国公労連は2月9日、全労連・公務部会の仲間とともに、憲法違反の賃下げ法案(給与臨時特例法案)の廃案に向けた国会前座り込み行動3日目に突入しました。本日の行動には延べ250人の仲間が結集。スタート行動、昼休み要求行動、集結行動を軸に座り込み行動を展開。夕方は有楽町マリオン前で賃下げ反対宣伝行動を行うなど終日奮闘しました。
地域からとりくみを強め、なんとしても廃案に追い込もう
――スタート行動
午前10時、衆議院第2議員会館前で座り込み行動を開始しました。
冒頭、主催者あいさつに立った全労連公務部会・宮垣代表委員(国公労連委員長)は、「野田政権は3月中旬に消費税増税法案を提出しようとしている。消費税増税によって下請け単価の引き下げ強要にもつながる。財界が消費税上げろと大合唱するのは、消費税がいくら上がろうが大企業は痛みを伴わないからだ。消費税増税は、中小企業、農業生産者にとっては壊滅的打撃である。景気を悪化し、地域経済が崩壊の危機を迎える。国家公務員の賃下げは約625万人に影響を与える。地域経済の再生と景気回復に逆行する消費税増税と国家公務員の賃下げを阻止しよう」と呼びかけました。
つづいて3名から決意表明などを受けました。全法務の沓名副委員長は、「先週山陰から九州オルグに行ってきたが、地方の駅前の多くの商店はシャッターが閉まっており、地域経済がかなり冷え込んでいることが身をもって感じられた。大手メディアは『国家公務員の賃金下げろ』の大合唱だが、『賃下げは必ず地方公務員にも波及し、地域経済に影響を及ぼす』という視点が地方紙にはある。公務関連が地域経済に占める影響は大きい。地域からとりくみを強め、なんとしても廃案に追い込もう」と訴えました。
自治労連の小峰中執は、「公務員の賃下げは、消費税増税への不満解消のための露払いであり、悪政から国民の目をそらすためのイデオロギー攻撃。大震災によって明らかになったのは、構造改革で公務・公共サービスが切り捨てられ、地域が疲弊している実態だ。賃下げ攻撃を跳ね返し、非正規職員の雇用の安定、労働条件を改善し、安心して働ける職場にしよう」と呼びかけました。
日高教の井村書記次長は、「労働者の賃金はずっと下がり続け、地域産業も大変で生活が苦しい。どうにかして欲しいという国民の思いと怒りのスケープゴートとして公務員を標的にしている。震災以降、公務員は不眠不休でがんばっている。教職員も不眠不休で奮闘しており、心身の健康が心配な状況だ。今こそ公務労働を充実させよう」と述べました。
続いて座り込み参加者のリレートーク。千代田区労協・千代田春闘共闘の仲間から暖かい飲み物の差し入れをいただきました。
政府自身が追い詰められている!力を備え、跳ね返そう
――昼休み要求行動に140人が結集
国会前の昼休み行動には140人が結集(うち国公は70人)。スタート行動に続いて主催者あいさつに立った全労連公務部会・野村代表委員(自治労連委員長)は、「民主党は、消費税増税の露払いとして人事院勧告を無視した公務員賃下げという二重の憲法違反を行おうとしている。いま必要なのは労働者の賃上げと、国民のための行政を行うことだ。共同を広げ、国民の生活を守り安心して生活できる世の中をつくろう」と呼びかけました。
国会情勢報告・連帯あいさつにかけつけた塩川衆議院議員(日本共産党)は、「衆議院で本予算の審議に入った。人事院勧告を無視した公務員賃下げは二重の憲法違反だと、昨日も山下芳生議員が追及した。琉球新報の社説でも公務労働者の賃下げが民間労働者の賃金に影響しかねないと指摘している。働くルールのある経済社会をつくり、内需拡大して経済を発展させていくことが重要だ。みなさんと力を合わせて公務員賃下げ法案を阻止するまで奮闘する」と述べました。
