■国立病院機構■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 地域医療の崩壊と医師・看護師不足が社会問題となっている今、国が医療に果たすべき責任は、大きくなっており、国立病院が国民医療・地域の医療に対して果たすべき役割もますます重要になっています。 こうした中で、独立行政法人の「整理合理化計画」の名のもとで、国立病院の統合・廃止・民営化が強行されると、医療に対する国民サービスを低下させ、さらなる地域医療の崩壊に拍車をかけることになります。国民のいのちと健康を守るために、国立病院の存続・拡充にご理解をお願いします。 国立病院は、がん・脳卒中・心臓などの疾病に対する高度医療の実施とともに、地域の医療機関と連携して地域医療を支える重要な役割を果たしています。 国立病院は、民間の医療機関では経営的に困難な、結核、重症心身障害、筋ジストロフィー、精神、小児救急をはじめとする政策医療において重要な役割を果たしています。 最も不採算な医療である結核医療は、国立病院が全国の結核入院患者の約45%以上を受け入れています。 民間の医療機関では経営が困難である不採算な政策医療における国立病院の役割と責任は大きく、国立病院が必要な運営費交付金を確保し、引き続き国がきちんと責任を持ち、仕事は公務員が担う特定独立行政法人としてこれまで以上の役割を発揮すべきです。 地域住民に不可欠な医療機関として運営されている国立病院を廃止、縮小、民営化するのではなく、国民の医療要求に基づいて存続・拡充させていくことが、今こそ必要です。 ■統計センター■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人・統計センターは、総務省統計局が行う統計調査の集計をしています。国勢調査、労働力調査、家計調査などをご存知でしょうか? 統計センターは、ただの集計機関ではなく、現場で職員が数値の判断をして結果を出している所です。 その統計センターは独立行政法人の整理合理化計画の中で非公務員化されますが、私たちはよりよい結果を出すために統計局と一体で業務を進めること、公務員であることが最良と考えます。 その調査結果は衆議院選挙区の画定基準、地方交付税の算定基準、景気判断、雇用対策、生活保護基準の検討など、行政から労働組合にまで幅広く使われています。 いま日本は、経済情勢の急激な変化、少子高齢化の進行のなかで、変化への適切な対応と、安心できる暮らしの実現が何よりも求められています。そのため、経済活動や国民生活の実態を明らかにし、行政施策の企画・立案・評価に使われる統計の重要性は高まっています。地味ながら国の基本をささえているのが統計の数値です。 いま公務の職場では、「小さな政府が良いのだ」とし民間開放ありきで、独立行政法人化、市場化テストがどんどん推し進められています。いままで地道に積み上げてきた、公務の職場の成果、研究も社会保障も統計も、すべてを対象に、儲かるものは民間へ、利潤の上がらないものは切り捨てていくという流れです。本当に国民の財産であるそれらを粉々に壊してしまうやり方でよいのでしょうか。国民に奉仕する公務員だからこそできる業務があり、公共サービスを商品化してはならないという私たちの運動にご理解、ご協力をお願い致します。 ■産業技術総合研究所(※略称=産総研)■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人・産業技術総合研究所、産総研の業務と役割について訴えます。 産総研は、2001年に、それまでの旧通商産業省の15の研究所を統合して設立された、正規職員数3200人を擁する世界でも有数の規模を誇る公的な研究所です。 産総研には、エネルギーや環境、ナノテク材料、バイオ、ロボット機械、地質、計量など、多岐にわたる分野の研究者がいます。多様な研究領域の融合と創造性の発揮を通じて、新たな技術シーズの創出や産業技術力の向上、新規産業の創出など、日本経済の発展と国民生活の向上に貢献しています。 産総研は、「本格研究」という新たな研究開発方法を推進しています。それは、新たな知識の発見・解明を目指す「基礎研究」から「製品化に至る研究」までの、連続的な研究を推進するものです。また、産学連携を推進し、地域経済・産業に対する情報提供や共同研究なども積極的に行っています。 