国公労連は2月10日、全労連、国民春闘共闘、国民大運動実行委員会、全労連公務部会に結集し、TPP参加・消費税増税反対、なくせ貧困、住民本位の震災復興などを求める12春闘要求実現2・10中央総行動を展開しました。
この日は、日比谷野外音楽堂での中央集会や、建設労働者春闘決起集会(建設首都圏共闘・生公連)、早朝から各団体による駅頭宣伝、要求行動などがとりくまれ、公務部会は、厚労省・総務省・財務省・農水省前行動、銀座パレード、日本経団連包囲行動、経産省への要請行動などで終日、奮闘しました。行動には官民の労働者、農民、商工業者、建設職人・業者など全体で7,000人(国公労連は約400人)が結集。JAL不当解雇撤回原告団や各県国公の仲間(長野、東京、中部・岐阜、近畿・大阪等)も多数参加しました。
雇用確保、社会保障の制度拡充、社保庁不当解雇撤回を
――厚生労働省前要求行動
11時から始まった厚生労働省前の要求行動では、全労連・東京国民春闘共闘の主催で、雇用確保、労働者派遣法の抜本改正、社会保障制度の拡充を求めました。主催者あいさつで、東京春闘共闘の伊藤代表委員(東京地評議長)は「景気回復のためには労働者全体の賃上げが必要だ。非正規労働者が増大しているが最賃引き上げで均等待遇をめざそう」とのべました。情勢報告では、国民春闘共闘の伊藤事務局次長は、「有期雇用の労働者は、仕事を教えられるレベルになった者でも年度末には首が切られる不安に苦しんでいる。労働者派遣法の骨抜き改悪がされれば、ますます厳しくなる。財界のやり方では地域がこわれるという声が広がってきている。政府・財界を包囲して反撃しよう」と呼びかけました。
決意表明では「子どもの健やかな成長に悪影響を与える子ども・子育て新システム廃案にとりくむ」(福祉保育労・佐々木副委員長)、「今月27日・28日に追加証人尋問が行われる。この尋問が行われるのも皆さんに協力していただいた要請署名のおかげだ。首切り許さず、働くルール確立、年金制度拡充のためにも経験者を職場に戻す運動をすすめていく」(国公労連・國枝中執)、「派遣法の骨抜き改悪で製造業・登録型派遣の禁止が削除されようとしているが、どこまで派遣労働者をバカにしているのかという思いでいっぱいだ。正規も非正規も全ての労働者が共同してたたかおう」(JMIUいすゞ自動車支部・五戸さん)、「有期労働契約が改悪されると雇い止めが増加してしまう。働き続けたいと願っている労働者の思いを政府・厚労省はきちんと聞いてほしい」(全労連全国一般・青池書記次長)、「正規から非正規の置き換えで自治体ワーキングプアが増加している。その中で多摩市の公契約条例が制定され、努力義務だが委託労働者に対して賃金水準を下回らないよう903円になった。最賃1000円をめざそう」(東京自治労連、東京春闘共闘・喜入幹事)と訴えました。
「復興がすすまない」「労働者の使い捨てやめろ」各分野から怒りの発言
――日比谷野音で総決起集会
日比谷野外音楽堂では12時すぎから「国民のいのち・暮らしを守る2・10中央総決起集会」(同実行委員会主催)が開催されました。主催者あいさつした全労連の大黒議長は、「野田首相は米国や財界のいいなりになっている。国家公務員の賃下げは、地方公務員、民間労働者にも大きく波及する。大企業の内部留保は266兆円にものぼる。財界に怒りを!消費税増税・TPP参加反対の運動を発展させよう」と呼びかけました。
連帯あいさつでは、日本共産党の市田書記局長(参議院議員)から、「国会の最大焦点は消費税増税と社会保障一体改悪だ。政治を動かす主人公は国民。悪政を許さない闘いをつくりだそう」と力強い訴えがありました。
続いて、各団体からの発言・交流が行われました。「東日本大震災から、地方整備局は大事な存在で、拡充が必要だと実感した。公契約条例を広げる運動をたたかう」(建設首都圏共闘・宮田議長)、「大震災から1年たったが、街作りが進まず復興が立ち遅れている。宮城の失業率は7.5%で全国平均より高い。1%の大企業が99%の上に立っている状況を、春闘の闘いで乗り越えたい」(宮城県労連・小玉常任幹事)、「陳情しても最低賃金の引き上げが1円2円でしかない。最低賃金は国民一人ひとりがかかわる大きな問題。運動を広げよう」(みやぎ生協労組・伊藤副委員長)、「国民年金が満額で6万円、平均は4.7万円でしかない。無年金者も70万人いる。生存権裁判で勝ち抜こう」(全生連・年金者組合・生存権裁判全国連絡会)、「原発事故は人災、政府がきちんと対応しないことが問題だ。農業と原発は両立しない。安全な農産物を作る福島・日本を取り戻すためがんばろう」(福島県農民連・亀田会長)などの発言がつづきました。
