体制であたっています。相談に時間がかかるため、後の事務処理には22時頃までかかるのが実態です。今後の応援派遣の対応では、宿舎の確保が困難となっています。相馬市内のアパート等は避難者対策ですべて押さえられているため、物件がなく、労働宿舎に3戸の空きがあるとも聞いていますが、かなり不便な場所です。応援に関しては、雇用保険の業務ができる即戦力に来てもらいたいとの要望が出ています。大量離職が多数発生して離職票の用紙が不足し局からの送付分もいつまで持つか、コピー用紙もなんとかやりくりしてきたが心配との声が出ています。生活面では、飲料水への不安が職員の中にあり、飲料水の支援はありがたいと話していました。

 ◆茨城支部

 現在、茨城県内のライフラインはだいぶ復旧していますが、県北は交通手段がまだ回復しておらず、車により通勤している方のガソリン代の負担がかかっています。県南は、神栖、潮来周辺が依然として断水の状況が続いており、水の配給が勤務中のため並べない状況で、組合が訪問し状況の把握を行っていることや、持参した水について感謝されました。労働局が状況確認にこない中、「なぜ、現場の状況を考慮した人事異動の凍結をしなかったのか」など、不満の声が寄せられました。
 高萩所では、「マスクが品薄である」(本部から一定送付)、「交通手段がなく、車で通勤している職員のガソリン代の負担が大きい」といった声がありました。
 日立所は、庁舎の周りが10センチ程度陥没しており、「庁舎の耐震性などの説明がないので心配」「日立製作所の休業から、雇調金の申請が増えると予想されるが体制が心配」との意見が出ました。体調不良者が発生しており、本人だけでなく家族の方が入院しているなどの状況もあるようです。午後9時から10時までに及ぶ恒常的な残業が発生している状況です。

 ※今後も、15時を目途に状況を集約してニュースを発行します。各単組・職場や各県国公の状況やとりくみなどの情報を国公労連へお寄せください。

以上

 
 
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