産総研は、「技術革新を先導することで、持続的発展が可能な地球社会の実現に資する」ことを基本理念としています。それは、「本格研究」を通じて技術革新を実現し、その成果によって経済成長と環境保全を両立できるような産業構造変革の達成に繋げるものです。 しかしながら、政府の行政改革や独立行政法人の整理合理化方針によって、運営費交付金が51億円も削られるなど、予算や人員は大幅に削られてきています。 私たちは、持続的発展が可能な地球社会を実現するという使命を達成するための研究開発に奮闘しています。産総研の公的機関としての研究活動をご理解いただき、予算、人員など、その充実に対するご理解とご協力をお願いします。 ■製品評価技術基盤機構(※略称=評価機構)■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 私たちが働いている製品評価技術基盤機構(評価機構)は、経済産業省が所管する独立行政法人で、次のような4つの重要な業務を行っています。 生活安全業務では、パロマ工業のガス機器による一酸化炭素中毒事故等を受けて2006年に消費生活用製品安全法が改正され、「評価機構」の体制強化と関係行政機関との円滑な連携強化に努める趣旨の参議院附帯決議が行われたように、その評価と期待はさらに高まっています。増大する製品事故の調査、原因究明を継続して行い、ノウハウ、データ等を蓄積して、行政、国民に安全情報等を提供しています。 化学物質の安全管理分野では、「化学物質の安全管理のための法律」で定められた安全性の審査等を、国と密接に連携して行っています。また、化学兵器禁止条約で義務づけられている国際査察では通告後48時間以内に対応しています。 バイオテクノロジー分野では、産業の基盤である生物遺伝資源の探索、収集、保存、提供を行っています。また、海外の生物遺伝資源について、生物多様性条約に従い日本へ希少資源の移転を実現しています。 認定分野では、秤(はかり)など市販の計測器等が正確なものとするために、計量法・工業標準化法に基づく国の事務(事業者の登録等)を法律に基づき実施しています。 こうした重要な業務が増大する一方、人員は減らされ続けています。 公的な機関として国民の安心安全を担うために、「評価機構」の職員は、これまでの技術的蓄積を生かして経済産業省など中央省庁と密接に連携して奮闘しています。一層の人員・予算の充実が求められています。 ■工業所有権情報・研修館(※略称=情報・研修館)■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人工業所有権情報・研修館は、明治20年にスタートした特許庁の「万国工業所有権資料館」を前身とする組織です。 発明、実用新案等の公報や審査等に関する文献など、特許や商標など工業所有権に関する情報を収集して整理・提供しています。また、特許庁の職員その他の工業所有権に関する業務に従事する者に対する研修等を行い、工業所有権の保護及び利用の促進を図ることを目的に活動している、100名強の独立行政法人です。 「情報・研修館」の主な事業は、(1)インターネットを利用した特許情報等の提供事業と、(2)出願手続きに関する相談事業、(3)知的財産人材育成事業、(4)特許等の技術移転を行う特許流通事業です。その中でも、特許情報等の提供事業と相談事業は、これから特許等の出願を考えている方、既に出願している方に、無料で提供しており、個人・中小企業の方の出願をサポートしています。 また、経済産業省が「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン」で掲げている、「地域・中小企業の知財活用に対する支援の強化」を進めており、地域・中小企業から期待もさらに高まっています。 工業所有権の保護及び利用の促進を図ることで、このように地域・中小企業を含めた、産業の育成・振興に重要な役割を担っている、独立行政法人・工業所有権情報・研修館の役割と予算・人員の充実へのご理解を訴えます。 ■土木研究所■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人の土木研究所は、国土交通省の事業を全面的に支援する組織であり、日本の土木技術の中枢と言える機関です。 研究の内容は、道路、橋、堤防、下水道など、国民生活に密着した公共施設の設計・施工・維持管理の研究をはじめ、地震や洪水、渇水、雪崩などの自然災害から国民の人命と財産を守る防災研究、さらにはヒートアイランド対策や多自然型河川護岸などの環境に配慮した研究も行っております。 