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 国公労連速報 2011年11月24日《No.2655》
 人勧取り扱いの国会審議はじまるなか国会前座り込み行動2日目を展開
     
 

 

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 憲法違反の賃下げ法案(給与臨時特例法案)の廃案に向けた国会前座り込み行動2日目。本日の行動には派遣法抜本改正の課題も結合して150人の仲間が結集。午前中に開かれた衆議院総務委員会の傍聴や集参総務委員55人への要請など終日奮闘しました。


 国民負担増の露払い、震災復興の妨げとなる賃下げ法案は許さない  ――スタート行動

 午前10時からのスタート行動の冒頭、主催者あいさつに立った全労連公務部会代表委員の野村自治労連委員長が、「国会にさまざまな重要課題がかけられているが、何かにつけて密室あるいは国会外で片付けられ、審議が尽くされていない。日本の将来についての議論を望む多くの国民に背信している。賃下げ法案も国民、憲法を無視する法案。撤回するまでたたかおう」と呼びかけました。
 つづいて3名が決意表明を行いました。東京国公の野仲事務局次長は、「一昨日は東京春闘共闘・東京地評公務部会、東京国公による国会請願デモには、公務・民間全体で300人が参加した。東京国公、霞国公がとりくんだ残業アンケートでは、10年ぶりに残業時間が増え、月平均35.1時間という結果。不払い残業があるとの回答が60%にも及んでいる。不払い残業がある中で一方的な賃下げまでされることに職場は怒りで充満している。東京国公も奮闘する」と述べました。全教・東京都教組の坂爪さんは、「職場からのたたかいを広めていくことが大事。東京の確定闘争では国を上回る削減の勧告が出された。賃下げ法案の成立は地方へのさらなる圧力となること必至。定年延長や高齢期雇用、退職金の問題もある。公務・公共サービス充実によって日本をつくりなおすたたかいとも結合して奮闘する」。自治労連本部の松繁さんは、「人事院総裁も憲法に抵触すると指摘する一方で、自民、公明はさらに深堀すべきだといっている。また、財務省は義務教育国庫負担金の引下げを求めている。地方への影響は遮断するとした前総務相の発言を反故にするものだ。TPPや震災復興などの国民課題と結合しがんばっていく」と述べました。


 公務員人件費2割削減の達成は来年以降の人勧も踏まえて検討
 ――衆議院総務委員会

 午前9時開会の衆議院総務委員会では7人の委員が質問に立ち、主として人事院勧告の取り扱いについての審議が行われました。吉川委員(民主)は、「国家公務員の賃下げを地方公務員へも波及させるべきとの報道がある」と指摘し、財務省と総務省の見解を求めました。三谷財務大臣政務官は「公的セクター全体としての対応を期待するもの。大変繊細な問題だが、地方交付税など来年度予算の編成過程で総務省と相談していきたい」と述べたところ、すかさず川端総務大臣が答弁に立ち、「地方公務員の賃金に波及させる検討は行っていない」と打ち消しました。
 自由民主党からは石田委員と平井委員、公明党からは西委員が質問に立ち、「政府法案では、@俸給表を改定しないため退職金の過払いや若年層未改善となる、A現給保障が廃止できない、B2年度にわたり人勧を無視することになる、C違憲ではないかとの議論もあり訴訟リスクも抱える」と問題点を指摘し、「震災復興財源の年間2,900億円は、人勧実施で120億円確保した後にでもできるのに何故しないのか。連合との約束に固執するのはいかがなものか」などと追及しました。答弁に立った川端総務大臣は、「人勧と賃下げ法案とでは趣旨・目的ともに異なるが、厳しい財政状況と震災への対処の必要性からの特例措置。賃下げ法案のマイナス幅は人勧を内包する。」と理解を求めました。
 日本共産党の塩川議員は、「労働基本権制約のもとでの一方的な賃下げは憲法違反。『全農林57年人感凍結反対闘争事件』最高裁判決に照らしても、複数年度にわたる賃下げ法案は人勧が画餅に帰した状態であり違憲」と指摘。これに対して川端総務大臣は「判決はその都度状況に応じて出されるものであり憲法違反ではない」と強弁し、塩川議員の「国会判断の前提となるべき人勧を上回る賃下げも憲法違反」との指摘に対しても「危機的状況下では憲法違反ではない」と答弁しました。労働基本権が回復されない中での一部組合との合意の意味を質したのに対しては、「国家公務員の給与は国会が決めるものであり、労働組合とは意志疎通をはかったに過ぎず法的意味はない」とアリバイづくりの交渉だったことを明言しました。
 社会民主党の重野委員の「国家公務員はこの間、40才係長で19%の年収減。民間給与実態調査では12%の減。国家公務員の削減の方が大きいのに追い打ちはいかがなものか」という追及に対し、答弁に立った川端総務大臣は「人事院が行う調査と国税庁の調査とでは目的・方法が異なる。官民の均衡はとれている。国税庁の調査はダブルワークを2人とカウントするなど低めに出ると言われている」と回答しました。また、「人勧が出る前に賃下げ法案を提出するのは順序としておかしい」という指摘には、前出の「内包」で理解を求めました。みんなの党の柿澤委員は「2014年4月には政権公約の公務員人件費2割削減を達成していなければならないのに賃下げ法案では不十分」と指摘し、これに対し川端総務大臣は「2014年3月までの時限法案だが、来年度も再来年度も人勧が出た後に政府としての対応をとる。2013年度については、国家公務員制度改革関連法案が成立していれば交渉を経て新たな法案を出すことになる」とさらなる賃下げの可能性にも言及しました。


