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 国公労連速報 2011年10月31日《No.2644》
【社保庁職員不当解雇撤回闘争ニュースNo.36】
 安心年金つくろう会が日本年金機構に申入れ
 専門的、安定的な業務体制の確保を
 懲戒処分歴ある職員排除の閣議決定撤回を政府に求めよ
     
 

 

 「国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会」(略称:安心年金つくろう会)は10月20日、日本年金機構本部に対して専門的、安定的な業務体制の確保等を求める申入れを行いました(※申入れ書は別添参照)。
 安心年金つくろう会からは、公務労組連絡会の黒田事務局長、日本年金者組合の久昌中執、自由法曹団の近藤事務局次長、日本婦人団体連合会の榎本事務局長、国鉄労働組合の小池中央執行委員と東海地本上野書記長、全厚生の西田書記、国公労連から川村副委員長と中田が参加しました。年金機構本部は、高井総務部長他2名が対応しました。
 冒頭、黒田事務局長が申入れの趣旨説明を行い、「公的年金業務を継承した日本年金機構は、業務に習熟した経験者が大幅に不足している。分限解雇された525人の旧社保庁職員をすぐ職場に戻すべきだ。そのためにも懲戒処分歴を理由とした採用基準は撤回すべきだ」と訴えました。さらに国公労連の川村副委員長が、「知識と経験のない外部委託の結果、国民の年金に対する不安と不信が高まっており、チェック機能がないと第2・第3の記録問題が起きるのではないかと危惧している。安心と信頼を損ねてしまった年金記録問題を早急に解決するためにも、経験ある職員が必要だ。日本年金機構は厚労省に対して実態を伝え、意見を言うべきだ」と現状の問題点を指摘しました。
 続いて、「年金支給開始年齢引き上げ、デフレ経済下でのマクロ経済スライド適用など年金の大改悪がすすめられ、国民の生存権を脅かし高齢期の生活に大きな打撃を与えている。年金制度を実施する日本年金機構として国民の信頼に応える仕事をして欲しい。厚労省に制度改善要望と閣議決定変更の申し入れをして欲しい」(年金者組合)、「日本年金機構の正規職員は4割で不安定な非正規職員が6割を占めている。国民の年金に対する不信感が大きくなっているのに閣議決定にこだわることは国民感情からかけ離れている。非正規採用を繰り返す方が、逆にコストがかかるのではないか。経験ある旧社保庁職員を職員として採用するよう国に強く働きかけて欲しい」(国労)、「6割が非正規で経験者が少なく、ミス多発では不安でたまらない。年金は老後のセーフティネットであり『命綱』だ。分限免職された職員はスキルを持っているので職責を果たせる。人員不足ならば、すぐ職場に戻すべきだ」(自由法曹団)、「震災の復旧・復興、被災者支援にかかわって社会保障・年金問題が重要になっている。日本年金機構発足から1年10カ月がたっているが年金記録も解決せず、年金業務の民間委託拡大では国民の声が伝わっていない。日本年金機構は、非正規職員の労働条件を改善し安定的な雇用実現し、民間のお手本になってほしい」(婦団連)、「特定契約職員の組合員からは『窓口で年金相談しているが、有期雇用なので毎日が不安。低賃金でお風呂にも入れないような生活が続き眠れない』と悲痛な声が寄せられている。非正規職員の賃金や労働条件の改善を強く求める。経験と専門性を職場で生かせるよう考えてほしい」(全厚生)など、参加者からそれぞれ要請を行いました。
 高井総務部長は、「年金業務をこなすよう欠員については、速やかに補充していく。スキルある優秀な准職員については今年度から正規職員に登用することとした。所属長が募集し、7月に面接による内部登用として120人を採用した。委託業者に対しては契約内容の徹底等で努力する。日本年金機構は閣議決定に従うしかないが、今日のみなさんの意見については機構の上層部に伝える」などとコメントしました。
 これに対して、「新たな年金記録問題を起こさないためにも、閣議決定は見直すべきだ」、「国民の生活を支える年金制度の信頼を取り戻すためにはどうしたらいいのか、もっと自分の頭で考えるべき」、「安ければいい、まちがっても仕方がないと民間委託を拡大したままでいいのか。各県の事務センターでの対応など、アンテナをはって現場の職員の声を聞くべきだ」、「1年半経った現在でも事務処理の誤りが多発している。2重3重のダブルチェックを民間委託でできるのか?真剣に考えてほしい」などと重ねて要請を行いました。
 高井部長は、「日本年金機構は閣議決定に従うしかない。要請については、皆さんの発言も含めて幹部に伝える」などと答えるにとどまりました。
 最後に、公務労組連絡会の黒田事務局長が「納得できない。懲戒処分を受けた職員は年金機構に採用しないとの採用基準を見直すよう、政府に働きかけて欲しい」と強く訴え、申入れを終わりました。


【別添】

2011年10月20日
日本年金機構理事長 紀陸 孝 殿
国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会
(略称:安心年金つくろう会)

 日本年金機構の専門的、安定的な業務体制の確保等を求める申し入れ

 日本年金機構が発足して1年10カ月が経過しました。年金機構は、昨年1月の発足時から正規職員や准職員に多数の欠員を生じていましたが、今日に至っても大幅な欠員を抱えています。頻繁な入離職が繰り返されていますが、専門的な知識と経験が不可欠な年金職場でのこうした事態は大問題です。
 国民の信頼を回復するとして設置した日本年金機構ですが、事務処理ミスが多発しており、「国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきもの」との日本年金機構法の基本理念や2009年7月に閣議決定された基本計画の「とりわけ、業務が正確に遂行されることが、国民にとっての最大の関心事であり、これを重視する」との理念からはほど遠い状況です。現状では、国民の信頼を回復するどころか、まさに国民の年金権保障さえもが危うくなっています。
 この問題の最大の原因は、多数の社保庁職員を年金機構に採用せず、年金業務に習熟した職員が決定的に不足していることです。現在の年金機構の混乱を解決するため、年金機構を希望する旧社保庁職員を正規職員として採用し、その経験と能力を発揮させることがとりわけ必要です。
 同時に、正規職員は全体の4割程度で、准職員や特定契約職員、アシスタント契約職員など不安定な非正規職員が6割を占めていることも問題です。国民の大切な年金を扱う業務を専門的、安定的に遂行するためにも、正規職員の増員とともに非正規職員の雇用の安定化と労働条件の改善が求められます。
 日本年金機構法や基本計画の理念を早急に実現し、国民のための専門的、安定的な業務運営体制を確立するため、下記の事項の実現に誠意を持って対応するよう求めるものです。


 1.国民の信頼を回復するために、専門的、安定的な業務運営体制を確立してください。
 (1) 正規職員等の欠員を早期に解消し、年金記録問題の早期解決や専門的業務運営を確保するため、増員によって業務体制を拡充してください。
 (2) 年金業務の市場化テスト、業務請負などの外部委託は見直し、直接実施してください。
 (3) 年金機構の非正規職員の労働条件を改善し、安定的な雇用を実現してください。

 2.経験ある旧社保庁職員を年金機構の正規職員として採用するため、「懲戒処分を受けた職員は年金機構に採用しない」との採用基準は見直すよう政府に働きかけてください。


以上 


 
 
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