国公労連は、4月6日に地域主権戦略室に対して瀬谷行革対策部長を責任者に高木中執、九後中執の3名で、「地域主権改革」に関する申し入れを行い、秀嶋参事官が対応しました。
4月の異動で担当参事官が交代したため、瀬谷部長は冒頭、今後も引き続き意見交換の場を設けるよう求め、秀嶋参事官が了承しました。
つづいて、「アクション・プラン」推進委員会に置かれた各チームから、全国知事会などに対して出されている意見照会の状況を確認したところ、政府の判断次第と前置きをしつつも、国も地方自治体も震災復興を第一に掲げている情勢から、予定どおりのスケジュールにはならないのではとの見識が示されました。
その後、申し入れ書(別添)を提出し、「地域主権改革」に係る検討作業の中止などを求めました。
以上
〈別添〉
2011年4月6日
内閣総理大臣(地域主権戦略会議議長) 菅 直人 殿
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 片山 善博 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 宮垣 忠
「地域主権改革」に関する申し入れ
3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、その甚大な被害は岩手県や宮城県、福島県をはじめとする広範な地域に及んでいます。いま、被災者の救援や現地の復旧・復興に向けたとりくみが懸命に進められ、支援は全国各地に広がっています。
国の出先機関で働く職員は、自らの被災をも顧みず、被災者救援や被災地での行政施策を遂行するために精一杯がんばっています。また、本省と出先機関が一体となって現地派遣などの被災地支援に全力でとりくんでいます。一方、当該の県や市町村でも安否確認などに奔走しているところですが、この間の市町村合併や人員削減などにより、その作業は思うに任せない状況となっています。
今回の大地震は、犠牲者や被災者の数でも、損害額や被災面積においても戦後最大の未曾有の災害をもたらしています。まさに日本の社会のあり方そのものを問うものであり、国と県、市町村が一体となって被災者救援、被災者の生活再建や被災地の復旧・復興に全力をあげなければなりません。
政府はこの間、「地域主権改革」を声高に主張し、国の出先機関の原則廃止と地方移譲、地方の自己責任にむけた検討を進めてきました。しかし、今回の大震災が明らかにしていることは、国民の命を守り、安心と安全を確保するためにも、国と地方の双方の責任と役割が不可欠であることです。
とくに政府は、阪神・淡路大震災での教訓も生かし、いのちと人権、暮らしと雇用を最優先とした震災復興、被災地対策に全力を傾注しなければなりません。「地域主権改革」は国の責任と役割をあいまいにするものであり、政府の最大の使命に齟齬を来すものです。
つきましては、下記事項を申し入れますので誠意ある対応を要請します。
記
1. |
政府として国・都道府県・市町村一体で被災者支援と震災からの復旧・復興に全力を挙げるため、「地域主権改革」に係る検討作業などは中止すること |
2. |
「地域主権改革」は白紙に戻し、震災からの復旧・復興が実現した段階で、国と地方の責任と役割を再検討すること |
3. |
再検討にあたっては、国公労連との十全な協議を行うこと |
以上
|