郵政民営化関連法案の閣議決定に抗議する(談話)
政府は27日夜、臨時閣議を開き、郵政公社を民営化するための郵政民営化関連6法案を決定、国会に提出した。国公労連は、「なぜ、郵便局を民営化なのか」「身近な郵便局はどうなるのか」などの国民の不安や懸念には何も応えず、財界やアメリカの要求にもとづいた「はじめに民営化ありき」の暴挙に断固抗議するものである。 法案の骨子は、(1)郵政公社を07年4月1日に解散し、持株会社のもとに郵便、窓口、貯金、保険の4つに分社化する、(2)17年3月末までに郵貯、保険両会社の全株を段階的に完全売却する、(3)郵政民営化委員会が3年ごとに民営化の実施状況を検証し、首相に意見を述べる、(4)総務省令で郵便局の設置基準を定め、郵便局網を維持する、(5)社会・地域貢献基金を1兆円積み立て、過疎地のサービスを支援する、などである。 民営化の最大の狙いである郵便貯金と簡易保険の民営化は、国民のもっとも身近な金融ネットワークを破壊するものであり、国民に痛みを強要しながら、350兆円の資産を大銀行や財界、アメリカの金融資本の利益に供するものである。また、国民の税金を1円も使わずに全国共通サービスが維持されているのは、3事業一体で運営されているからこそであり、「総務省令で郵便局の設置基準」を定め、「社会・地域貢献基金」を1兆円上積みし、2兆円にしても、1万1千にのぼる赤字局の維持は困難である。3事業を分離することは、文字通り全国津々浦々であまねく公平に国民の利便をはかってきた郵政事業のユニバーサルサービスを解体するものといわなければならない。 今日までに47全都道府県議会と9割を超える地方議会が民営化反対、あるいは慎重審議を求める意見書をあげ、各種世論調査でも国民は郵政民営化を優先課題としてはいないことが示されているように、郵政民営化の強行は、国民の声とかけ離れている。自民党内の抗争は、こうした国民世論の一つの反映である。全労連が行った全国キャラバン行動でも、多くの国民・利用者から郵政民営化反対への共感と支持が寄せられた。 国公労連は、郵政事業の民営化は、公務の民営化、民間開放の突破口であるととらえ、産別課題に準ずるものとして位置づけ、全労連に結集して、署名や全国キャラバンなど郵政民営化反対のたたかいに奮闘してきた。法案の閣議決定と国会提出という新たな段階を迎えた下で、「公共サービスの商品化」に反対するとりくみと結合して、小泉構造改革の「本丸」である郵政民営化反対の世論と運動を広げ、廃案をめざしいっそう奮闘するものである。
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