国公労連は2月27日、憲法違反の「賃下げ法案」の暴挙を許さないため、冷風吹くなか国会前座り込み行動を国公単独で実施し、120名が参加しました。午後は参議院議員に対する国会議員要請を実施しました。
午前10時、参議院議員会館前で座り込み行動を開始しました。
冷たい強風が吹くなか、リレートークや各地から届いた激励メッセージを紹介しながら、昼前まで座り込みを続けました。民間労組も駆けつけ、全労連・全国一般、民事法務協会労働組合、国共病組が激励あいさつしました。
日本の民主主義を守るため、廃案までたたかおう!
――昼休み行動に120人が結集
国会前の昼休み行動には120人が駆けつけました。
主催者あいさつに立った国公労連の宮垣中央執行委員長は、民主、自民、公明3党が賃下げ法案を2月23日の衆議院総務委員会でわずか2時間あまりの審議で可決し、参議院に送付したことに強く抗議し、「課長10%の賃金カットは、懲戒処分の水準だ。全国の国家公務員が懲戒処分を受けるような悪いことでもやったのか。自衛隊や議員秘書には軽減の特例措置を設けながら、自らも被災し被災者のために一生懸命に尽くした被災地の公務員に対する特例もない。労働組合の意見も聞かない憲法違反の賃下げ法案は断じて許されない。日本の民主主義を守るために、廃案にするまで最後までたたかおう」と呼びかけました。
連帯あいさつした農民連・上山運動部次長は、「生きる糧である賃下げを行い、社会保障・税一体改革と言いながら社会保障改悪、消費税増税は許されない。暮らしと雇用を脅かすTPP、消費税増税、原発の反対運動の共同が大きく広がっている。悪法阻止のため、がんばろう」と激励のエールを送りました。
決意表明した東京国公の植松事務局長は「衆院採決強行に怒りを感じる。いまこそ労働組合が問われている。東京国公は2回の国会請願デモ、のべ22回の街頭宣伝、国会議員要請を実施したが参加者の半分は民間だ。22日の春闘行動にも官民176人の仲間が支援に駆けつけてくれた。廃案のために、民間・地域・民主団体の仲間と固く連帯して全力でたたかう」と訴えました。
昼休み行動終了後、午後から参議院全議員への国会議員要請行動を一気に実施しました。
「復興がすすまない」「労働者の使い捨てやめろ」各分野から怒りの発言
――日比谷野音で総決起集会
日比谷野外音楽堂では12時すぎから「国民のいのち・暮らしを守る2・10中央総決起集会」(同実行委員会主催)が開催されました。主催者あいさつした全労連の大黒議長は、「野田首相は米国や財界のいいなりになっている。国家公務員の賃下げは、地方公務員、民間労働者にも大きく波及する。大企業の内部留保は266兆円にものぼる。財界に怒りを!消費税増税・TPP参加反対の運動を発展させよう」と呼びかけました。
連帯あいさつでは、日本共産党の市田書記局長(参議院議員)から、「国会の最大焦点は消費税増税と社会保障一体改悪だ。政治を動かす主人公は国民。悪政を許さない闘いをつくりだそう」と力強い訴えがありました。
続いて、各団体からの発言・交流が行われました。「東日本大震災から、地方整備局は大事な存在で、拡充が必要だと実感した。公契約条例を広げる運動をたたかう」(建設首都圏共闘・宮田議長)、「大震災から1年たったが、街作りが進まず復興が立ち遅れている。宮城の失業率は7.5%で全国平均より高い。1%の大企業が99%の上に立っている状況を、春闘の闘いで乗り越えたい」(宮城県労連・小玉常任幹事)、「陳情しても最低賃金の引き上げが1円2円でしかない。最低賃金は国民一人ひとりがかかわる大きな問題。運動を広げよう」(みやぎ生協労組・伊藤副委員長)、「国民年金が満額で6万円、平均は4.7万円でしかない。無年金者も70万人いる。生存権裁判で勝ち抜こう」(全生連・年金者組合・生存権裁判全国連絡会)、「原発事故は人災、政府がきちんと対応しないことが問題だ。農業と原発は両立しない。安全な農産物を作る福島・日本を取り戻すためがんばろう」(福島県農民連・亀田会長)などの発言がつづきました。
公務部会を代表して自治労連の猿橋書記長は、「東日本大震災から11ヶ月経過するが、いまだに避難者が全国に34万人、がれきの最終処分も4%、警戒区域は手つかずだ。公務員は現在も被災者のため働いている。公務公共サービスの拡充を民間の人と一緒にすすめ、社会保障・教育の拡充、大きな世論をつくる運動を進めたい」と決意をのべました。全労連女性部・新婦人のみなさんは、「女性の労働者の8割は年収200万円以下」「莫大な内部留保を溜め込む大企業、過酷な労働環境で過労、心身ともに疲れ果てている」「露払いで国家公務員の賃下げに」「女性労働者の使い捨ては許せない!」とそれぞれ切実な要求を訴えました。
