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国公労連速報 2012年5月10日《No.2753》
 独立行政法人の通則法「改正」法案について行革推進室交渉
     
 

 

 国公労連は5月9日、学研労協と特殊法人労連とともに、独立行政法人の通則法「改正」法案について行革推進室と交渉を行いました。国公労連は岩崎副委員長を責任者に単組代表など14人が参加し、行革推進室は松村事務局次長と横山参事官、蔵持企画官等が対応しました。


  • 「独立行政法人」から「行政法人」と名称が変更されているが、「独立」がなくなったことは、国の関与を強めるということか。
  • 今回の制度改革は、法人が国の政策を実施するにあたって、その機能を最大限に発揮できるようにするためにある。それを端的に表現するために「行政法人」とした。
  • 国の政策実施機能の強化や、行政執行法人が国の指示その他の相当な関与を受けるとされているが、それなら各法人の業務を国に戻すべきではないのか。
  • 一方で、今回新たに「行政法人の事務及び事業の特性」は「十分配慮されなければならない」としていることを合わせて考えるべきだ。
  • 自主性・自律性の発揮等がうたわれているが、定義(第2条)で「中期目標行政法人」については、国が定める目標を達成するための計画にもとづきその事務及び事業を効率的に行うもとして個別法で定めるとしており、国の関与が強められると判断されるが、「自主性・自律性の発揮」とは相いれないのではないか。
  • 今回の制度設計の目玉は類型化で、7つの「中期目標行政法人」と「行政執行法人」という形態が新たにできた。そうした類型ごとの事務・事業の特性を配慮するものであって、主務大臣の関与を強めるからといって矛盾するものではない。
  • 「事務及び事業が内外の社会経済情勢を踏まえつつ適切に行われる」とあるが、「内外の社会経済情勢」は誰が判断するのか。
  • 法律の運用にあたっての主体であるから、通則法であれば各制度所管省庁であり、個別法であれば主務大臣が判断する。
  • 1月の閣議決定では「成果目標達成法人」とされていたものが、「中期目標行政法人」となった理由は何か。
  • 中期目標管理がなじむ法人として位置づけたので、端的な名称とした。
  • 「中期目標行政法人」「行政執行法人」以外とされた国立病院や都市再生機構などについては、通則法「改正」と新法人化が同時とならない場合、法人形態はどうなるのか。
  • この法律が制定された場合、平成26年4月までに法制上の措置を講じる義務を課している。国会の状況によって法制上の措置が講じられなかった場合でも政令によって例えば「中期目標行政法人」として一定期間運営できるよう経過措置を設けている。
  • 「総務省に、行政法人評価制度委員会(以下、委員会)を置く」とされているが、メンバーの構成等はどのような者になるのか。専門的な観点からの評価ができるのか。
  • メンバー構成はこれから考える問題であり、実際に任命するのは総理大臣である。我々が想定しているのは、各分野の学識経験者や専門家をバランス良く選ぶということだ。今までの各省の評価委員会というのは直接評価していたが、今回の総務省に置かれる委員会は直接評価ではなく評価をチェックすることになる。しかも毎年度チェックするのではなくて中期目標期間の業務実績評価をチェックするということで今までの評価委員会よりかなり業務が軽減される。
  • 主務大臣は業務評価書の作成や目標の設定、評価を行うが、大臣自身の責任はどう取るのか。
  • 今までは各省の評価委員会と総務省政独委という第三者機関が評価の主体だったが、今回は主務大臣が行うので責任も大臣が取ることになる。
  • 中期目標行政法人、国立研究開発法人の長の任期が中期目標の期間などの範囲とされているが、実際には、中期目標に基づく中期計画の策定には関われないのではないか。また、年限を区切ることによって長期的な業務や研究がおろそかになるのではないか。
  • 法人の長は必要ならば再任も認めているので、そうした危惧はない。
  • 主務大臣による業務方法書の認可にあたって、委員会の意見を聞く必要がなくなったことでどういう効果があるのか。
  • 業務の負担が無くなったと同時に主務大臣が一元的に責任を負うということだ。
  • 「行政法人の業務の適性を確保するための体制の整備に関する事項」とはどういうものか。
  • これは2〜3年前から政独委の方で内部統制を評価の視点としてはかるべきということがあり、法律の根拠として置いたものだ。
