12月地方議会での意見書採択の要請や首長・地方議会議員との懇談など、「アクション・プラン」にもとづく国の出先機関の廃止・委譲の問題点を明らかにし、理解と共感を拡げる行動が全国で旺盛にとりくまれています。東日本大震災以降の職務での奮闘や、この間とりくんできた「総対話MAP運動」ともあわせ、基礎自治体から「出先機関は必要」の声が広がっています。一例として昨日の報道記事を転載します。
相次ぎ「出先機関存続」の声/道路整備促進大会で基礎自治体首長(『建設通信新聞』11月30日付)
【立谷相馬市長廃止は「時期尚早」】
政府が進める「国出先機関廃止」に全国各地の基礎自治体の首長から「出先機関存続」を求める声が相次いでいる。29日に開かれた「安全・安心の道づくりを求める全国大会」で、大会参加者の首長らが一斉に出先機関廃止に反発の声を上げた。複数の民主党議員も首長からの意見を受け、「東日本大震災を受け、出先機関の役割の再評価が必要。党内議論に反映させる」と発言。複数の首長が出先機関廃止の撤回を強く打ち出したことで、出先機関廃止に伴う全面的な移譲を検討する政府や移譲を早期に求める知事と、廃止撤回を求める基礎自治体首長らの主張が真っ向から対立することになる。
基礎自治体首長による出先機関廃止反対の予兆は28日、東北圏広域地方協議会が開いたシンポジウムからあった。福島県相馬市の立谷秀清市長は、政府が検討を進めている、地方整備局など国出先機関の原則廃止に対し、「時期尚早」と明言。事実上、来年通常国会への法案提出に反対の考えを表明していた。
さらに立谷市長は、「国の出先機関はいらないとの声がある」と前置きした上で、「農林水産業、地元企業の再生に(国出先機関の)農政局、経産局は大きな役割を果たしている。支援は県だけでは無理だ。われわれの要望をどう実現させるか。地域主権議論は大事だが、地に足がついた議論が必要だ」と、加速する出先機関廃止の動きに強い懸念を示した。
29日の道路整備を求める全国大会でも、参加した四国、九州、関西各地区の基礎自治体の首長から、「県内市町村会は出先機関存続を決議した」(高知県内の首長)、「九州知事会が(丸ごと移譲を)決めても、(市長会や町村長会、関連議会長会含め)6団体が決議したわけではない」(九州管内首長)、「大規模震災には国の役割が必要であり、道路などインフラ整備は国防。国防の役割は国が担うべき」(大阪府、奈良県内の首長)など、出先機関存続を求める声一色に染まった。
政府は昨年12月に、出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲するための広域的実施体制の基本的枠組みを今年度に検討、2012年通常国会に関連法案を提出し14年度から広域的実施体制に移行することを閣議決定。野田首相は地域主権戦略会議で来年通常国会に出先機関原則廃止を視野にした法案提出に前向きな姿勢を見せていた。
以上
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