国公労連結成30周年記念
公務の公共性を考える集会(2005.6.4) 参加者の感想文より


▼記念講演の感想
(「構造改革」と日本経済 暮らし経済研究室主宰 山家悠紀夫氏)


◆山家先生のお話を聞き、政府及び財界が、日本という国を食い物にしていることを再認識しました。強者の社会は、まさに過去の日本が起こした過ちを繰り返そうとしていると感じます。国民のための国づくりでなく、大企業や政府のための国づくりは、私たちの未来をとざすものと考えます。都合の悪い事実は隠し、都合のよい利用できる事実だけをメディアを通し、国民に“公務は悪”という意識を植え付けている。真実をすり替えていることの裏付けを感じることができ、たいへんおもしろく、興味の持てる講演でした。

◆山家先生の講演を聴き、改めて現在の政府の政策内容を再認識しました。構造改革の方向でこのまま推移していくことに恐怖を感じ、自分の子どもが成長し、“監獄社会”になっていると考えると、いま奮闘して、構造改革をストップさせなければと思いました。

◆山家先生の講演は大変わかりやすく、構造改革の中身がよく理解できました。

◆公務員をとりまく情勢は年々厳しくなっていることを身を持って感じています。公務員バッシングのなか、賃金闘争など地域との共闘がなかなかできません。しかし、今日の講演にもあったように、「弱いものいじめ」の根源は構造改革であり、何も言わなければ、公務員だけでなく国民全体が冷や飯を食ってしまうので、公平性・効率性・専門性などを考えながら自信を持って組合活動をしていかないといけないと思いました。

◆山家先生の講演は示唆に富んだ話が多く、非常にわかりやすいものであったと思います。

◆山家先生のデータに基づいた小泉「構造改革」批判は、とても勉強になりました。大資本がさらなる「もうけ」を求めて、国民を苦しめるだけの「改革」をすすめていることがよくわかりました。この流れを絶対に止めなくてはならないと思いました。

◆山家先生の話を聞きたくて参加したが、予想以上にすばらしい講演でした。何より「構造改革」の本質を数字を交えて解明され、理解が深まりました。日頃わかったように「構造改革…」と使っていますが、深く理解した上で使う必要があると思いました。その点でも深く考えさせられました。

▼パネルディスカッションおよび集会全体の感想
(21世紀初頭の公務の公共性を考える パネリスト 大阪市立大学名誉教授・宮本憲一氏、専修大学教授・晴山一穂氏、神戸大学教授・二宮厚美氏 コーディネーター 法政大学教授・浜川清氏)


◆公務という独自の性格を持つ仕事の中で、自らが行っている業務が、本当に国民のためになっているのか考えさせられた。普段予算の消化や仕事の忙しさにかまけて、仕事・公務本来のあり方を見失っているような気がしました。

◆今までも国民サービスの低下につながるという宣伝をしてきましたが、今回の講演とパネルディスカッションを受けて、今まで気づかなかった根拠というかバックボーンを教えていただいた思いです。改めて職場を見て、国民を見て、宮本先生のまとめの通り、何が公共性か考えたいし、公共性・効率性・専門性といった三つの指標を大切にしたい。

◆公務とは何か?を深める有意義な議論でした。とりわけ、晴山先生の公務の民間開放の法的問題点と二宮先生による公共性の三つの基準は、これまでモヤモヤしていた部分が少し晴れました。問題は、この理論的な検討を組合活動の中で、どうたたいていくかです。今の国公労働運動は、やはり国民生活から遠いところにあります。そのミゾをどう埋めていくのか?今日一日、とても示唆に富む内容でした。

◆大変すばらしい集会をありがとうございました。「公務の公共性」を考えていく上での方向性が見えてきたように感じます。集会で得られた成果を今後、様々なものごとを考えていくにあたって大切にしていきたいと思います。

◆各先生から、公共性の考え方や必要性が十分勉強できました。宮本先生の指摘で「労働組合が国民に公務の公共性の重要性を訴えることが足りない」という発言は、真摯に受けとめる必要があると思います。

◆「公共性」というと抽象的でとっつきにくいのですが、パネルディスカッションの中で、考える基準、見方が見えてきました。自分自身の行っている省庁の行政について、その公共性について考えていきたい。あわせて、国民に信頼される行政は何か。行政民主化運動や政策作りを引き続き進めたい。

◆「公共性を確保することと、これまでの公務を維持することは違う」という指摘は、その通りであると思います。ただ今の職場を守るために公共性を主張することがないよう自らの業務を見つめ直す必要があると思います。

◆公務のあり方をめぐって、あるべき方向は明確になってきたのではないだろうか。その方向を照らす光は日本国憲法とその理念であろう。非常に有意義な集会であったし、私たち国公労働者の果たす役割は大きなものがあることがわかった気がする。

◆政府の構造改革路線の推進が、大規模に、しかも急速に進められつつある下で、私たちの運動の方向性と、テンポが合致していないのではないかと感じた。「公共性」の具体化や、国民に分かりやすく、信頼を得る運動の重要性は言うまでもないが、学習し、意思統一をしている間に、たたかいも終わってしまうような危機感を感じています。

◆“明日の労働運動で使えるものばかりでしたね”私たちの職場で何が公共性なのかを明らかにし、国民の信頼を得る運動をしていきたいと思いました。たいへん勉強になりました。自分たちの運動に欠けているものが見えました。





前のページへ