「公共サービス商品化」反対宣伝行動用スポット原稿
(Ver.2)2005年2月2日作成


▼宣伝スポット原稿〈全運輸〉自動車登録の民間化反対

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 政府の規制改革・民間開放推進会議が昨年末にとりまとめた「規制改革・民間開放の推進に関する第1次答申」では、個別官業の民間開放推進の「具体的施策」として、自動車登録の民間開放について検討すべきとしています。
 自動車登録業務はマニュアルを整備すれば民間化が可能であるとしていますが、本当にそうでしょうか。

 自動車の登録は、国民の財産を守るという観点での所有権の公証と、安全基準の確保や、納税、犯罪捜査の基本データのためなどの目的で、その制度が作られています。

 日本の自動車保有台数は、04年3月末現在で約7,700万台で、赤ちゃんやお年寄りも含め2人に1台の割合になっています。
 高級車などの盗難事件が頻繁に発生して、個人情報の流出事件も相次いでいます。マニュアルさえ整備すれば、誰が自動車登録業務をしても良いという状況ではありません。国民の財産や個人情報が本当に守られるためには、政府が直接実施するのが最善です。

 自動車登録業務を全国均一な行政サービスとして、厳正、迅速かつ確実に処理するため、現在、各都道府県93カ所に運輸支局、自動車検査登録事務所が設置され、専門的な知識を持って対応してしています。
 しかし、民間化されれば、このような体制が維持される保障はありません。効率化が最優先されるからです。

 私たちは、自動車登録を民間が行うことに次のような不安を持っています。
 一つは、利益追求となり、登録手数料が値上げとなるのではないか。二つには、手続き窓口が縮小される地域が生まれるという点です。サービスの質が低下し、国民の負担が増えると考えています。
 また、登録情報の管理がおろそかになり、国民の個人情報が流出する危険があることや、不正な登録が判断できず、盗難車が転売される、のではないかなどの不安を持っています。

 いま、政府が行おうとしている自動車登録の民間開放は、国民の財産保護、社会秩序の維持という自動車登録制度を根幹から崩壊させるものです。



▼宣伝スポット原稿〈全労働〉ハローワークの民間開放は労働者の権利を後退させます

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、いま規制改革・民間開放推進本部では、ハローワーク(職業安定所)の運営を、丸ごと民間企業に委託すべきだということが議論されています。私たちは、ハローワークの民間開放は、働くみなさんの権利を、大きく侵害するものではないかと考えています。

 いくつかの問題点を指摘します。

 一つは、そもそも働く人の権利に関わる問題は、労働者の代表の意見を聞きながら議論するのが当然ですが、推進本部は、企業の代表のみで構成されている点に異常さがあります。

 二つは、ハローワークは単独ではなく、労働基準監督署と密接に連携した仕事をしており、この連携を断ち切るハローワークの民間委託は、とても認められるものではないといいうことです。
 「就職したけれど労働条件がひどい」といったハローワークに寄せられる相談は、労働基準監督署に連絡され、企業への行政指導に活かされています。ハローワークを求人情報誌や労働者派遣を行う民間ビジネスに委託すれば、どうなるでしょうか。求人企業は顧客ですから、顧客のマイナス情報を監督署に通報しなくなる恐れがあります。ハローワークは今よりずっと企業寄りとなり、労働者の権利侵害は避けられません。

 三つに、ハローワークの民間開放を主張する人たちは、ハローワークが非効率とも言っていますが、その実態はまったく違うということです。
 ハローワークが就職1件当たりに要する費用は約8万円と言われています。一方、既に自治体が民間委託して実施している職業紹介は、40万円を超えるケースも明らかになっています。ハローワークの民間開放は、税金の浪費にもなりかねません。

 ぜひ、お配りしているビラをお読みいただき、職業紹介のあり方について、一緒にお考えいただくようお願いします。



▼宣伝スポット原稿〈全厚生〉国民誰もが安心して暮らせる社会保障制度を

  政府・小泉内閣は、国民には「自分のことは自分で(自律自助)」といって、「社会保障構造改革」を押し進め、医療、年金、介護など社会保障予算を抑制、削減して国民に負担を押し付けています。