公務部会を代表して自治労連の猿橋書記長は、「東日本大震災から11ヶ月経過するが、いまだに避難者が全国に34万人、がれきの最終処分も4%、警戒区域は手つかずだ。公務員は現在も被災者のため働いている。公務公共サービスの拡充を民間の人と一緒にすすめ、社会保障・教育の拡充、大きな世論をつくる運動を進めたい」と決意をのべました。全労連女性部・新婦人のみなさんは、「女性の労働者の8割は年収200万円以下」「莫大な内部留保を溜め込む大企業、過酷な労働環境で過労、心身ともに疲れ果てている」「露払いで国家公務員の賃下げに」「女性労働者の使い捨ては許せない!」とそれぞれ切実な要求を訴えました。
最後に青年からの訴えを含めてシュプレヒコールし、国公労連の廣瀬中央執行委員が集会アピールを提案、採択されました。
公務員賃下げ阻止しよう!公務・公共サービス拡充を
――総務省前要求行動
中央集会後、財務省前・農水省前・総務省前で、同時並行で要求行動がとりくまれました。
総務省前の要求行動の主催者あいさつにたった全労連公務部会の北村代表委員は、「国民の負担増を目的に公務員の賃下げ、議員定数の削減を強行しようとしている。特例法による賃金の引き下げは憲法違反であり、景気にもマイナスの影響を与える。公務・公共サービスの拡充求め、団結して運動すすめよう」と呼びかけました。情勢報告した公務部会の黒田事務局長は、「政府は『身を切る』として、公務員人件費削減と社会保障を両輪として公務員賃下げを国民犠牲の突破口としている。増税反対、社会保障と税の一体改悪反対で、政府の狙いを打ち砕くまで奮闘しよう」と呼びかけました。
決意表明では「大震災だけではなく各地の水害などで地方出先機関の役割の重要性が再認識され、大きなうねりとなっている。私たちが議員要請にとりくんできた結果が『守る会』に結びつき、全国で採択されている。運動の成果に確信をもち、国民の安全・安心な公共サービスの確立を求める運動を展開していく」(国土交通労働組合・合羽井副委員長)、「被災地・東北では身体と心のケアが深刻な状況のなか、教職員は使命感で必死でがんばっている。公共サービスの切り捨ては許されない」(都教組・坂爪副委員長)、「職員基本条例では知事や市長などが目標を決め、逆らうと5%ずつ首切りしようとしており、労働基本権に反している。法律に基づかない賃下げの行き着く先が、大阪で実践されている」(大阪自治労連・中町専門委員)、「独立行政法人の統合反対、サービス拡充を大きな世論にしていく」(特殊法人労連・岡村事務局次長)、「被災地・仙台では、これからがカネがいる、春闘を本気でたたかおうと現場労働者が奮起している。ともにたたかおう」(JMIU・川口副委員長)と決意を語りました。
被災者や国民の安心・安全を守る予算に
――財務省前要求行動
財務省前での行動では、全労連の根本副議長が主催者あいさつ。続いて行われた各団体の決意表明では、全教・北海道高教組の小室書記次長、全国商工団体連合会(全商連)の中山常任理事、JAL不当解雇撤回裁判原告団の斉藤さん、全労連・全国一般東京地本の室井委員長など各代表が発言しました。
全教・北海道高教組の小室書記次長は「2012年予算案は大企業奉仕の予算であり、被災者や国民の暮らしや安心・安全を守る予算になっていない。福島の子どもたちの医療費も出さず、就職できない高校生を放置している。震災を口実にした公務員賃下げと消費税増税は許されない。国・財務省は国民のためにしっかり働いてほしい」と訴えました。
JAL不当解雇撤回裁判原告団の斉藤さんは、「私たちは病気と怪我を理由に解雇された。いまのJALは具合が悪くても休めず、空の安心・安全より利益最優先の会社になってしまった。国民ばかりに痛みを押しつけるのは、JALも国も同じ。私たちの運動でこの国を変えよう」と呼びかけました。
「日本経団連にもの申す!仕事よこせ!」怒りの発言
――経団連前要求行動
16時から労働者派遣法の抜本改正、非正規労働者の雇い止め反対、均等待遇の実現などを求め、日本経団連会館前に結集。国民春闘共闘・国分代表委員が主催者あいさつのあと、「日本経団連にもの申す!仕事よこせ!」と、JAL不当解雇撤回裁判原告団の山口団長、JMIU日本IBM支部の大岡中央執行委員長、全労連全国一般アンフィニ−の池田分会長、ソニー労組仙台支部の小高副委員長、建設首都圏共闘の河野副議長の5団体の仲間が怒りの発言をしました。
ソニー労組仙台支部の小高さんは、「非正規労働者も同じ人間。もう黙ってはいない。被災地は厳しい生活実態なのに、ソニー仙台テクノロジーセンターは復旧作業に真っ先に駆けつけた期間社員を大量解雇しようとしたが、若者14人が立ち上がって労働組合を結成した。安心して働き生活できる社会にするため、力あわせてがんばろう」と被災地から奮闘する決意を表明しました。
この経団連前行動に先立ち、銀座やJR東京駅前をパレード。東京電力本社では「原発事故の責任をとれ」「ただちに全面賠償を行え」と抗議。大漁旗を振って歩いた一団は、東北6県から上京した生協労連のパートの仲間総勢100人が、震災復興と最低賃金が空高く引きあがるようユニークな横断幕や色とりどりのプラカードでアピール。国公労働者も「賃上げで景気を回復しよう」「震災復興にまわせ」「消費税の増税は許さないぞ」と市民に訴えました。
以上
|