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 国公労連速報 2011年7月8日《No.2585》
 国の出先機関改革について地域主権戦略室に申し入れ
     
 

 

 国公労連は7月8日、関係単組代表者とともに地域主権戦略室に対し、国の出先機関改革について申し入れを行いました。国公労連は瀬谷行革対策部長を責任者に九後中執、高木中執が参加し、地域主権戦略室は秀嶋参事官が対応しました。

 本日の申し入れは、7月1日に「アクション・プラン」推進委員会(第2回)、昨日7日には地域主権戦略会議(第12回)が開催され、出先機関改革の今後のスケジュールが示されたなかで行いました。瀬谷部長は冒頭、東日本大震災で国の出先機関の役割が再認識されて要ることにふれ、1)出先機関の原則廃止・地方移譲の方針を撤回すること、2)国と地方の適切な責任と役割のあり方を再検討すること、3)国公労連と担当政務3役との意見交換の場を7月中に設け継続的に協議を行うこと、を要請しました(※別添参照)。これに対し秀嶋参事官は、政務3役との協議については一旦持ち帰って後日回答するとし、昨日の戦略会議では災害への対応も含め活発な議論があったことを紹介しました。
 昨日の戦略会議で災害対応についてどのような意見は出たのかを確認したところ、「出先機関の機能を承継するもの(なくなるわけではない)」、「災害時の国の関与については検討が必要」などの意見があったことにふれ、国の関与も含め平常時と緊急時のあり方について同時並行で検討していく認識を示しました。
 今後の地方6団体や関係省庁との協議の進め方については、基本的には事務的に進め「アクション・プラン」推進委員会や地域主権戦略会議で確認していく方向であり、法制化された「国と地方の協議の場」は開催回数や構成メンバーなどの点からそぐわないのではないかとの見識を示しました。
 移譲対象となる事務・権限や機関の検討については、関西広域連合や九州地方知事会から移譲希望があった経済産業局と環境事務所、地方整備局の3機関について移譲範囲の整理を先行して進めるが、これらの3機関に限定しているわけではないとし、年末に予定している閣議決定までには、他の機関の検討も行う可能性にも言及しました。
 人員移管等の枠組みの検討については、近々のうちに開催される「人材調整準備会合」の議論をみないと何とも言いようがないと前置きし、これまでどおり地方からは主体的な選考の仕組みが求められ、各省庁は丁寧な取扱を主張することになるだろうとの見方を示しました。
 財源の取扱については、「アクション・プラン」に記されている域を出ず、税・財源とともに債務も移譲するのかどうかといった具体については議論が進んでいない状況が明らかになりました。
 最後に廃止・移譲ありきの議論で国民・住民の不利益が生じないようにと指摘するとともに、人員移管等の枠組みが決定される前に政務3役との意見交換の場を設け継続的な協議を行うよう求め、申し入れを終えました。

〈別添〉

2011年7月8日

内閣総理大臣(地域主権戦略会議議長) 菅 直人 殿
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 片山 善博 殿

日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 宮垣 忠

 出先機関改革に関する申し入れ

 7月1日に「アクション・プラン」推進委員会が開催され、「出先機関移譲に関する特例制度の骨子(素案)」《未定稿》、「新しい広域実施体制の制度設計について」、や「人材調整準備会合の設置について」などが示され、9月には広域実施体制及び人員移管の枠組みの決定、移譲対象事務・権限の範囲の整理、移管対象出先機関決定に向けての中間とりまとめが行われ、12月には移譲対象事務・権限と移管対象出先機関も含め閣議決定するとされました。月内には地域主権戦略会議(第12回)の開催とあわせ、人材調整準備会合の設置が予定されています。
 一方、3月11日に東日本大震災が発生し、被災者の救援や現地の復旧・復興に向けたとりくみが国と地方自治体との共同で懸命に進められています。国の機関はこれらの活動にあたり、被災地への応援をはじめ、全ての地方出先機関が本省と一体となって役割を発揮しています。国の出先機関改革は、2010年7月に全国知事会がとりまとめた「国の出先機関の原則廃止に向けて」を前提に検討等が進められていますが、仮に国の出先機関が廃止されていたなら、このようなとりくみは極めて困難であったと言わなければなりません。
 今回の大震災では、行政サービスの重要性や「構造改革」路線の誤りが再認識され、国民の命を守り安心・安全を確保するためには国と地方の双方の責任と役割が不可欠なことが明らかとなりました。このことから、国と地方の責任と役割のあり方については、既定の検討等を白紙に戻し、震災復興や今後の日本社会のあり方も含め再検討すべきです。
 つきましては、下記事項を申し入れますので誠意ある対応を要請します。

  1. 東日本大震災の救援・復旧において、本省と全国が一体となって業務を進める国の出先機関の重要性が明確になったことを踏まえ、出先機関の原則廃止・地方への移譲方針を撤回すること
  2. 震災からの復旧・復興が実現した段階で、国と地方の適切な責任と役割のあり方を再検討すること
  3. 国の出先機関改革について、担当政務3役と国公労連との意見交換の場を7月中に設けるとともに、継続的に協議を行うこと
以上
 
 
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