最後に青年からの訴えを含めてシュプレヒコールし、国公労連の廣瀬中央執行委員が集会アピールを提案、採択されました。
「官も民も賃下げ合戦している場合ではない」
北海道国公が自民、民主、共産党に議員要請
中央集会後、財務省前・農水省前・総務省前で、同時並行で要求行動がとりくまれました。
総務省前の要求行動の主催者あいさつにたった全労連公務部会の北村代表委員は、「国民の負担増を目的に公務員の賃下げ、議員定数の削減を強行しようとしている。特例法による賃金の引き下げは憲法違反であり、景気にもマイナスの影響を与える。公務・公共サービスの拡充求め、団結して運動すすめよう」と呼びかけました。情勢報告した公務部会の黒田事務局長は、「政府は『身を切る』として、公務員人件費削減と社会保障を両輪として公務員賃下げを国民犠牲の突破口としている。増税反対、社会保障と税の一体改悪反対で、政府の狙いを打ち砕くまで奮闘しよう」と呼びかけました。
決意表明では「大震災だけではなく各地の水害などで地方出先機関の役割の重要性が再認識され、大きなうねりとなっている。私たちが議員要請にとりくんできた結果が『守る会』に結びつき、全国で採択されている。運動の成果に確信をもち、国民の安全・安心な公共サービスの確立を求める運動を展開していく」(国土交通労働組合・合羽井副委員長)、「被災地・東北では身体と心のケアが深刻な状況のなか、教職員は使命感で必死でがんばっている。公共サービスの切り捨ては許されない」(都教組・坂爪副委員長)、「職員基本条例では知事や市長などが目標を決め、逆らうと5%ずつ首切りしようとしており、労働基本権に反している。法律に基づかない賃下げの行き着く先が、大阪で実践されている」(大阪自治労連・中町専門委員)、「独立行政法人の統合反対、サービス拡充を大きな世論にしていく」(特殊法人労連・岡村事務局次長)、「被災地・仙台では、これからがカネがいる、春闘を本気でたたかおうと現場労働者が奮起している。ともにたたかおう」(JMIU・川口副委員長)と決意を語りました。
被災者や国民の安心・安全を守る予算に
――財務省前要求行動
【北海道国公発】 北海道国公は2月27日、民主・自民・公明3党の密室協議により合意された「賃下げ法案」の参議院での徹底した審議と廃案を求め、札幌市内の参議院議員6名全ての地元事務所を道労連・道公務共闘の仲間と一緒に要請行動を展開しました。
朝9時30分からの橋本聖子参議院議員事務所(自民)を皮切りに、長谷川岳事務所(自民)、徳永エリ事務所(民主)、小川勝也事務所(民主)、伊達忠一事務所(自民)、紙智子事務所(共産)を訪問し、各地元事務所の秘書に北海道国公頼本副議長より「要請書」を手渡し、今回の3党合意で出された法案が、「憲法違反である」「地方公務員にも影響する」「地域経済を一層疲弊させる。」「衆議院での審議があまりにも短く、審議したとは言えない」「当事者である国家公務員を代表する労働組合・国公労連に何ら説明もされていない」「良識の府と呼ばれる参議院において徹底審議を行って、メディアでは明らかになっていないこの法案の問題点を国民の前にしっかり明らかにして廃案にすべきであり、その立場に立って、議員には奮闘して欲しい」と緊迫した情勢を背景に参議院での徹底審議と廃案を訴えました。
対応した地元秘書は民主・自民にかかわらず一様に、「議員に伝える」「議員は個人的にはデフレを加速させるこの法案には反対」「官も民も賃下げ合戦をしている場合ではない」と言う一方で、「政党人としての立場もある」「議員秘書は国会議員とは違う」「公務員はまだ民間に比べると優遇されている」などと話す秘書もおり、要請は平行線をたどりました。共産党は「最後まであきらめずに一緒にがんばりましょう」と声を掛けてくれました。
北海道国公は、参議院総務委員全25人に抗議打電を送るなどやれることは何でも行う姿勢で官民一体となって最後の最後まで、賃下げ法案阻止に向けて奮闘します。
以上
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