 昨年の年金法案審議の過程で、年金保険料の未納問題が大きな問題となりました。小泉首相の「人生いろいろ、会社もいろいろ」という無責任な発言もあって国民の年金制度に対する不信・不満が沸騰しました。さらに、その制度運営主体である社会保険庁の不祥事問題が表面化しました。

 政府や財界は、公務のリストラや商品化を進める絶好の口実として社会保険庁問題を利用しようとしています。「市場化テスト」という新手の手法を使って、社会保険業務を民間企業に開放しようとする動きを強めており、昨年末に3つの業務を市場化テストモデル事業とすることを閣議決定しました。

 社会保険業務の「市場化テスト」による「民間開放」は、基本的人権を保障すべき国の責任放棄・後退を意味します。これでは、国の責任で安定的、継続的に行うべき行政サービスの切り捨てに繋がりますし、国民の安心を奪いかねません。企業の利益のために、国の責任をますます縮小、後退させることは許されません。

 私たちは、憲法25条を活かし、国民誰もが老後を安心して暮らせるために、社会保障制度の中心をなす年金・医療制度を充実させること、その運営体制は国の責任で公正に行うことが必要だと考えています。
 みなさんのご理解とご支援をお願いしまして訴えを終わらせていただきます。



▼宣伝スポット原稿〈全国税〉税金徴収の民営化は危険がいっぱい

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 オリックスの宮内会長が議長の規制改革・民間開放推進会議は、税務署の徴収の仕事を民間開放すべきだと言っています。そして、「徴収業務は基本的には、個々の税等の処理であり、一般的に政策判断や裁量の余地はなく、民間開放は可能」「滞納処分等を公務員に行なわせるよりは債権回収のノウハウを持った民間の業者に行なわせるほうが効果的」と言うのですが本当でしょうか。

 税金の徴収を民間業者が行なうことに利点があるのでしょうか。民間化により営利追及、効率性重視になると処理しやすいものを手がけ、容赦ない「取立て」や問題があるものについては後回しにするということになりかねません。それで公平な税金の徴収と言えるのでしょうか。

 税務署にはさまざまな情報が集まります。その情報を活かして税務調査や徴収事務を行っています。徴収の事務の民間開放は、情報が民間に利用されるといった情報の「民間開放」、「民間利用」になっては大変です。税金を扱う公務員には、法律で守秘義務を課しています。そうした公務員が行なう仕事だから安心して任せられるのではないでしょうか。

 国民・納税者の大切なプライバシーや権利を保護するためにも、徴収業務の民間開放は問題があります。私たちは民間開放には反対しています。



▼宣伝スポット原稿〈全法務〉不動産・会社などの登記業務は民営化になじみません

  ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 政府の規制改革・民間開放推進会議が進める「市場化テスト(官民競争入札)」の対象に法務局で行っている「登記業務」を含めようとしています。大切な財産、土地・建物の登記は、国が責任を持ってこそ、信頼性・安全性が図られます。

 「親から受け継いだ土地は守っていかなければならない」「将来、自分の土地・建物を持つのが夢だ」「会社を興してがんばろう」
 みなさんの不動産(土地・建物)、会社などに対する思いはどうでしょうか。

 みなさんは一生に一度は登記をすることになるのではないでしょうか。親が亡くなった時は相続登記、家を新築すれば建物表示登記、会社を興せば会社設立登記などの申請が必要で、自分で申請した方も、資格者に依頼した方も申請先は法務局(登記所)になります。
 登記は国が保証する信用制度であり、法務局(登記所)は、不動産(土地・建物等)、会社・法人・地図などを管理しています。

 政府はコスト削減を主たる目的として「民間開放」を強引に推し進めてきている状況ですが、登記についても、「公務で行わなければならない法的根拠は何か」、「各種資格者が行えば公務員でなくともできるのではないか」、「審査はマニュアルがあればできるのではないか」と迫ってきています。