  • 総務大臣は中期目標の評価に関する指針を定めることとされているが、指針の内容はどんなものになるのか。また、指針及び中期目標の両方で委員会の意見を聞くこととされているが、委員会に調整機能を持たせるのか。
  • これから総務大臣が指針を定めるわけで確たることは言えないが、例えば今までは各省評価委員会ごとにバラバラで使用されていた評語を統一するであるとか、目標についても様々な解釈が可能な抽象的なものが多かった点をできるだけ明確にするという方向性になるだろう。こうした指針によって、主務大臣が客観的に評価できるようにする。また、指針は共通的なものと類型的なものを定めることを想定している。
  • 業務実績の評価について、大臣(政権)の交代などによって評価の指針や評価結果が変わることになれば、業務運営・研究などに支障をきたすばかりでなく、業務の存廃判断にも多大な影響を与えるのではないか。
  • どのような政権に交代するのかという想定ができないので答えられない。
  • 研究開発行政法人の評価について、委員会及び総合科学技術・イノベーション会議に評価結果を通知し、それぞれが評価結果について意見を述べることとされているが、異なる意見の場合はどうなるのか。また、結局ダブルチェックが行われることとなり、「評価疲れ」は解消されないのではないか。
  • 研究法人についての「評価疲れ」の問題は、内閣府の科学技術担当などにも意見が寄せられていて、この1月から委員会と総合科学技術会議の双方で検討が行われているところだ。イノベーション会議は科学技術基本計画との整合性の確保が必要という点で、委員会においてはムダの徹底的な削減など効率性の点で評価していくことになるのではないか。この2つが合同で委員会を開催したり手続きを簡素化したりする工夫を政令で行うことになるのではないか。
  • 今回の福島原発事故における廃炉にしても30年以上という長いスパンの対応が必要になっている。そもそも研究機関はシーズから応用までの10〜20年の長期的な研究が必要だ。しかし、この間、長期的な展望に立ったシーズ研究はどんどん無くなっていき、短期的な研究ばかりが増えているのが現実であり、これに危機感を持つべきだ。中期目標に縛られない長期的な目標を掲げる必要がある。
  • 今回、研究法人については中期目標の期間を7年までのばしたという点は大きな決断だと考えている。さらに長期的な研究については、総合科学技術会議を改組するなどして検討することにしている。
  • 主務大臣が評価に基づき組織の存廃等の検討を行うとして、わざわざ業務・組織の廃止を例にあげているのは、第2条の法人の存立定義と矛盾するのではないか。また、これまで通則法で事業の改廃に触れていたが、組織の改廃は個別法で決めており、組織・法人の改廃となれば通則法ではなく個別法で決めるものなので、通則法に明記しなくともいいのではないか。「廃止ありき」の「改悪」ではないのか。事務・組織の廃止を主務大臣が「単独」決定できるとすれば、大臣の正誤を誰がチェックするのか。
  • 運営費交付金は国民の税金であり、それによって法人は運営されているのだから、必要の無くなった業務・組織の廃止はありうるので、第2条とは矛盾しない。個別法は廃止が決まってから廃止する個別法を作ることになり、廃止を決めるのは通則法なので、通則法で定める必要がある。主務大臣のチェックは委員会がする。必要な場合は意見を言うだけでなく勧告を行い、さらに総理大臣への意見具申を行うという仕組みにしている。
  • 主務大臣の検討結果に基づき、中期目標行政法人の業務・組織廃止などが可能になっている一方、委員会が廃止等に関して主務大臣に勧告することができるとされているが、異なる意見の場合はどうなるのか。また、委員会が総理大臣に対し、勧告にもとづく措置がとられるよう意見を具申することができるとされているが、委員会にそこまで権限を持たせる必要性はあるのか。
  • 主務大臣の検討結果に「お手盛り」との批判が寄せられることに対して、厳格性・客観性を確保するため委員会がチェックする。まさに「お手盛り」であった場合に実効性を確保するために権限を持たせている。
  • 主務大臣は行政執行法人が達成すべき業務運営に関する目標を定め、法人に指示することとされているが、目標の決定プロセスはどうなるのか。
  • 行政執行法人は中期目標行政法人に比べると簡素な手続きで目標を設定することになる。そして、総務大臣が定める指針に沿って行政執行法人の目標を主務大臣が定める。
  • 「会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は役員(監事を除く)及び職員に対し、会計に関する報告を求めることができる」とされているが、「いつでも」できることによって、監査という本来業務以外の業務に手が取られることが懸念される。