民間の仲間を代表して激励あいさつに駆けつけた千代田区労協の水久保事務局長は、「公務員賃金引き下げ、消費税増税、TPP参加、国会議員定数削減、どれもこの国をダメにするもので根っこは同じ。私たちの情勢が厳しいのは、政府自身も厳しい状況になっていることの表れだ。だから賃下げをしようとするのであり、私たち自身が力を蓄え跳ね返す必要がある。公務の仲間と共にたたかって、働くものすべての賃金を守らなければならない。ともにがんばろう」と述べました。
国公労連を代表して決意表明した全医労の香月書記次長は、「東日本大震災では、国立病院の職員が患者の命を必死で守ってきた。1枚のクッキーやせんべいなどを患者と分け合って勤務にあたった。何日も病院に寝泊まりして、家族の消息も分からないなか勤務にあたった職員もいた。政府は国が身を切ると言って公務員賃金削減法案を出し、国立病院職員の賃金も引き下げようとしているが、やってられないというのが現場の声だ。現在、医師看護師不足が深刻で、勤務が過重になり、辞める人が後をたたない。賃下げをやめさせるために最後までがんばろう」と訴えました。
続いて、自治労連の中川書記次長は「大阪では、組合事務所の追い出し、公務員の政治活動の制限を進めようとしている。これは全国の公務労働者にかけられた攻撃と考え、全国からの支援も受けて反対運動のとりくみを行う。公務労働者が先頭に立って、悪政を阻止しよう」と呼びかけました。
国民とともに賃下げ法案廃案のため、中央・地方でたたかおう
――集結行動
午後から一段と冷え込むなか、座り込み行動に結集。14時からの集結行動で連帯あいさつした通信労組の佐藤書記次長は、「通信労組は、NTT11万人リストラ裁判を闘っている。国鉄『合理化』攻撃にはじまり、民間企業のリストラ・賃下げなど労働者・国民の生活を破壊しておいて、公務員も身を削れ、賃下げせよという攻撃は、公務員労働者にとどまらず必ず民間労働者に襲いかかることは明らかだ。この横暴を許さないためにも、公務・民間労働者一丸となって跳ね返そう」と激励しました。
決意表明に立った全司法の出口副委員長は「東日本大震災や北日本を襲う大寒波の大雪など自然災害が続出しているが定員削減や外部委託で、国民のいのちと暮らしを守る公務・公共サービスを支える体制が脅かされている。営利優先ではなく、住民の幸せを追求する体制確立と、それを支える人員の確保が必要ではないか。政府は憲法を守れ!公務員賃下げ反対運動を展開していく」と訴えました。
自治労連愛知の望月書記長は、「名古屋では市民病院の売却や民間譲渡、保育所も民営化されるなど国の子ども新システムの先駆けを実行しようとしている。市民のために働くために、共同を広げていこう」と呼びかけ、全教の土方さんは「障害者自立支援法のもとで、障害者は最賃の低い単価で働かされている。大企業の横暴を許さず、公務やすべての労働者の賃金・労働条件改善のためにたたかおう」と訴えました。
最後に、全労連公務部会の黒田事務局長が行動提起を行い、「法案をとめてきたのは私たちの粘り強いたたかいの反映だ。2月16日から毎週木曜日の議面集会、街頭宣伝を実施するが、国会情勢に動きがあれば直ちに座り込み行動に切り替える。持久戦になるが中央・地方でたたかおう」と呼びかけました。
公務も民間もすべての労働者の賃上げを!
有楽町駅マリオン前で賃下げ反対、公務拡充を訴え!