2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では、職員を現地に派遣し、被災状況の把握、復旧の指導にあたりました。中でも、長岡市妙見で車が土砂崩れに巻き込まれた現場で、男児1名を救出できたのは、土木研究所の土砂崩れの専門家が、レスキュー隊の行動を全面支援した結果に他ならないことは、マスコミにも取り上げられ、記憶に新しいところです。 私達の活動はインフラ整備や自然災害防止など、国民生活に密着したものであり、国が最も責任を持って行うべきものです。それにも関わらず、「国立研究所は一つの例外も無く、国から切り離す」という国の一方的な政策により、独立行政法人化されました。 土木研究所の果たす役割は、独立行政法人となっても、変わるものではありません。 私達、土木研究所労働組合は、土木研究所が、真に国民のための公共事業を推進するための中枢機関として、今後とも健全な状態で存続することが必要です。 ■建築研究所■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 日本では、地震や台風や火災などの災害が発生するたびに、多くの国民の生命や財産が失われてきました。今後予想される巨大地震などの発生によって、さらに大きな災害が発生することが、多くの研究機関によって予想されています。建築・住宅・都市は、これらの国民の生命や財産と直結したインフラであり,その安全性を高めることは、国民の生命や財産を守るために急務になっています。 独立行政法人・建築研究所は、建築・住宅・都市分野を所管する我が国唯一の国立研究所として、さまざまな研究を通して建築行政・施策の支援を続けてきました。これらの成果は、建築に関する法制度・施策・基準の整備を通して、国民に還元されています。 日常は研究という地味な活動を行っている研究所ですが、大災害や、建築・住宅に関する問題(耐震偽装、竜巻被害、シックハウス問題、アスベスト建材の問題、室内事故など)が発生した場合には、国の組織の技術サポート機関として、重要な役割を果たしてきました。 建築研究所がもしなくなると、建築に係わる公的な予防や提言ができなくなる可能性があり国民の生命や財産に不利益を与えることになります。自然という大きな力に対して、建物は人を守るシェルターの役割を果たしています。建築研究所をはじめとした公的な研究所を廃止することは、結局は国民の大きな不利益につながります。近年、問題になっている地球環境問題に対しても、1億2千万人の国民が生活する場である建築・住宅・都市は、大きな影響を及ぼしています。これらの地球環境問題に関しても、建築研究所による中立で公平・公正な研究が期待されています。 ■放射線医学総合研究所(※略称=放医研)■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 がんは我が国における死亡原因の第1位を占め、その克服は国民の悲願です。独立行政法人・放射線医学総合研究所(放医研)では、従来にない画期的な治療法として重粒子線がん治療研究を推し進め、治療施設の小型化・低コスト化等によって、その普及を図っています。また、ごく初期の病巣を発見できる高度な画像診断技術の開発等にも取り組んでいます。 地球温暖化への対応を背景として、原子力や放射線の利用が世界的な広がりを見せつつあります。放医研では、我が国の放射線防護研究の中核機関として、また、国際原子力機関(IAEA)の協力センターとして、放射線の生体や環境への影響等に対する知見を蓄積し、国民の正確な理解を助けながら、研究成果を世界に向けて発信して、国際的な安全基準の策定等に寄与しています。 また、放医研は、我が国の緊急被ばく医療体制の中心としての役割も担っています。日頃より国や医療関係者、地方自治体の防災関係者を対象とした研修を行い、高線量被ばく患者に対する医療技術の向上のための研究開発にも取り組んでいます。 このように、放医研は、原子力や放射線の利用に関わる安全性の追求とその医学利用の推進に重要な役割を果たしており、国民の健康の維持と福祉の向上に大きく寄与しています。 ■宇宙航空研究開発機構(※略称=JAXA〈ジャクサ〉)■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2003年10月、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団の3つの組織が統合し誕生しました。JAXAの行っている事業は、一つは、災害・地球環境のモニタリングを行う陸域観測技術衛星「だいち」などの地球観測衛星や高速インターネットを支える衛星通信のための衛星開発と衛星を打ち上げるためのロケットの開発、事業の二つめは、小惑星探査機「はやぶさ」や月周回衛星「セレーネ」に代表される宇宙科学の研究、三つめは、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」による宇宙環境の利用、四つめは、環境を考慮した国産旅客機・国産ジェットエンジンの開発や航空機事故の技術的原因究明への協力および航空機の型式証明の技術支援など航空技術の研究開発、五つめは、それらの研究開発を支えるための基盤技術の研究です。 このような事業を通して、地球規模の環境にかかわる資料の提供や、地球や宇宙を観察することにより地球がこれからどのようになって行くのかを研究しています。そして、私たちの生活が環境も含めてより快適となるよう宇宙を利用した材料・医薬品の開発や二酸化炭素排出の少ない旅客機・ジェットエンジンの研究開発を進めています。 このような事業を行っている中で、政府の行革推進本部、行政減量・効率化有識者会議に総務省から提出された資料に「航空分野の研究開発を廃止すべき」との意見が出されました。航空機は国際線はもとより国内線でも遠距離への交通手段として広く利用され、日本はアメリカに次ぐ第2位の航空輸送大国となっています。JAXAはわが国唯一の航空機研究開発機関として、航空機の安全や環境への技術提案、国産旅客機・ジェットエンジン開発へ参加し航空機産業への技術提供、航空機事故調査への技術協力などの重要な位置にいます。JAXAの航空分野へのご理解と、予算、人員などの充実への協力をお願いします。 ■航空大学校■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 航空交通の世界では、羽田空港の再拡張や成田空港の滑走路延伸などにより、交通量が大幅に増加します。こうした背景とともに、日本国内では、団塊世代のパイロットの大量退職が始まっており、各航空会社ではパイロット不足が深刻な状況になっています。 ところが、空の安全を守る優秀なパイロットを安定的に航空会社に供給し、安全・安定的な航空輸送を確保することを目的に設立された航空大学校は、2001年度から一方的に国の業務と切り離され、独立行政法人としての運営を余儀なくされています。 パイロットの供給体制が脆弱な日本において、国民が安心して利用できる航空輸送を確保することは、国の責任において果たすべき役割であり、市場化原則に任せた民間企業の業績や存在に委ねるべきでないことは明らかです。 私たちは、空の安全を守り、国民・利用者のために将来の基幹要員となる良質なパイロットを育成する航空大学校の廃止や民営化などの整理合理化に反対しています。私たちの取り組みへのみなさんのご理解・ご協力をお願い致します。 ■国立健康・栄養研究所■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人国立健康・栄養研究所は、1920(大正9)年に「栄養研究所」として創立されて以来、87年の長きにわたり国民の健康づくり、栄養・食生活の改善に寄与してきました。2001年には独立行政法人となりましたが、歴史と伝統を踏まえ、日本で唯一の健康・栄養の研究機関として活動しています。 国立健康・栄養研究所の目的は、「国民の健康の保持及び増進に関する調査及び研究並びに国民の栄養その他国民の食生活に関する調査及び研究等を行うことにより、公衆衛生の向上及び増進をはかること」をかかげています。これは、国の重要施策に科学的な根拠を与えるものです。厚生労働行政と一体不可分の研究活動であり、憲法25条の理念の具現化として、国が責任をもって運営することが必要な研究所です。 その使命は、健康及び栄養に関する研究を通じて、国民の健康と福祉の向上に貢献することです。