|
|
ガイドライン関連法案が、本日衆議院ガイドライン特別委員会において、一部修正の上、共産党・社民党・民主党の反対をおしきって採決され、明27日にも衆議院本会議での採決が強行されようとしている。マスコミでも「憲法違反の疑いあり」53%「法案支持」37%「法案不支持」48%(以上ニュ-スステ-ション)、「十分な審議」を求めるが57%(NHK)に示されるように、この法案の内容が国民の間に知られるにしたがって、怒りと不安、慎重審議を求める声が急速に広がっており、労働組合の分野でも所属するナショナルセンターや産別組織をこえた運動がひろがっている。法案に批判的な意見書を保守系議員も賛同して採択した地方自治体は188をこえており、一斉地方選挙後の地方議会での意見書採択の数は急速に増加するものと考えられている。 にもかかわらず、小淵内閣は、一部野党との「修正」によって、29日からの首相訪米にあわせて、国会での審議を強行に推し進めようとしている。これまでの国会での審議を通じて、この法案の本質が、アメリカが行なう戦争に日本が自動的に参戦する憲法違反の戦争法案であること、わが国の21世紀の命運にかかわる重大な問題であることが明確になったが、国会での審議も国民的討議も未だ緒についたばかりである。このような重大法案を、国民的討議も保障しないまま、こともあろうに首相訪米の手土産にするなど、断じて容認することはできない。 このガイドライン関連法案で想定されている行為は、戦闘中の米軍を支援する明白な海外での戦争行為であり、アジア・太平洋地域全域に軍事的緊張と武力紛争の危険をもたらすものである。現にアメリカは、国連や国際法を無視して昨年12月にはイラクを、そしていまもNATO軍をひきいてユ-ゴスラビアへの軍事攻撃を行なっており、国連総会で国際法違反として度重なる非難をうけている。この法案が成立したならば、アメリカがアジア・太平洋地域で先制攻撃による無法な戦争を開始した場合、日本がその戦争への加担者となる、きわめて危険な法律である。また、この法律は自衛隊のみならず、国の行政機関はもとより自治体や民間をも軍事行動に総動員する恐るべき内容をもっている。 政府は、ガイドライン関連法案の衆議院本会議採決と同じ27日、「行政改革」関連法案を閣議決定する。首相の発議権、財界による「行政乗っ取り」を意図した内閣機能の強化や実施部門の「減量化」に力点を置いたこの法案は、ガイドライン関連法案と一体となって、行政をアメリカや財界に奉仕するものに「改革」し、恒久平和・基本的人権・国民主権・地方自治などの憲法の諸原則を形骸化するものである。 法案によると私たち国公労働者は、「周辺事態」の際には、日米両国とその軍隊が行なう軍事行動に加担しあるいは補佐し、地方自治体・国民への「協力」を強制する仕事を担うこととなる。また、国民の安全のための措置や基本的人権を戦争遂行のために抑制する先兵としての役割が求められることとなる。 1999年4月26日
日本国家公務員労働組合連合会 書記長 福田昭生 |