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 国公労連速報 2011年7月8日《No.2585》
 国の出先機関改革について地域主権戦略室に申し入れ
     
 

 

 全労連公務部会は6月25日、シンポジウム「東日本大震災から3か月、住民本位の復興の実現にむけて〜公務・公共サービスの役割を問う」を東京都内で開催し、全国から90人が参加しました。
 未曾有の災害となった東日本大震災では、被災住民の意見反映のないままに上からの押しつけによる復興が議論され、財界はこの機に「道州制」までもねらっています。
 こうしたもと、シンポジウムでは、被災地の復興にむけては、公務労働者の大幅増員をはじめ、公務・公共サービスの拡充が求められていることを、各分野からの報告・発言で明らかにされました。
今後、「公務・公共サービス拡充署名」運動ともあわせて、各地でシンポジウムなどにとりくみ、国民世論を大きくひろげていくことが重要となっています。

 生活再建と生業(なりわい)の復興、人間復興を

 公務部会の野村代表委員(自治労連委員長)が主催者を代表してあいさつし、はじめに災害の犠牲者への黙祷をささげました。
 シンポジウムでは、コーディーネーターとして招いた平岡和久立命館大学教授(自治体問題研究所副理事長)が、「東日本大震災における被災地の実態と、公務・公共サービスが果たすべき役割」と題して講演をおこないました。
 平岡教授は、東日本大震災が明らかにしたことは地域コミュニティの大切さであり、住民の生命と生活を守るための基礎自治体の役割や、公務労働者・公共サービスの重要性であり、復興にむけて被災者の話を聞くことや、平事からの公共性が備わっていたかどうかの検証とともに、“生活再建と農漁業など生業の復興”“人間復興”が必要であると強調しました。
 これをうけて、各分野から参加した4名のパネリストが報告しました。自治体労働者を代表して、自治労連の山口祐二副委員長は、行革で自治体労働者が減らされ、総務省の「改革プラン」で震災の前から病院の統廃合・病床の削減で医療が切り捨てられてきた実態を報告しつつ、そのようななか東北3県では、かけがえのない家族を失いながらも献身的に働く自治体労働者、被災者とむき合って自治体・公務公共関係労働者が奮闘したことなどを紹介しました。

 住民のいのちを守り続けた公務労働者

 教育の分野では、全教の長尾ゆり副委員長は、自治体機能が喪失した自治体では、避難所になった学校が被災者救援の役割の中心となってきたことや、教職員が山ほどかかえる困難にたち向かって奮闘していることなどを報告し、「子どもに対するケアが必要で、気丈にふるまうものの、子どもの秘めた苦しさははかりしれない。つながりをつくること。安全・安心の学校・地域づくりのためにも、子どもと手をつなぎあうネットワークが必要だ」とのべ、学校の状況を教職員の奮闘、子どもたちの状況を語りました。
 国の行政機関から、国公労連・全建労の高津公明書記長は、震災直後に国土交通省に震災対策本部を立ち上げ、各地方事務所は状況把握と全国の各部局から職員を派遣し、災害対応にあたったことや、緊急災害対策派遣隊としてのべ2万人、災害ヘリコプターや災害対策車などを300台以上派遣したことを紹介し、「災害復旧の立て役者は、自らが被災しながらも尽力をつくした地元の建設業者と建設労働者、地方建設業だということが明らかになった」とのべ、と国土交通省の地方出先機関である地方整備局が果たした役割を報告しました。
 医療分野を代表するとともに、被災者の一人でもある岩手県医労連の鈴木哲夫書記長は、大震災直後の医療労働者は、みずからの生活や健康も犠牲にしながら、患者や負傷者を守るために大変な奮闘があったことが紹介され、沿岸の自治体病院や国立病院の早期再建とともに、今後とも医療を守るために息の長い支援が必要であると訴えました。

 これから何をするのか議論を深め、運動化を

 フロア発言では、国公労連・全労働から、被災地のハローワーク(公共職業安定所)では、職を失った労働者の雇用を守るために、全国から派遣された職員が仮庁舎で懸命に働いている実態が明らかにされ、労働行政拡充へ大幅増員を求めました。
 郵産労からは、家族に行方不明者や犠牲者を出しながらも、ガソリンがなくともマウンテンバイクで配達をつづけた郵便配達員の奮闘が報告されました。また、民営化・分社化の影響で、阪神・淡路大震災時に比べて、「ゆうパック」の取り扱いの遅れが指摘され、郵政民営化の見直しを訴えました。
 その他、国公労連からは、「東日本大震災からの復旧・復興にむけた提言(第1次案)」が紹介されました。
 これらの発言もうけて、コーディネーター、シンポジストからは、補強的に次のような発言がありました。
(鈴木書記長)豊かな海が目の前にある。漁業を再開させれば他産業へも派生していく。地元から声を出していくこと地元から組織的に県や国にものを言っていくことが今一番大事なことだ。これからさきずっと東日本大震災のことを語り続けてほしい。
(高津書記長)今から何がおこるのか南海・東海地震を予測して、防災に対する予算の確保が求められている。「構造改革」によって防災官庁といえない組織に変えられてきている。地域の建設業者の育成も急務だ。
(長尾副委員長)競争と効率で粗末にされてきたものの価値を見直そう。被災地の復興は、子どもの存在があってこそのもの。ボランティア活動のなかで、教育委員会への義援金を持っていき懇談していく。話を聞いて手をつなげることが大切で、地域連帯の中でこちらも学ばせてもらっている。東北の高校生の求人情報、地域経済をどう復興させていくのか現地の声を聞きながら一緒に考えていくことが大事だ。
(山口副委員長)いち早く盛岡で支援センターを立ち上げた。合理化された結果で本来救われていい命が救われなかった。私たちは、日本の製造業のありかたや放射能のことをもっと学ぶ必要がある。そして国と自治体が一体となって住民本位の復興をすすめていくことが大事だ。
 これをうけて、平岡教授は、「具体的に、公務・公共サービスの果たすべき役割が明らかとなった。これから何をするのか、どうとりくむのかなどを、今後、みなさんで議論を深めて明らかにし、運動化することが求められている」と指摘しました。
 最後に、宮垣代表委員(国公労連委員長)が閉会あいさつをおこないました。
(公務労組連絡会 公務ネットニュースより転載)

以上
 
 
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