2005年4月20日
御中
日本国家公務員労働組合連合会 中央執行委員長 堀口士郎 公共サービスの商品化反対にかかわる要請書
政府は、05年度、06年度を「構造改革」の重点強化期間とし、「官から民へ」の公共サービス商品化の動きを強めています。 公共サービスの提供が効率的であるべきことは当然です。しかし同時に、効率性を優先するあまり、公共サービスの本質である基本的人権の実現や、社会的不平等の是正、公正を基礎にした社会の安定帯維持などの点が軽視されてはなりません。 政府は、すべての官業を対象にした「市場化テスト(官民競争入札)」を民間開放のための横断的手法と位置づけた具体化を進めています。その際、規制改革や民間開放は民間企業のビジネスチャンスの拡大とも位置づけています。これでは、公共サービスも金次第とされ、あまねく公平にサービスが受けられなくなりかねません。そして、社会的な不平等と格差を拡大する結果さえ懸念されます。それは、国民の権利や暮らしの基盤の掘り崩しを意味しています。 この課題を検討している経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議の構成が、財界・大企業の代表と一部の学者等によるものであることにも問題意識を持っています。幅広い国民的な議論と国会における判断が保障されていないからです。 私たちは、現在の状況でも社会的格差が拡大し、そのことに起因する国民の不安、不満が急速に高まっていると感じています。その点からも、進められようとしている規制改革や市場化テストには賛同できません。 行財政改革の今日的な課題は、「競争より公正な社会を」を実現するため、国民生活本位の行財政・司法、公共サービスの確立にあることを主張したいと思います。 以上の点のご理解をいただきますとともに、下記につき、ご検討いただきますよう要請いたします。 記
以上
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