 しかし、登記業務は単なる登録業務ではありません。法務局(登記所)では全国で連日提出される多種多様な申請事件について、登記官によって、厳正に審査され、法律的判断に基づき権利義務を認定し、登記に反映させています。

 登記は、国が保証する信用制度であり、私たちは国の機関である法務局が登記業務を行っているからこそ、安心して生活ができ、会社では安心して経済活動ができると考えています。法務局に働く職員はそのことを誇りにして一生懸命仕事をしています。

 民間開放となれば営利を追及しなければなりません。営利を求めるとなれば、登記相談の有料化、各種証明書等の手数料引き上げなど、利用者の負担が増えるばかりか、営利にならない地方では業務の切り捨てが行われることは必至です。

 みなさんの大切な財産、土地・建物などの登記は、国が責任を持ち、全国一律のサービスを提供してこそ信頼性・安全性が担保されるものであり、民営化にはなじみません。
 私たちの主張をご理解いただき、ご協力をお願いします。



▼宣伝スポット原稿〈総理府労連〉国勢調査を民間調査会社にまかせてよいのでしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 政府は、いま、公務員の数をとにかく減らして、業務を民間開放せよと言っています。民間開放すべき業務に、統計調査の実施もあげられています。

 現在、国勢調査や労働力調査などの国の基幹的な統計調査は、「指定統計」として、過不足なくこれが実施されるよう、統計審議会等の審議を経て管理されています。
 そして、これらの調査は統計法や調査規則にのっとって、国と地方公共団体とで業務を分担し、世界的にも高い水準の統計を得ています。

 いま、これをまるごと、民間に開放し、あるいは官民が競争でやるということになれば、調査実施者が地域や調査年によって異なってくることにもなりかねません。

 また、「民間会社では個人情報の洩れが心配」と、非協力が増え、精度ががた落ちということにもなりかねません。

 こうした事態を懸念して、日本統計学会と応用統計学会は共同で「政府統計調査の信頼性を維持せよ」という緊急アピールを発表しました。アピールでは統計の信頼性・正確性、継続性確保の上からも、国際的な状況からしても、統計調査の民間調査機関への委託には反対であると言っています。

 統計は正確さが命です。安上がりでも、精度の低い統計ではとり返しがつきません。調査のやりなおしはできないのです。正確な統計は国民の共有財産です。現状認識には欠かせないものです。正確な統計を継続的に提供することは、国の責任においてなされるべきです。



▼宣伝スポット原稿〈全港建〉民間委託が本当に効率的でしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 いま、国家公務員の職場では、「行政改革」の名のもとに定員削減、官業の民間委託や民営化が強引に押し進められています。このような状況の下で、大きな弊害と矛盾が明らかになってきています。

 公共事業の職場では、工事の監督業務や発注業務で民間委託が進められています。民間委託では1人当たり年間約1,400万円の費用がかかっており、国家公務員の平均年収と比較しても、2倍以上の高額な費用となっています。このことは、専門性の強い業務が相当数を占める公務の仕事を民間に開放することが、必ずしも安上がりにならないことを示しており、政府の進める行政の効率化・財政再建にも明らかに矛盾しています。
 また、行政の民主化や良質な社会資本整備のためには、国自らが計画・設計・積算・工事監督・工事検査などの業務を行うことが必要です。特に、監督・検査業務は重要で、阪神淡路大震災や山陽新幹線トンネル工事では手抜き工事を見過ごしたことが被害の拡大につながったと指摘されています。

 定員削減をめぐっては、官と業の癒着の温床である「天下り」を助長するという弊害があります。国土交通省地方整備局港湾空港関係の職場では、1967年に6,764名いた職員が 2003年度定員で3,070名と半減させられてしまいました。第10次定員削減計画では、2005年までの間、289名もの定員が削減される計画になっています。一方、定年退職予定者は 110名です。その差と新規採用者の数だけ若年勧奨退職が必要となり、50歳代半ばで公務の職場を去ることが強要されています。当然受け皿として民間関連企業への天下りが必要となり、そこには必然的に官と業の癒着が生まれることとなるのです。
 さらに、画一的な定員削減は行政サービスの低下をもたらします。日本は、人口に占める国家公務員の数が先進諸国の中でも圧倒的に少ないのが実態です。こなしきれない業務は民間委託や民営化というのが政府の方針ですが、利潤追求の民間企業と基本的人権の保障を目的とする官業とは相容れない性格のものです。