  • 膨大な業務の中で今の監査は何をしたらいいのかという迷いが生じているため、監査人に権限と具体的な業務を与えた。
  • 第46条2項では、「行政法人は、業務運営にあたっては、前項の規定による交付金について、国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに留意し、法令の規定及び中期目標行政法人の中期計画又は行政執行法人の事業計画に従って適切かつ効率的に使用するよう努めなければならない」とされているが、法人の自主性・自律性を事実上縛る条文ではないのか。
  • 2年前に理化学研究所で不適切な業務運営により発生した横領事件などを念頭に、ここでは国民の税金を適切に使うように求めているということであり、自主性・自律性を縛るものではない。
  • 役職員の密接関係法人等への再就職あっせんを禁止する一方、第2項に例外事項が定められているが、「先に職員の削減ありき」になっていないか。1月の閣議決定で統合・大幅な合理化の対象となった法人での「離職」を想定しているということか。
  • 現在、特定独法の職員には再就職あっせんは禁止されているが、非特定独法の職員には何もない。そうした中で、再就職あっせんを禁止すると例外を設ける必要があるということであり、職員の削減ありきではない。
  • 「基礎研究、福祉に関する業務その他円滑な再就職に特に配慮を要する業務として政令で定めるものに従事していた役職員」とは、具体的にはどんな業務を想定しているのか。
  • 今後精査し政令で定めることになるわけだが、高い能力を持つ人材の新陳代謝をはかるということを想定している。
  • 事業縮小と組織廃止の違いで再就職あっせんの内容に差をつける必要があるのか。
  • ここは毎年度の見直しと組織廃止を分け、毎年度の事務・事業レベルの見直しで少人数の離職を余儀なくされる場合と、組織廃止等の大規模な場合は区別してきちんと再就職をあっせんするとした。
  • 「法人の業務の縮小又は内部組織の合理化が行われることにより、当該中期目標行政法人の組織の意志決定の権限を実質的に有しない地位として主務大臣が指定した者以外の地位に就いたことがない役職員」の具体的な範囲はどのように考えているのか。ガイドライン的なものは示されるのか。
  • 今後、具体的に精査していく。
  • 「政令で定める人数以上の役職員が離職を余儀なくされる場合」の政令で定める人数はどの程度を考えているのか。たとえ1人でもキチンと対応するべきではないか。また、「就職の援助のための措置」は誰が作成するのか。
  • 今後、政令は検討していく。「就職の援助のための措置」は主務大臣や法人の長が作成することになるだろう。
  • 法令等違反行為を行った役職員について「営利企業等に対し、離職後に当該営利企業等の地位に就くことを要求し、又は約束してはならない」としているが、内部の処分でも該当することを想定しているのか。
  • 法令等違反には内部の規則違反も含まれる。
  • 役職員が離職後に営利企業等に再就職する場合「法人の長に政令で定める事項を届け出なければならない」とされているが、届け出だけで他の要件はないのか。届け出をしても認められないことがあるのか。
  • 届け出を認めないということはありえない。政令で定める事項は今後検討する。
  • 中期目標行政法人及び行政執行法人の職員の給与水準決定要素は、@国家公務員の給与等、A民間企業の給与等、B行政法人の実績、となっているが、今まで入っていなかった国家公務員給与が入った理由は何か。
  • 今までは社会一般の情勢としていたが、社会一般の情勢とは国家公務員の給与であり、民間企業の給与であると考えていたわけで、それを明確化しただけだ。
  • 中期目標行政法人では国家公務員給与を「考慮」するのに対し、行政執行法人は「参酌」している理由は何か。
  • 行政執行法人は国と一体になって業務を行う法人という位置づけに変わったので、「考慮」より強い意味合いの「参酌」という言葉を使った。
  • 行政執行法人では「人件費の見積もり」がうたわれているが、自主性・自律性を縛ることになるのではないか。
  • 基本的に中期目標行政法人も行政執行法人も給与の策定については、労使交渉によって決められるということになっており、これを決して妨げるものではない。


以上 


 
 
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