 労働者派遣法の抜本改正を求める行動と一体でとりくみ
 ――昼休み要求行動

 昼休み行動には、民主、自民、公明3党の密室協議で合意されたとされる、登録型派遣や製造業派遣の原則禁止の削除や日雇い派遣の原則禁止の緩和など派遣法「改正」法案の骨抜きを許さず、抜本改正を求める仲間や、解雇・雇い止め撤回のたたかいをとりくみ明日の争議総行動に参加する当事者などもかけつけ、150人が結集しました。主催者あいさつに立った全労連公務部会代表委員の宮垣国公労連委員長は、「野田内閣は賃下げ法案を突破口に、国民生活破壊の法案成立を目論んでいる。派遣法の骨抜き改正阻止、賃下げ法案廃案に向けて力を合わせて全力でがんばっていこう」と呼びかけました。
 つづいて、山下参議院議員(日本共産党)が激励にかけつけ、「大企業と金持ちには減税をし、庶民増税をするというやり方では復興財源は生まれない。いま公務員労働者が狙い撃ちにされており、国会でも闘争していきたい。大阪府知事、大阪市長選挙はいよいよ今週末。全国のみなさんが連帯して、公務の性質をゆがめる独裁や「構造改革」の推進を許さない声をあげていこう」と訴えました。
 民間の仲間を代表して激励あいさつにかけつけた全労連・全国一般の林書記長は、「今回の賃下げ法案は公務員だけの問題ではない。公共関連で働く労働者は1千万人以上いる。民間委託で働く多くの労働者が競争入札、市場化テストのもとでどんどん賃金を切り下げられている。賃下げ法案が成立すれば大幅に削られることは間違いない。サービスの質をあげることが私たちの貢献だ。ともにたたかおう」と連帯を表明しました。
 国公労連の高木中央執行委員と神奈川自治労連の蓮池書記長による国会傍聴報告(前記)につづいての決意表明では、国土交通労働組合の高津副委員長が、「先日成立した三次補正予算。被災者の生活再建に薄く大企業には厚い内容。阪神・淡路大震災のときのように大型開発の公共事業発注が予想される。行政民主化の活動などとも結合して多くの国民と共同し、賃下げ法案を廃案にするため奮闘していきたい。ともにがんばろう」と述べ、全教・日高協の藤田さんは、「多くの労働者・国民が被災者の生活再建を願ってたたかっている。高校生の就職は2人に1人分しか職がない状況。大企業は社会的責任を果たせ!働くルールを守れと声を大にして訴えていきたい。力あわせて奮闘しよう」と訴えました。

 賃下げ法案の不当性を訴え、理解・共感を広げよう
 ――集結行動

 その後の座り込み行動では、国会議員要請と並行して労働法制中央連絡会、司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会、全印総連(大日本印刷争議)、岡山県労会議、首都圏青年ユニオンからの激励・連帯あいさつ、リレートークを行いました。
 14時30分からの集結行動では4人が決意表明に立ちました。全労働の高橋中央執行委員は、「議員要請では秘書対応ばかりだったが人勧は尊重すべきとの声も。被災地では働き口がない状況。遠隔地での低賃金・不安定労働ばかり。『地域主権改革』は労働者のセーフィーネットたる労働行政を破壊するもの。先頭に立ってたたかう」と述べ、東京自治労連の山口さんは、「国会議員要請は秘書対応で回答も素っ気ないものばかり。政府の人たちは被災者の置かれた状況を解っていない。自治体職場は被災者の生活を必死で支えている。公務員の賃下げは民間にも悪影響を与え、住民本位の復興に逆行するもの。廃案まで奮闘する」、福島県立高教組の慶得さんは、「賃金確定交渉は国の賃下げ法案の動きを注目しているため例年より遅れている。福島の子どもたちは、県産野菜を食べることなど原発事故への不安や、将来子どもを生み育てられるのだろうかという社会情勢への不安を心の底で抱えている。心をひとつにして頑張りたい」と述べました。全労連の井上事務局次長は、「派遣法やTPP、税・社会保障一体改革、賃下げ、庶民増税など被災者を含む多くの国民の生活をなおざりに大企業への奉仕に終始。震災だからと一層の我慢を国民に対して押し付けている。安定・良質な雇用と公務・公共サービスの充実こそが求められる。ともにたたかおう」と訴えました。

 29日に衆議院本会議開催も審議内容未定
 ――全国の職場から激励・連帯メッセージを

 賃下げ法案の審議は、本日の衆議院総務委員会での人勧の取り扱いの審議を経て、29日(火)の衆議院本会議で政府と自民党の法案の趣旨説明と代表質問が行われる見込みでしたが、現段階では未定となっています。
今後も衆・参総務委員会定例日の火・木曜日に、国会前座り込み行動や議員要請、国会傍聴行動などにとりくみます。激励・連帯メッセージをお寄せください。行動の中で紹介し、参加者の力にしていきます。

 電子メールmail@kokko.or.jp
 FAX:03(3502)6362

以上 


 
 
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