現在、(1)生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究、(2)日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究、(3)「健康食品」を対象とした食品成分の有効性評価及び健康影響評価に関する調査研究を重点調査研究として推進しています。 生活習慣病予防の推進には、健康・運動・栄養の3分野の研究を横断的に進めることが必要です。国立健康・栄養研究所は、そうした各分野の研究を担う研究者、施設・設備を兼ね備えた日本で唯一の研究機関です。最近の例では、メタボリックシンドローム対策の根幹を支える「日本人の食事摂取基準」や「健康づくりのための運動基準」の策定に研究成果が活用されています。 また、「国民健康・栄養調査」は、戦後の貧困状態にあった昭和20年に連合国軍司令部(GHQ)の指示で実施されたものであり、現在は健康増進法に基づき継続的に実施しています。国の健康増進施策の重要な基礎資料となるものであるため、精度を保った調査・集計の実施とそのための研修や研究、過去からのデータの一元的管理を総合的に行うことが必要です。当然、施策の立案を行う国が公正・中立な立場で実施しなければならず、実施主体として民間を活用することは困難です。 健康の保持及び増進、栄養と食生活など国の施策をすすめる中心的な役割を担い続ける上で、かつ栄養・食生活・運動と健康を包括的に研究する体制を維持するために、国立健康・栄養研究所の機能と役割は、益々重要になっています。 ■医薬基盤研究所■ ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連です。この場所をおかりして、国民の安全・安心と社会の基盤をささえる独立行政法人の拡充を訴える宣伝行動を実施しています。 独立行政法人医薬基盤研究所は、国民の健康維持増進を目指し、画期的な新しい医薬品等の開発促進のために厚生労働省初の研究開発・支援型の研究所として2005年に設立されました。研究所開設から3年が経過し、研究所としての活動が軌道に乗り始めてきたところです。研究所設立以前から製薬企業と連携して先行して進められていたトキシコゲノミックスプロジェクトは第一期の成果を評価され、発展的に第二期プロジェクトへと受け継がれています。画期的な医薬品開発は国家戦略として重要であることは言うまでもありませんが、新薬開発は経済的に高いリスクを負う分野です。医薬基盤研究所は基盤的技術開発研究、研究開発振興、研究資源開発整備の3つの柱により、日本における創薬研究のまさに基盤となるべき活動を展開しています。 医薬基盤研究所は国民の健康維持増進のための画期的な新薬開発支援と国家戦略としての新しい医薬産業の育成振興を目的として、基盤的技術研究、生物資源研究、研究開発振興の3つの事業により目標の具体化を推進しています。(1)基盤的技術研究では、ゲノム科学、たんぱく質科学、再生医療など急速に発展する基礎研究の成果に基づき創薬に関する共通的・普遍的な技術の研究を行っています。(2)生物資源研究では、先進的医薬品の開発に必要な遺伝子、細胞、実験動物などの生物資源を開発、収集・保全し、研究現場に安定的に供給する研究を行っています。(3)研究開発新興は、製品となる際の治験や技術移転など経済的にリスクの高い部分への積極的な支援や、希少疾病用医薬品等の開発支援を行っています。これらの事業を総合的に推進することによって目標の達成を目指しています。 国民の健康を取り巻く環境は常に変化し、トリインフルエンザなどの新興再興感染症や、高血圧、循環器疾患などの生活習慣や癌などに対して常に先進的技術による新薬開発や最新医療技術の開発が不可欠です。こうした環境の中で医薬基盤研究所は創薬の分野で先進の医薬品開発のための基盤的な研究推進支援を行っています。産学官の連携が決定的に重要ですが、産・学のいずれにもできない部分を受け持つ使命をもって、その体制を構築しています。さらに、日本で唯一の薬用植物を維持育成する薬用植物資源研究センターや前臨床試験に重要な霊長類医科学研究センターを備えており、まさに創薬の分野における総合的基盤研究・研究支援を推進する設備、人材、資源を兼ね備えた研究所です。画期的な創薬開発研究・支援を目的とした他に類を見ない研究所であり、医薬基盤研究所が国民の健康維持増進、医薬産業育成推進に貢献するために、その機能と役割が益々重要になっています。
以上
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