国公労連は5月25日、参議院議員会館の西田昌司事務所を訪問し、議員本人との懇談を行いました。懇談は、国公労連の川村副委員長と九後中執で行いました。
西田議員は、自民党の参議院国体副委員長ですが、5月17日の財政金融委員会と総務委員会において、国家公務員給与の1割削減が、@日本経済にさらなるデフレの影響をおよぼすこと、A労働基本権が制約されているもとで違法行為であること、B公務員の士気を低下させるものであること、等をきびしく指摘する質問を行いました。
懇談の場で西田議員は、財政金融委員会では日本経済にとってデフレの克服こそ重要な課題であること、公務員の賃金を削減すれば民間労働者にも賃金削減が波及し、消費が落ち込み、デフレをさらに加速させていくと批判したこと、総務員委員会では、「公務員を守ることが総務大臣の仕事である。公務員は昼夜を問わず一生懸命働いており、政治的パフォーマンスで給与が下げるのは問題。モラルも士気も低下し、その結果、行政効率も低下する」と指摘したことを紹介しました。
それらの指摘について、国公労連と全く同じ主張である旨を説明したところ、西田議員は「政治的スタンスは違うが、主張は一致する。パフォーマンスを許してはならない」と政府の態度を厳しく批判しました。また、国対委員長も同様の考え方であることも話しました。
また、公務員の定員数にもふれ、「日本の公務員数は少ない。こうした時期であるからこそ、公務員の増員が必要だ」と述べました。
国公労連の「厳しい財政事情があるというならそのデータを示せ」との追及に対して政府が示した資料を見た西田議員は、極めて不十分なデータであると批判。公務員の賃下げを行えば日本経済にも大きな影響があるとした労働総研のデータ(5月19日に記者発表)を示したところ、「こうした試算は政府がきちんとやるべき。いいデータをいただいたので今後活用したい」と高く評価しました。
賃金引き下げについて、連合が早々に妥結をしたことを厳しく批判するとともに、「絶対に許してはダメだ。がんばってほしい」と国公労連に対するエールを送りました。また、「TPPには国公労連は反対なのか」と質問した後、「自民党には反対の議員も多い」と、その点でも主張が一致していることを確認する機会となりました。
懇談は終始和やかな雰囲気で約45分にも及びましたが、最後に「公務員の賃下げの問題は政党や労働組合の枠を超えて反対していかなければならない。がんばってください」と励まされ懇談を終了しました。
全国の仲間からも切実な声が続々と
国公労連のメールアドレスには、今回の賃金引き下げについて、国公労働者やその家族からの切実な声や、国民からの批判も寄せられています。また、国公一般のブロク「すくらむ」にも賛否両論の意見が寄せられるとともに、マスコミからの取材も連日行われ、国民的な関心が高まっています。全労連公務部会で作成したビラを活用した宣伝行動等、広く国民に理解を求めるとりくみを各級機関で強めましょう。
今回は、全国から寄せられた仲間の声を紹介します。
- 国民に対してのパフォーマンスの為に給与・ボーナスをカットされては生活が出来ません。
- テレビで報道されているように、本当に高額の給与をもらっているのであれば減らされても生活が出来るかもしれませんが、20万ちょっとの給与で住宅ローン・固定資産税、自動車税などの税金関係を毎月少しずつ貯蓄し支払っているのに、ボーナスまでカットされては破産してしまいます。
- 不景気・震災があるごとに減らされては生活出来ません。住宅ローンなども計画を立てて支払っているのに急に大幅に給与のカットされるようなことがあれば、家も手放さなくてはならないし、復興支援の為に自分たちの生活が守れなくなります。
- もうすぐ出産の予定もあるのにどれだけ計画を立てて生活をしていてもこのように強制的に給与・ボーナスのカットをされては困ります。
- 被災者の人は国が支援してくれて、国家公務員は誰が守ってくれるのでしょうか?生活が出来なくなれば何か国が保証してくれるのでしょうか?
- このような公務員だけが給与・ボーナスカットされるような納得のいかない政策は阻止してください。
- 労働組合が国家公務員を守ってくれないと誰も守ってくれないので宜しくお願いします。
以上
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