国公労連は2月9日の夕方、JR有楽町駅マリオン前において公務員の賃下げ反対、公務・公共サービスの拡充を求める宣伝行動を、賃下げ反対ビラを配布しながら、約30人参加のもとで行いました。
国公労連の渡邊中央執行委員の司会のもと、最初に全教の蟹澤書記次長が「民主党はマニフェストをことごとく反故にし、国民犠牲を押し付けようとしている。国民犠牲ではなく、すべての労働者の賃金を引き上げるために奮闘する」と訴えました。
自治労連の山口副委員長は「賃金引き上げで内需拡大こそ求められている。富山市では、『景気が後退するから賃下げはしない』といっているが、まさにそのとおりだ。国家公務員の賃下げも地域経済を冷え込ませる。今春闘では、民間も公務も賃金を引き上げて景気回復に結び付けよう」と呼びかけました。全厚生の杉浦書記長は「身を切るためとして賃下げ法案と国会議員の定数削減が狙われている。しかし、比例定数削減は民意の反映が後退することに繋がる」と、全労働の濱野中央執行委員は「ハローワーク、基準監督署ではここ5年で1,300人削減され、来年250人削減される。労働行政を充実させることは震災復興にも繋がる。削減ではなく体制充実が求められている」と訴えました。
公務労組連絡会の黒田事務局長は「今国会は消費税増税を許すのか、またはそれを阻止するかのたたかいだ。3%から5%になった時も景気が大幅に冷え込んだ。今の経済状況で消費税を増税すれば更にデフレが加速する。軍事費削減や大型開発を中止し、無駄を削るべきだ」と訴えました。
連帯は広がっている!
財界・大企業の思惑を打ち砕こう
「国民の安全・安心を守ろう!地方出先機関廃止阻止キャラバン」
【国会前座り込みに寄せられた国交労組近畿地協からのメッセージ】
国会前で座りこみされている皆さんのご奮闘に敬意を表するとともに、地域でもまやかしの「地域主権改革」と対峙して、国の責任を守る「出先機関廃止阻止」キャラバンの途中、豊岡市からあついメッセージを送ります。
公務員賃金カットは道理も効果もない愚策です。そのことを広く国民のみなさんに訴え、広く支持を得る運動が必要です。「地域主権改革」も同じです。地方自治の実現は私たちも望むところですが、今の国の出先機関原則廃止や地方一括移管は地方自治の実現とはまったく相容れないものです。財界・大企業が仕組んだ「大嘘」です。
財界は災害の復興や財政危機を理由にして、自らが喉から手が出るほどしたかったことを一気にすすめようとしています。国際戦略の名のもとに思いのままに国民の血税を使い続けられる仕組みを「地域主権改革」で、そして目の上のたんこぶ公務労働者には税と社会保障の改革の露払いとして「公務員賃金カット」、その結果として公務労働者の組織や団結にもヒビを入れよ「労働組合の弱体化」も狙っているのです。
相手のすべての攻撃は公務員に向けられています。嵐のような攻撃にもひるむことはできません。財界・大企業が凶暴にその実態をあらわし、露骨に公務員攻撃すればするほど、その矛盾が露呈するような状況も現れています。今までの構造改革や公務員総人件費の抑制で何が起こったのかを、丁寧に分析して説明すれば真実は伝わるはずです。
国公近ブロ・村上事務局長と私を中心にした国公近ブロキャラバンでは1月23日から昨日まで、9市町首長、5市長村会議長、5関西広域連合議会議員への要請を行ってきました。第一弾は最終的には60カ所の要請となる予定です。私たち国の組織や公務員労働者への誤解があることも知りましたが、少なくない方々から国組織の重要性や公務労働者への理解や激励の声を頂いています。私たちがもっと地域に足を出して、公務労働者の真の姿を見せることで誤解は解けていくと感じています。マスコミに作られた公務のイメージを私たちが壊していきましょう。
日々、憲法の保障された国民の命や安全を守るためにがんばっている姿を見せ、公務員バッシングが国民や労働者の生活を切り崩す道具にされていることを伝えましょう。
連帯は広がりつつあります。たたかいの狼煙(のろし)を全国各地であげ、地域で中央でうねりをつくり、財界・大企業の思惑を打ち砕きましょう。ともにたたかう決意を表してメッセージとします。(国土交通労働組合近畿地方協議会)
以上
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