 私たちは、政府が進める画一的な定員削減と、官業の民間委託・民営化に断固反対します。みなさんのご理解とご支援をよろしくお願いします。



▼宣伝スポット原稿〈全建労〉公務リストラで国民生活が脅かされる

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 いま、財政赤字を理由とした公務リストラの一環として「官から民へ」の流れが強められています。本来、国が責任を持って行うべきである分野での切り捨てが進められようとしていますが、国民生活の安全は守られるのでしょうか?

 10年前の「阪神・淡路大震災」では、公共施設の手抜き工事が大きな問題になりました。手抜き工事を無くすには納税者の立場で専門的技術をもつ公務による監督・検査でしっかりチェックすることが大切ですが、今まさに、その監督・検査を民間にまかせようとしています。

 それでは、監督・検査を民間にまかせるとどうなるのでしょうか?

 三菱自動車のリコール隠しや美浜原発の配管事故に代表されるように、営利目的となれば利益優先で国民の安心と安全が脅かされることになります。災害から国民の人命と財産を守るためには強固で安全な公共施設を作ることが不可欠であり、そのためには行政による監督・検査をしっかり行う体制が必要です。

 昨年は、相次ぐ台風の上陸や「新潟県中越地震」などにより多くの人命と財産が犠牲になりました。河川・道路などの公共施設も大きな被害を受け、国民生活に多大な影響を与えるなどあらためて安全な施設を作ることの大切さが明らかになりました。

 地震災害に対して最も安全であるべき学校施設は、地域の防災拠点の6割を占めているにもかかわらず、特に小中学校の校舎の耐震補強達成率は49%にとどまっています。また、国が急傾斜地・崩壊危険箇所に指定し、防災対策が必要とされている箇所のわずか23%しか対策がとられておらず、土砂災害、地震災害など自然災害全般に関して環境に配慮した上で災害に強い国土づくりが急務であることは明らかです。緊急防災対策を強化する体制と予算の確保が求められています。民間開放一辺倒では、国民のみなさんの安全は守られません。



▼宣伝スポット原稿〈全気象〉公務リストラで国民生活が脅かされる

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 近年、台風や集中豪雨、地震や津波、火山噴火などによる自然災害が頻発しています。

 とくに昨年は、10月に発生した新潟県の中越地方を震源とする震度7の地震をはじめ、台風や集中豪雨などによって、全国各地で甚大な災害がもたらされ、多くの尊い人命と財産が失われました。いま、自然災害に対する国民の関心が高まっています。

 しかし、気象事業全般を支えるべき気象庁の実態はどうでしょうか。精度の高いきめ細かな防災情報を望む声は年々高まっていますが、気象庁の年間予算は約700億円(国家予算全体の0.1%)と10年間ほとんど変化していません。
 そのため、監視観測体制の最前線である測候所が45カ所も廃止されました。また、気象庁の定員についてもピーク時より595人も純減となっています。科学技術の発展と機械化がすすみ、瞬時に大量の情報を取得・処理できるようになりましたが、それを活かす技術者が年々減っています。気象庁の実態は、国民の期待や要望に相反している状況にあります。

 スマトラ沖地震と津波の被害を受けて、1月に神戸で国連防災会議がおこなわれ、最終報告の中に、「国の直接の責任で防災体制の強化を」おこなうことが盛り込まれました。 また、全気象労働組合が、これまでおこなったアンケートでも「国民の生命と財産にかかわる分野はスリム化すべきでない」との意見も多数寄せられています。
 私たちは、気象庁が国の機関として、引き続きその役割を発揮することが気象事業の発展に欠かせないことだと考えています。自然の脅威から国民の生命と財産を守り、国民の期待とニーズに応える気象事業の拡充に、ご協力をお願いします。




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