自衛軍保持へ九条改悪
軍事裁判所設置も 自民が改憲要綱案
自民党の新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)は七日、「自衛軍を保持する」などと明記した改憲要綱第一次素案を発表しました。四月に発表した「小委員会要綱」をさらに整理したもので、十一月に発表される同党改憲草案のたたき台となります。
自衛軍の保持は、「戦力不保持」を宣言した九条二項の改悪そのものです。さらに「自衛軍は、国際の平和と安定に寄与する」として、アメリカとともに海外で戦争する体制づくりを狙っています。「軍事裁判所の設置」も盛り込んでいます。
前文については、盛り込むべき要素として、「国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻んできた」と天皇中心の歴史観を強調。ブッシュ戦略と同様の表現で「地球上いずこにおいても圧政や人権侵害を排除する」ことを国の目標として掲げるなど、九条改憲とあわせ、地球規模での軍事力行使を辞さない姿勢を示しています。
国民の権利については「義務が伴う」と明記。「公共の福祉」を「国家の安全と社会秩序を維持する概念」などとして、権利制限の口実とするなど、人権尊重より国家の秩序を重視する考え方を打ち出しています。
一方、国民の「国防の責務」については、今後の検討課題としました。
憲法改正については、国会による発議の要件を現行の三分の二以上の賛成から「各議院の総議員の過半数の賛成」に緩和しています。
2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」より転載
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