国公労連は、民主党の有志議員が3月27日に設立した「基礎自治体と力を合わせて国民の命を守る議員連盟」の代表である小泉俊明衆議院議員(4月22日)と事務局次長の福嶋健一郎衆議院議員(5月8日)との懇談をとりくみました。
東日本大震災から何を学ぶのか
小泉議員との懇談には、九後書記次長を責任者に国公労連の高木中執と全法務、全経済、国土交通、全通信の代表の総勢7名が参加しました。懇談の冒頭、九後書記次長は国民・地域住民の安全・安心を守る立場から、国の出先機関の廃止・移譲ありきではなく、国民・地域住民の利益増進につながる議論を求めて運動を進めている国公労連の立場を紹介し、「議員連盟の皆さんのお考えへの理解を深めたい」と懇談の趣旨を述べました。
小泉議員はまず「国には国民の命を守る使命がある」と述べ、東日本大震災当時の国土交通大臣政務官としての政府対策本部での陣頭指揮の経験も踏まえ、「出先機関を通じてやっと情報が入るようになった」、「日本中から物資も人員も集め機動的に対処した」と出先機関の果たした役割に触れ、「有事にも機能することが大事」と強調しました。同時に「平時と有事は一体」と述べ、日頃からの全国斉一での訓練・教育の必要性を指摘しました。
また、想定される大地震災害への備えとして、「国と基礎自治体との連絡体制の充実」、「OBなども含めた動員・協力体制の確立」などの課題を挙げたのち、「地方分権は認めるが、任せて良いもの・悪いものがある」、「統治機構は手段。手段の変更を目的化してはならない」、「多くの犠牲を出した3.11から何を学ぶのか。そのことが最も問われている」と結び、それぞれの立場で「出先機関の原則廃止」への問題意識を広げていこうと激励をいただきました。
それぞれの出先機関が果たす役割も知りたい
福嶋議員との懇談にも九後書記次長を責任者に、国公労連の高木中執と全法務、全経済、国土交通、全通信の代表の総勢6名が参加しました。懇談の冒頭、九後書記次長は小泉議員の時と同様、国公労連の立場を紹介し、懇談の趣旨を述べました。
福嶋議員はまず「震災があったのに拙速。今の進め方は問題」と述べ、交通インフラをはじめ東日本大震災からの応急復旧で出先機関が果たした役割を引き合いに「国の責任で行わなければならないものがはっきりした」と述べ、危機管理の観点で持つべき機能の重要性を指摘しました。さらに、多くの市町村長が反対していることに触れ、「地元周辺の皆さんの意見も聴きながら十分に議論する必要」と強調しました。また、現時点では議論の焦点が地方整備局に集中しているとし、「ほかの出先機関が果たしている役割も知り、考えを深めたい」と述べ、この問題について知らない、考えていない議員が多いことにも触れて、訴えを広げていこうと激励をいただきました。最後に、九後書記次長から5・25院内集会への参加等の要請を手交しました。
今こそ理解・共感を広げるとき
出先機関廃止への危惧は大きな広がりをみせています。今年の1月中旬以降だけでも、群馬県や和歌山県、長崎県の市長会、島根県や熊本県、長崎県の町村会が「拙速な廃止に反対」の意思表明や、市町村の意見反映と慎重な検討の各方面への要望を行っています。
また、全国447(3月3日総会当時)の市町村長が集う「地方を守る会」の総会が開催され、「市町村の意見を十分に聞き、拙速に廃止論を進めないよう要望する」旨を決議し、全国市長会が同様の「意見」をまとめ、政府に提出しています。さらに、民主党、自民党の国会議員有志が議員連盟を設けるなど、国会議員にも広がっています。
こうした情況から、今こそ「アクション・プラン」の実行阻止・撤回にむけて、各ブロック国公が主体となってとりくんでいる国会請願署名の押し上げを追求するとともに、首長や地方議会議員、自治体、県労連などの労働組合、職場・地域での対話をさらに押し進め、出先機関の果たす役割について、理解・共感を大きく広げることが求められています。
さらに、5月25日の中央行動では、各ブロック国公が主体となってとりくんでいる国会請願署名提出行動と決起的な院内集会を配置しています。全国各地から多数の参加で、「出先機関廃止は許さない」の声を国会へ届けるとともに、公務・民間労組や民主団体との共同のとりくみを発展させていきましょう。
以上
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